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2006.08.06

プール吸い込み事故の暗黒面その6

毎日新聞より「プール事故:ずさんな安全管理が次々と明らかに…
吸水口のふたが針金で固定されていたり、危機回避策が取れる態勢になっていなかったことなど、ずさんな安全管理が次々と明らかになった。
県警は業者に加え、市に対しても業務上過失致死容疑での立件を視野に入れ捜査を続けている。
今後の捜査は、業務上過失事件の成立に必要な「事故の予見可能性」過失と事故の因果関係などの見極めがポイントになる。
例えば、「針金を使えばふたが落ちて事故が起きると認識していたか」(予見可能性)という点では、過去にふたの脱落はなかったため、さらに関係者への事情聴取や針金の強度を調べる必要があるという。
市は針金使用については「知らなかった」としており、どれだけ現場の管理状況を把握していたかさらに説明を求める。
そもそもふじみ野市(の担当者)が「どういうものであるべきかを把握していたのか?」という問題になるでしょう。
やたらと「知らない」を連発しているようですが、格子が二重を構造であるべき事の理由を理解していたのか?といったところが問題になります。

学校のプールには適用されると理解していたらしい、こんな理解が出来るとはちょっと思えないのだけれど、おそらくは書類の字面を読んだだけなのだろう。
つまり「なぜ二重にする必要があるのか」は知らないじゃなくて考えてないだろ。。

そうすると、そもそも縦に付いている格子をネジ停めるという構造が適切なものと判断していたのか?適切だとするのであれば、その根拠は?となっていく。
「知らないじゃ済まない」のであって、プールの運営は命に関わるのは承知しているけど、内容については考えたこと無い、というのでは廃業しかあるまい。
その方がよほど良いとも言えるだろうね。

8月 6, 2006 at 01:43 午後 事件と裁判, 事故と社会 |

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 どうも世間では、市と管理会社の管理責任を追求したがっているようですが。 私的にはどうしてもそう言う思想は不満ですね。 何故なら、取水口の構造的に欠陥があるからですよ。 構造に欠陥が有るなら、そんな設計をした所と、そんな設計を承認した所の責任の方が重いと思... 続きを読む

受信: 2006/08/07 5:26:52

コメント

知人の建築関係者から、こうした公共物の受注、予算絡み、また発注元のお役所
(問題の富士見市を特定するものでは有りません)の内情についてコメントをもらえ
ましたので抜粋して掲載します。どうもM3という言わば小ネジを使用した背景も
僅かなコスト(さしたる金額差では有りませんが)を予算内でけちったのでは?と
情けない気がしてきます。

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これらの施設の設計施工に関しては、お役所作成の技術指導要綱が
あって、それに準拠しなければならず、それ以上に安全なものにする
ことは許されるのでしょうが、そうすれば当然工事費が上がって、
入札で負けるのは目に見えています。結局、公的なものにあっては
お役所の、個人のものにあっては施主の、安全に対する考え次第
ということになってしまいます。特に公的なものにあっては、担当者の
事なかれ主義というか、新しい試みに対することには消極的、というより
ほとんどやろうという気は見えません。一度組まれた予算を変更させる
ことは、とにかく大変らしいです。

 (中略)

管理会社の選考においても、問題が起きてから、あれこれ出てきますが、
私の知る限り、政治的コネを持っているとか、某団体のごり押しで決まる
とかのことが多く、本気で施設の利用者の安全を考えて決まるということは
望むべくもないように思います。
非常に、絶望的な話で悲しいですが、役所と深い関わりを持って仕事をしなければ
ならない我々は痛切に感じることですが、役所の体質が変わらなければ、どうしようも
ないと思います。かといって、役所の個人が、個人の考えで判断すると、混乱も
生じるでしょうし、個々の判断に当たって、役所内での統一見解を作成すると
なると膨大な時間もかかるでしょうし、非常に難しい問題ですね。
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投稿: テスラ | 2006/08/07 11:46:12

テスラさん

そうでしょうねぇ。

確実とか絶対とは言えないけれども、ふじみ野市(具体的には旧大井町)が後から気づくも含めて手抜きをしていた。

しかし、行政は「間違えをしないものだ」ということになっているから、今に至っても「知らない」を連発しているのだと思います。

県警は、市を掲示で捜索・逮捕を目指しているようですからね。
いつまでも「知らない」=「だから責任は軽い」なんてやっている場合じゃないと思うのですが。


なんで、この事件が気になるのか?と改めて考えてみると、航空機事故などでも原因を追究するよりも責任を追及するのが日本の従来のやり方で、全体としてドンドン重罰化の方向に向かっているのですが、それでも原因の解明はまるで進まないのです。

今回も、事故の責任と原因は分けて考えるべきで、原因の解消こそが最重要であるはずです。
これが一番気になるところなんですよ。

投稿: 酔うぞ | 2006/08/07 12:13:44

先の私のコメントで 富士見市 → ふじみ野市 でしたお詫び訂正します。

 期せずして今晩からNHK教育TV「知るを楽しむ」で工学院大学教授の畑村洋太郎先生による「失敗学」が4回に亘って放送されます。先生は、例の六本木ヒルズでの回転ドア死亡事故の原因調査なども担当された他、多くの事故例を分析され、目を背けがちな「失敗」についてその「失敗」を深く見つめ、原因を明らかにすることで次の失敗を防ぎ、新たな創造に結びつけようという「失敗学」を提唱されてます。事例の回転ドア死亡事故、つい最近のエレベーター関係の事故、その前には公園での遊具指切断事故等々、後から後から事故は身の回りで起きてます。少なくとも自分の身は自分で守るためにも、又ハードウエアを供する側の我々エンジニアは勿論のこと、この放送はとても参考になる内容だと思います。多くの方が視聴され勉強されることを希望します。

投稿: テスラ | 2006/08/07 14:55:49

NHK教育TV「知るを楽しむ」(8/7 22:25~)皆さんご覧になりましたか?
 本質安全とか制御安全という私には耳新しいキーワードも出て来ました。先生が言われていた、「本質安全が損なわれている状態を、制御安全(センサー類)で補おうとすることは不完全で事故を起こすリスクが有る」と言うお話、とても勉強になりました。今回取り上げられた六本木ヒルズの回転ドアについては、その後(あれからもう2年も経つんですね)製造メーカーは失敗経験を踏まえて、対策回転ドアの試作品を完成させてましたね。そうであるべきでしょう。
 次回は、例の尼崎列車脱線事故を取り上げてのお話の予定。

投稿: テスラ | 2006/08/08 0:20:24

 今回の事も。市と、元請け会社、孫請け、管理会社、現場のアルバイトの各々の関係者、それぞれに事の重大さ責任の重さを認識させ、自省を促して、はい二度とこのような事は繰り返しませんと誓わせてみたところで、市の担当者だって市長だって何年か過ぎれば立場が代わるでしょうし居なくなるでしょう、アルバイトさんも来年は他の仕事をやってるかもしれないし、つまり何年かしてプールは相変わらず同じように運営されているときに、どれだけ過去の事故の教訓を記憶に留めている人が残っているのか?の不安です。
「人は誤りを犯すもの」とは昔から常に言われてることで、その頼りない人間が、モノを造り、管理し、動かしてるのだから、そこには当然のこと見落としも有れば、思い違い、操作ミス、等々、所謂「信じられない~」が幾らも潜む可能性は有り、とても100%頼り切れるものではございません。だからこそ、こうした施設、機械装置、ハードウエアーは、いつ、どのように使われようとも最悪の事態には至らないように万全の設計製作するのがハード提供側の至上命題なのだと言えます。
 さて、では具体的などうしたらの方策なんですが、そのプールを目の当たりに見たわけでは有りませんのであくまで得られた情報からの推論ですが、その流れるプールの面白さを残したいとするなら、現状の外付けポンプ(毎分流量10トンですか?のパワーの有る軸流ポンプ)はそのまま使わざるを得ないでしょう。軸流ポンプは私も詳しくは知りませんが身近に見掛ける例としては、高速道路のトンネルなどの天井にジェット機のタービンの如くゴーゴーと排気のために高速で回ってるあのタイプですが、これの水版が今回のポンプで、これは効率良く回すにはプロペラの手前でかなりの流速が必要で、どなたか言われたような溜まり水のような流速ゼロのところからプールの流れのスピードには急には立ち上がりません。無理に回すと駆動モーターに負荷が過大に掛かって焼けこげるか或いは羽根がダメになるでしょう。本来プールに人が居なければ軸流ポンプは流れの真ん中に置くべきですが、これでは人が泳げませんのでコースから外して外置きとし、その前後を案内の導管でつなげ入出力ポートとすることで、基本的なレイアウトは現状で間違ってないと思います。従って、入出ポート、特に入り側のポートからの異物混入を完全に防ぐことが安全遊泳の為の必要条件となるわけです。
 もし、そのことに、つまり確実なトラップに自信がないなら、流れるプールは諦め、通常のプール(溜まり水式)に変更せざるを得ないでしょう。面白くないでしょうけど安全のためです。これとて水の濾過清浄は必要でしょうから、流水プールほど速く流さずともゆっくりには水を循環させなければならないでしょう。取水は必ずしもプール内から取らずとも、それこそオーバフローであふれさせた水を周囲の溝から集めて循環ポンプに導くような昔からの方式でも可能でしょう。
 流れるプールを存続させるとして、問題の防護柵の形態をどうするか? お上からは、柵を二重にとの指示が出てるようですが、よく考えると、その二枚目の(内側の)柵もボルト留めですか?その留めを確実に4本、締め忘れないようにはどのように保証をとるのでしょう?2枚目の柵を入れ忘れてた、二枚目のボルトを何カ所か閉め忘れてた?は起きる可能性はゼロなんでしょうか?柵を単純に2枚にしたら全てが解決?ではないような気がするのですが。

投稿: テスラ | 2006/08/08 23:16:12

今では、仏のプールでも循環濾過させているので吸い込み事故は起きているのですね。

だから、1600とも1900とも言われる、問題のあるプールも含めて、どうするのかを直ちに決めるべきです。

何よりも「なぜ対策が必要なのか?」を理解している担当者が極端に少ないのではないか?という印象があります。

それだけ、プールの安全仕様書が明文化されていないのでしょう。
仕様書を明文化すれば、その分だけ理解しないで実行することなるのでしょうが、こうなると明文化が必要でしょうね。

昨日紹介した新聞記事の中に「格子の重さが125キロあるから留めないでも安全だ」と判断している自治体がありましたが「片側を持ち上げれば半分の重さだろう」となるわけですよ。
しかも水の中だから鉄だって1割は軽くなる。

どこから「十分に重い」なんて話を出してきたのでしょうか?
「水の中でも持ち上がらないことを実証したから」じゃなきゃダメなのに、この理解ですよ。

投稿: 酔うぞ | 2006/08/09 8:47:59

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