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2006.09.10

高校で日本史を必修にしたい

読売新聞社説より [日本史必修論]「自国の歴史知らぬ高校生たち」
「高校で日本史を必修に」。こんな要望書を東京、神奈川、埼玉、千葉の首都圏4都県の教育長が、近く文部科学相に提出するという。

最初に言い出したのは、神奈川県の引地孝一教育長だ。

「日本が米国と戦争したことさえ知らない若者がいる」「県内で3割の高校生が日本史を学ばずに卒業していく」「国際社会で競うためにも、自国の歴史や文化を深く理解する必要がある」。
そんな考えから先月末、4教育長の会議で、連名での要望を持ちかけ、合意を得た。

神奈川県は、こんな提案もする。日本史の必修化が難しいなら、世界と日本の「近現代史」を総合的に学ぶ融合科目を新設し、全生徒に履修させてほしい。

現在の高校学習指導要領は「地理歴史」の教科の中で「世界史」を必修とし、併せて「日本史」か「地理」のいずれかを選択履修することになっている。

1989年の指導要領改定でそうなった。それまでの「社会科」が「地理歴史」「公民」の二つに改編され、地理歴史は「国際化の進展に対応し、他国の文化や世界の歴史の学習を充実させる必要性」から、世界史だけが必修とされた。

近現代史に関しては、4年前に実施された高校の全国学力テストで、「基本的な事項の理解が不十分」との調査結果が出ている。
受験の影響だろうか、用語は覚えているのだが、歴史の流れの中に位置づけて理解できていない実態もわかった。指導法の改善も必要だろう。

日本史、世界史、両方の必修化には、「地理」の重要性を訴える有識者らの反発が予想される。
日本史だけを必修にするなら、今度は「小中高を通じ、世界史を学ぶ機会がほとんどなくなる恐れ」が指摘されよう。調整は容易でない。
まさか、地理、世界史、日本史が席の取り合いをしているとは思わなかった。

学校教育の中に少々ではあるが関わってみると、短時間に実に内容の濃い教育が出来るように仕組みとして完成していることが分かってきました。
学校教育とか医者のOJTを比較するとOJTは時間を無駄に使っているようにしか見えない。
100年以上の教育実践の成果であることは確かだ。

しかし、文部科学省が「キャリアー教育の推進」を打ち出してから社会人が学校で講演することも一般化しつつあります。

社会人の立場から学校教科を考えてみると、とても良くできていると思う反面、なんでここまで分けないといけないのか?とは以前から感じるところですが。
それ以上に問題なのは、数学で文章問題では問題が読み取れないから回答できない、といった実社会では必ず必要になる複数の授業内容を組み合わせて問題を解決する、という方向には非常にやりにくいことです。

わたしは高度経済成長時代の話を高校ですることが多いのですが、結局はこれは近代史であって歴史はさらには政治史、技術史といった分類も可能です。こういういきさつがあったから今がこうなっている。という説明以外に高校生の将来の職業観に有益であろう話なんて出来ないですよ。

「未来はこういう産業が必ず優位になります」と分かっているのであれば、別に歴史なんて語る必要もないけど、分からないから未来なのであって判断は生徒も含めて一人一人が模索していくものです。
その判断力を高めるのには、社会全体への総合的な判断力を高めることが第一であると考えています。

つまりは、あらゆる教科というか教育そのものが歴史を無視しては成立しないと思うのです。

それを、地理と歴史にまとめたから、とはどういう事なのでしょうか?
そろそろ教科の分類を厳密にすることを緩めた方がよいのではないでしょうか?
世界史と日本史を分けてどうするの?「歴史一般」とでもした方がよいのではないか?

南北戦争が終わったアメリから武器が大量に流れ込んだから、鳥羽伏見の戦いでは旧来の銃と新しい銃の戦いになって、諸外国の帝国主義傾向が強くなると判断した開国派が鎖国政策を止めて富国強兵の方針で進むために、幕府を倒した。

とでも覚える方が楽ですよ。
今まで「教科を分解して、ムダを無くして濃縮したものが教育」とされて、事実これで極めて短期間に教育が出来ました。しかし、今や時代の変化に追従するためには「総合的な能力」が必要になってきていて、大学で教養課程が必要といった話にも関係しています。

歴史は必要だし、なによりも総合的に学んだことを使えるようにすることが重要です。

9月 10, 2006 at 10:07 午前 教育問題各種 |

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コメント

 日本史の授業は、縄文・弥生あたりから始まって、時の流れに沿って行われるんですよね。すると、昭和史をやるころには学年末になります。授業の進みが遅いと、昭和に入ったとたん、本当に駆け足になる。高校1年や2年なら、3学期をフルに使えるので何とかなるかもしれませんが、3年生で日本史をやると、年明け早々センター試験、私立の入試で授業どころではなくなるので、時間が足りずに昭和史は手つかず、入試に頻出でもないから各自教科書を読んでおけ、ってな対応になって、結局、論説で指摘された問題は解決しないってオチも有り得ます。

投稿: apj | 2006/09/11 1:16:44

この記事読んで初めて歴史が必修じゃないってのを知った。もったいないよなー、歴史知らなきゃ旅行でも読書でも映画でもTVでも楽しみ半減しちゃうじゃん。

投稿: alpha2 | 2006/09/11 8:38:51

>歴史知らなきゃ旅行でも読書でも映画でもTVでも楽しみ半減しちゃうじゃん。

正にその通りで、結局は教科の縦割りの問題になってしまうのだけど、高校での授業は年間で30週ぐらいです、それを50分授業だとすると、年間で24時間ぐらいしかない。というのですね。

24時間で各教科を完成させちゃうのだから、その濃密な教育技術というのはすごいものがあって、さすが100年からの歴史があるから、となります。

だがしかし、これは要するに食事の変わりにサプリメントを与えているようなもので、成長期だからサプリメント(クスリ)も必要というのはよいとしても食事はいらないとかにはならない。

ここらヘンの問題でしょうね。
要するに、濃度を上げ過ぎて何だかわけの分からないものを若者に与えているのではないか?

そんな感じね。
無駄なことや失敗した経験の共有といったことも大切なんだよね。

投稿: 酔うぞ | 2006/09/11 17:32:15

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