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2006.12.27

原発のタービン問題その5

「原発のタービン問題その4」の続報です。

毎日新聞より「中部電力:タービン損傷の補償問題で日立に賠償請求へ」「北陸電力:原発タービン羽根損傷で日立に賠償請求へ
中部電力浜岡原発5号機のタービン損傷事故の補償問題で、同社の三田敏雄社長は26日の定例会見で、メーカーの日立製作所に賠償請求することを明らかにした。
今後、代替発電コストなどの「逸失利益」の負担も日立側に求めていくとみられる。

タービン事故の原因は設計上の問題による金属疲労と判明しており、日立は原状復旧の補修費用は全額負担すると表明している。

しかし5号機は6月の事故から停止したままで、中電は来年3月まで運転再開できなかった場合、コストの割高な火力発電所の代替稼働などで約1280億円の損失が出ると見積もっている。
これが中部電力の対応で北陸電力も同様の発表を行った。
北陸電力の永原功社長は26日、富山市の本店で会見し、設計・製造元の日立製作所に補修費用などの損害賠償を求めて協議を申し入れたことを明らかにした。

タービンの羽根の損傷は「日立の設計が十分でなかったため」と判断。
工事契約に基づき、タービン取り換えや点検費用、原発停止に伴う火力発電所のたき増しなど間接損害も含めた費用負担を求め、同日、日立側に文書で協議開始を申し入れた。
請求金額などは明らかにしていない。
中部電力と北陸電力のこの方針に対して日立製作所は、現在のところ従来からの考えを変えてはいないようだ。

中部、北陸両電力が原発停止による逸失利益を含む損害賠償を請求することを正式に決めたことに対し、日立製作所は「こちらにも株主がおり安易な妥協はできない。
タービンを設計した10年前の知見では今回の事故は予想できず、設計ミスだったとは考えていない。
今後の話し合いで日立の立場は主張する」(首脳)と、争う姿勢を見せている。

日立は既に、タービン修理費用の実費約400億円(2社合計)を負担すると表明。
これらにより、550億円の黒字予想だった07年3月期の最終損益見通しを9月、一転して550億円の赤字予想に修正している。

ただ、2社合わせて最大約1500億円と見込まれる逸失利益まで負担することは業績見通しに織り込んでおらず、両電力との交渉によっては、大幅に損失が膨らむ可能性がある。
日立製作所の主張の根拠はユーザーである電力会社と問題となったタービンを設置することで契約をしたのであって、新型タービンは効率向上のために設計変更されたものであった。
このことによってユーザーである電力会社にまったく責任がない、とは必ずしもいえないことは分かるが実際問題として電力会社は問題のタービンの決定には間違いなく関与していないだろうし、寿命が短いといった警告を日立製作所から受けていたらそれでも採用したのだろうか?

そんなことを考えると、日立製作所の主張にはいささか無理があって、電力会社の逸失利益の総額ではなくともかなりの金額を賠償することになると思う。
ところで肝心のタービンの補修と発電所の運転再開はいつのことになるのだろうか?
2006年12月26日付の中部電力のプレスリーリースがあった。
  1. 6月15日に低圧タービンの羽根の損傷により自動停止
  2. 10月27日に、低圧タービンの羽根の損傷の原因と対策について国に報告
  3. 11月8日には、国に対して、圧力プレートの設置に係わる工事計画の届け出
  4. 12月22日に国の審査が終了
  5. 翌23日より、低圧タービンの組み立て工事に向けて、タービンの軸の羽根取り付け部分を削る工事などの準備作業を開始
  6. 復旧時期につきましては、国による使用前検査の実施など不確定な要素が多く、不明
純粋に技術的な問題とはいえ、原子力発電に関しては国が全面的な審査と管理を行っているわけで、タービンの羽が折れるという致命的な問題を起こしたことは、審査をしている国の責任も問題になるから補修工事完了後の国の検査も相当厳重になるだろう。このために運転再開までの時間が長くなり電力会社の逸失利益もより大きくなることになる。

関係各社にお願いしたいことは、実際に何が起きてこのような事態になったのかを明らかにすることです。

12月 27, 2006 at 10:22 午前 もの作り |

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