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2006.11.04

臓器移植法初の違反事件・続編

宇和島徳州会病院を舞台にした「臓器移植法初の違反事件」はヘンテコな展開になってきた。

朝日新聞 「病気で摘出の腎臓移植 宇和島徳洲会、過去に11件
宇和島徳洲会病院は2日、過去に実施した生体腎移植の中で、病気によって摘出した患者の腎臓を別の患者に移植したケースが計11件あった、とする調査結果を発表した。

こうした移植は安全性に疑問があるうえ、同病院が移植の可否を検討する倫理委員会も置いていなかったことから、日本移植学会の倫理指針に明白に違反する。
専門家からは「医療行為として問題が多い」と疑問の声が出ている。
これだけ読むと「倫理規定に反したのか」と思ってしまうが、テレビでインタピューされた専門家が「取り出した腎臓に問題がないのなら元に戻すのが当然でしょう」と言っていてそりゃ当然だと思った。
この点についてどう説明するのか?と注目しているのだが。

日経新聞 「腎臓移植執刀医「無理に摘出していない」・宇和島徳洲会病院
執刀した万波誠医師(66)は3日、共同通信の取材に対し「決して無理やり臓器提供者(ドナー)から摘出したり、(移植に絡んで)金をもらったりしたことはない」と話した。


臓器売買事件発覚直後の10月2日に開いた記者会見で「今までの移植はすべて親族間だった」と説明したことには「今回(11件)は例外。うそをついたわけではない」と釈明した。

万波医師は、ドナーの病気は腎臓がんや腎動脈りゅうなどで、患者(レシピエント)にはがんが再発する恐れがあることなども説明し、同意した患者にのみ移植したといい、ドナーも摘出を望んでいたと説明した。〔共同〕
いくら何でもこの説明は無理がありすぎだろう。
全体の手術件数は77件、その内の11件だから14%で「例外」はないだろう。
しかも「取り出した腎臓が問題ない場合も他人にタダで渡しても良い」なんてコトを言う人間は居ないだろう。
どう考えてもこれでは説明になっていない。

読売新聞 摘出2病院、移植は知らず…病気腎 同意書提出なし
腎臓の摘出が実施された岡山県内の2病院が3日、読売新聞の取材に対し、移植に使われることを知らず、患者からの同意書も提出されていないことを明らかにした。

摘出手術を行った万波(まんなみ)廉介医師(60)(岡山県在住)は70歳代の女性から摘出した際、「病理組織を見るために持ち帰る」と病院側に話していたことも判明。
虚偽の説明で腎臓を移植した可能性もあり、厚生労働省や愛媛県は情報収集を始めるほか、日本移植学会も13日、臨時理事会を開き、対応を検討する。

宇和島徳洲会病院で、病気の患者から摘出した腎臓を移植したケースは11件あり、すべて廉介医師の兄で、同病院泌尿器科部長、万波誠医師(66)が行った。

岡山県東部にある公立病院によると、廉介医師はこの病院で週に2回、泌尿器科で診察を担当。
摘出手術を受けた女性は、同県内の医院で治療を受けていたが、腎臓がんの疑いがあるとして、公立病院に紹介され、今年6月に廉介医師の執刀で、摘出手術を行った。

終了後、廉介医師は「特殊な事例で、病理学の専門家に見せるために持ち帰りたい」と申し出たため、院長は腎臓を院外に持ち出すことを許可したという。

廉介医師は「女性は結果的にがんではなく、石灰化した組織がこびりついた状態で、石灰化部分を切除して移植した。
患者の了解は得ている」と説明。
ところが、院長は「腎臓がんなので摘出したと思っていた。移植は寝耳に水で、患者も知らないはず」と驚く。

また、同じころに、廉介医師が50歳代の男性から良性腫瘍(しゅよう)の腎臓を摘出したとされる岡山市内の大学付属病院も摘出後、腎臓が移植されたことを知らなかったという。

この病院は、移植に関係する手術は、院内の倫理委員会に諮るが、男性の事例は審議されていない。

廉介医師は「2例とも患者から同意は得ている。公立病院の院長には、口頭で説明した記憶がある」と語り、病院側の説明と食い違いを見せる。

誠医師は「臓器の提供を受けられず、困っている人のためを思った苦渋の判断だった。
(患者と臓器提供者の)双方に同意を得ているので問題はない」としている。
どうも摘出する側にはウソを言ったとしか言いようがないようです。
ウソを言ったとなると、これは臓器詐取ではないだろうか?
こういうデタラメを防止するのも倫理委員会の大きな役目であるはずだが、倫理委員会を開かなかったからすり抜けてしまったわけだ。

毎日新聞 「疾患腎移植:執刀医師「倫理より患者」と主張
売買事件の手術を担当した泌尿器科部長の万波誠医師(66)が取材に「倫理を持ち出されるが、私には患者の方が大事。患者の了解も得ている」と述べ、手術に問題はなかったとの認識を示した。
しかし、同病院では当時、倫理委員会がなく、臓器を摘出した病院でも11件のうち少なくとも5件は倫理委員会に、移植をはかっていないことも新たに分かった。
毎日新聞はこの問題の重大さを解説している。
■解説 移植の前提揺るがす事態に

移植医療はレシピエント(移植を受ける人)の生命を守るために、ドナー(臓器提供者)という第三者を必要とする特殊な医療だ。
そのため、ドナーの自発性や移植機会の公平性などが最も重要となる。病気を理由に摘出された腎臓が、宇和島徳洲会病院で他の患者に移植されていたことは移植医療の大前提を揺るがす事態といえる。

臓器の摘出は患者の身体に大きなダメージを与える。
慎重な判断が必要だが、今回の11例に関しては、移植できる臓器を本当に摘出する必要があったのかと、専門医から疑問が出ている。
また、ドナーとなった患者は自分の治療のために摘出に同意したのであり、その後、他の患者へ移植することを納得したからといって、もともと自発的な提供意思があったかどうかは分からない。
また「使える臓器を使う」という発想は、臓器の商品化を認めることになりかねない。

一方、レシピエント決定の経緯も不透明だ。
脳死や心臓死後に提供された臓器は、公平公正を期すため、臓器移植法のもとで、日本臓器移植ネットワークが重症度や血液型、待機日数などからレシピエントを選ぶ。

今回の移植は生体移植だが、ドナーとはつながりのない第三者に移植されている可能性があり、脳死などでの移植に形態は近い。
だが、宇和島徳洲会病院には10月まで倫理委員会はなく、医師の裁量でレシピエントが決められたかもしれない。
また、病気で摘出された臓器を移植されたレシピエントのリスクを、同病院や関係した医師らがどこまで配慮したか、疑問が残る。

同病院で腎臓移植を受け、命を救われた患者がいたことは否定できない事実だ。
しかし、移植の原則を無視して不透明な医療を進めてきたことは見過ごせない。
日本の移植医療への信頼を揺るがし、その普及を妨げることにもなりかねない。

【大場あい】
手続き的に不透明であること自体がトンでもない話しだし臓器移植法を初めとする法律や法律以前の医師の倫理といったところ問題があるとされても仕方ない亊案であるが、実際にどんな感じだったのかというと

iza(サンケイ新聞) 「万波医師「いいのあったら、やろうか」病気腎臓移植、患者に安易な斡旋
今年2月に病気の他人から提供された腎臓の移植手術を受けた50代の男性が、産経新聞の取材に応じた。
男性は昨年12月に同病院で母親をドナーに生体腎移植を受けたが、今年1月、移植した腎臓が機能しなくなり、入院しながら透析治療を始めた。
入院中、万波医師から「(腎臓の)いいのがあったらやろうか」と聞かれ、男性は「透析でも大丈夫だから無理してドナーを探さなくてもいいよ」と答えた。

しかし、2月に万波医師が「手術してみないとわからんが、(腎臓が)出るかもしれん。
だめならやらないから、期待しないでくれ」と予告。
その数日後に男性は実際に移植手術を受けた。

男性は、腎臓をもらった謝礼などはしておらず、要求もなかったという。
男性はドナーについて知らされていないが、同じ日に同病院で手術を受けた70代の男性患者ではないかとみている。

移植を受けた男性は20代からネフローゼを患っていた。
母親の腎臓をもらう数カ月前に症状が悪化し、自身の2つの腎臓を同病院で摘出した。

このとき万波医師から「あんたにはこの腎臓が合わないので取るしかないが、ほかの人には合うかもしれない。
その場合、ほかの人にあげてもいいか」と聞かれたという。
男性は「自分にはいらないので、捨てるならほかの人にあげてもいい」と万波医師に口頭で伝えた。

結局、男性の腎臓はほか他の患者に移植されなかった。
しかしこの経験から、ほかの患者が摘出せざるを得なくなった腎臓でも、受け入れに抵抗はなかったという。
どう考えればよいのだろうか?
肝臓移植では病気の発生までに何十年も掛かるからという理由で病気で切除した肝臓を移植することが行われているが、それと同じ事なのだろうか?

技術的にOKだとしても、未知の人の臓器を移植する医療を少数の医師の裁量で実行するのではまずいだろう。
一番分からないのが、移植した臓器が生着しないから取り出して別の患者に移植するというのは分かるが、びょきだとして取り出した臓器が問題なく移植できるものであれば、本人に戻すのが筋というものだろう。
この違いは天と地ほども違うわけで、そこをどう説明するのだろうか?

ちょっと想像しがたいことが起きたと言うことだろうか?

11月 4, 2006 at 10:12 午前 医療・生命・衛生 |

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TB失礼します。  とにかく自分が感じたことを書いてしまうので、お叱りをいただくこともしばしばですが、性懲りもなく今回は医師について、介護と医療というのは切っても切り離せないものであって、その医療の中心にいるのが、医師なわけです。昨今は医師不足が叫ばれていて、特に地方では、テレビ等で報道されている産婦人科や、小児科の医師以外に、外科や内科の医師を確保するのにも四苦八苦している現状です。医師と一口でいってもピンからキリまであって、ほとんどの医師が仕事に使命感を持ってやっていると思いますが、中...... 続きを読む

受信: 2006/11/19 20:47:46

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