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2006.08.15

日本経団連会長の発言は

朝日新聞より「経団連会長、偽装請負の解消策を検討へ
日本経団連の御手洗冨士夫会長(キヤノン会長)は13日、大分市内で記者会見し、製造業の現場で横行する「偽装請負」の解消を目指し、経団連で対策を検討する方針を明らかにした。

偽装請負はキヤノン本体やグループ各社で発覚し、労働局から指導を受けた。御手洗会長は「法律では請負労働者は派遣された企業で仕事をすべて請け負わないといけない。
だが、現実には(発注企業が)何の心配もせず、(請負労働者が求められた)仕事をできることは難しい。だから(キヤノン側が)つい必要に迫られて教えたり、指導したりしてきた」と説明した。

また、御手洗会長は「請負会社は中小企業が多く、どの企業の仕事でも、完全に請け負えるように社員を訓練することはなかなか難しい。
何らかの方法で、中小企業である請負会社を強化する方策がいるのではないか」と述べた。
こんな人が財界リーダーで良いのでしょうかね?

  1. 請負は自律である。
  2. 仕事は請負が仕切れない。
  3. 請負企業は中小だから訓練出来ない。

これはその仕事が請負に不適である=社員従業員(変な言葉)に作業させるしかない=請負解消。
としか解釈しようがないだろ。 それを

(日本経団連として)中小企業である
請負会社を強化する方策がいる

バカか?いや、間違えなくバカであるか、完璧な失言かといったところだ。

今日本が必要としているの、持続可能な社会の再構築だ。
それは基本的に人の知恵の再生産であり、形としては少子化問題への解答となる。
請負の考え方は「技能技術の再生産は考えない」=「その時だけ使えればよい」であって、訓練や指示が必要となった時点で請負ではダメな仕事なのは自明だろう。
訓練や指示して業務スキルを高めた作業員を使い捨てに出来るのだろうか?あるいは、ライバル他社に渡すことが出来るのだろうか?
はっきり言ってしまえよ。


将来のことよりも今のお金を節約する方が
わたしの業績が評価されるのです

これが「日本経団連会長のコメント」でよいものか?

8月 15, 2006 at 10:30 午前 経済・経営 |

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コメント

財界からして非正規雇用に熱心でしたし、
その延長線上の話なのでしょう。
なにがなんでも正規雇用を減らしたいんですね。

松下プラズマの偽装請負がどうなったのか
いろいろ探していたら、こんなブログ見つけました。
http://blog.livedoor.jp/fmwwewwmf/

投稿: hogehoge | 2006/08/15 14:56:01

その発言内容なら、強化する方策なんて一つしかない。
企業に雇われていないときに、請負企業が自費で社員を教育する。その費用も全部ひっくるめて、企業から請負への雇い賃に反映させれる。

指揮監督の責任は企業側にあると思いますけど、それも「面倒だ」って言ってるわけではないですよね?

投稿: itochan | 2006/08/15 16:53:20

そもそも矛盾なんだから正解なんてあり得ないと思ってますが、平たく言えば。

  人事管理したくない
  人件費は抑えたい
  教育訓練はしたくない

  仕事内容は丸投げ出来ない
  丸投げ出来ない請負になんとか丸投げしたい。

ということでしょう。
上の3つと後の2つは両立しませんよ。

もし教育訓練して、技術技能ノウハウが身に付いた請負の作業員が居て、その人も短期就労でライバル社と掛け持ちなんてことに出来るのか?
といえばあり得ないでしょう。

仕事が請負で出来る内容ではない。
だけのことだと思いますよ。

投稿: 酔うぞ | 2006/08/15 17:27:39

一連の偽装請負問題報道で、2005/10/26付け朝日新聞東京本社版夕刊のコラム「経済気象台」に「コンプライアンス」とタイトルの記事を思い出しました。
コラムの筆者「彗星」氏は、製造業各社における最重要課題として「コンプライアンス」の徹底について次のように問うています。
「メーカーの現場にあってはいわゆる下請け業者がほぼ固定的に配置され製造業務や付帯作業を請け負っています。もしもその現場にあって下請け業者が恒常的に不採算の状態で作業を請け負っており、一方の発注メーカーが利益を出し続けているとしたら発注側はその業者から贈与を受けているとは思いませんか。もしも発注側が一方的な力関係の下でその状態を業者に強いているとするならそれは不公正取引ということになりませんか。かつて経営状態が深刻だということで業者に対して単価を下げさせ、今現在そのメーカーは高水準の業績を上げているのに請負単価を戻していないとすればそれは詐欺的行為だとは思いませんか」

そして、この問いに対する答えとして、大手メーカーの工場では現場管理者の
「自社従業員の賞与アップによるコスト増は仕方が無い、その分外注費を減らしてコストを下げる」
という発言を取り上げ、
「圧倒的な力関係をもとに下請け業者にこのように相対するメーカーの姿勢とそれに基づく契約は『コンプライアンス』『社会的責任』とどうつながるのだろうか。」
と結んでいます。つまり、企業の「社会的」責任というならば、その企業の取引先としての下請け業者やその従業員に対する責任も問われるのではないか?ということです。

一方、労働組合からのコメントがほとんど聞こえてこないのはなぜでしょう?
偽装請負問題とは直接関係ありませんが、今、世界的自動車メーカートヨタのフィリピン現地法人で労働争議が起きています。しかし、トヨタ本社がフィリピン・トヨタ労組(TMPCWA)の訴えに耳を貸さないばかりか、トヨタ自動車労組までもがフィリピントヨタ・御用組合(TMPCLO)を支援しているという。
フィリピントヨタ労組を支援する会
http://www.geocities.jp/protest_toyota/index.htm

経営と一体となった大企業の「御用組合」と貸した企業内組合は、なにもトヨタ自動車労組だけではなく、
http://www.labornetjp.org/Members/Staff/blog/183
にもあるように、日本の基幹産業の労働組合団体である全日本金属産業労働組合協議会(IMF-JC)は、海外におけるIMF-JC傘下企業で発生している労働争議については、一切、無視する姿勢を取っているようです。
これは海外だけの話ではなく、国内の下請け業者に対して同じではないでしょうか?
「○○ユニオン」などの名称を持つ個人加入の労働組合には、日常的にこうした下請け労働者からの労働相談が寄せられ、中には親会社従業員で組織された労働組合の下部組織に所属する労働者もいます。
こうした案件については、まずは「親労組」を通して会社と話をするよう助言するのですが、ほとんどの場合、「親労組」が取り合ってくれないからこその相談なんですね。
こうした労働者に対する「裏切り行為」についての大企業の「御用組合」の責任は、経営者の社会的責任にも増して大きいのではないでしょうか?

投稿: Yamag | 2006/08/16 10:07:58

フィリピントヨタ労組を支援する会
のURLが下記に変更になってました。
http://www.green.dti.ne.jp/protest_toyota/

投稿: Yamag | 2006/08/16 10:11:19

偽装請負問題を例えば法律違反であるとして検討するのか、労働問題として考えるのかとは別に、これ一種の資産食いつぶしだと思うのです。

資産の食いつぶし自体はそうそう珍しいことではないし、そもそも食いつぶしても自業自得とかもあるから、資産食いつぶしが悪いとも言えない。

一番の問題は、日本経団連会長や松下、キヤノン、トヨタといった企業財界人が現状を肯定して良いのか?将来の進路は現状の延長でよいのか?であると思っています。

企業は本質的に冨(国富)を創造する機関であり、資産を積み立てる機関であるはずです。
義務教育だって産業革命の時に教育訓練として始まった。

こういうを将来に向けた投資、というのでしょう。

請負あるいは派遣もですが、企業が人の教育訓練といったものに投資しない、という意志の現れなわけです。

それが自社内で足し算を教えるよりは、公教育でタウ算の訓練がで来ているのだから、自社内ではやらない。
なら了解するわけですが、日本経団連会長の発言は「付きっきりで指導監督しないと仕事にならない」請負があることを認めているわけです。

指導された請負作業員には、ノウハウも技能を身に付くでしょう。
そのノウハウなどは、指導した会社のノウハウであるはずです。

自社の社員であれば、新人が教えられたノウハウなどは、やがて後輩に指導することで結果として「社内のノウハウ」になるわけです。

つまり、請負にノウハウを教えること自体が、社内ノウハウの流失(流出でないことに注意)、失ってしまうわけです。

つまりは、人件費を抑制するために、無形の資産を食いつぶしている。
何十年も掛けて積み上げてきた資産を短期間で食いつぶす。
それも資産を積み上げるべき企業がやる、というのはそれ自体が根本的におかしいですよ。

こんなものに改善なんてあり得ない。
わたしの結論は、教育訓練を社内で必要とする請負・派遣などは基本的に成立させないことが重要となります。

だいたい、外部の設計会社がタダで将来の仕事の核になるアイディアをくれるとでも思っているのだとすると、そらバカです。

投稿: 酔うぞ | 2006/08/16 10:31:23

ああ、なるほど。
「持続可能な丸投げ」
ってことだ。

建設業界、ゼネコンとかってそうなのかな?
(クレーン事故も孫請け会社でした)

投稿: itochan | 2006/08/16 13:03:55

機械製造業では本来の下請けは「持続可能な丸投げ」だったわけです。

機械工業でも、キサゲ職人は組で請け負いというのが多かった。
こういう「実力のある請負」というのは、工場を持たない下請けだったわけです。

これは、建築や土木工事では昔から今もそうだし(土木工事が工場で出来る時代は永遠に来ない)

これが、キヤノンや松下、トヨタといった工場での製造業に適用する場合には、狭い意味での「特殊技能の丸投げ」しかわたしには考えつかないです。

先に挙げたキサゲ職人とかですね。
基本的には「専門的な技術・ノウハウ・技能が必要だが、その工場で常時使える技術・技能ではないから外部に委託する。ただし、作業場所は動かないから人の方が来る」ということでしょう。

これなら、請負作業の独立性はあるし、その中での技術・ノウハウは独自のもので作業は完了するはずだから、下請け工場に「部品を納入しろ」というのと同じ、ということですね。

明らかに「持続可能な丸投げ」というか独立した企業ですよ。

それを「常時指導監督するから、社員が付いている必要がある」となった時点で、独立していない。

こんな考えは、タコが足を食っているようなもので、それ自体は緊急措置としては否定しませんが、財界のリーダーとはそんなことを肯定することが出来る立場じゃないですよ。
足を食わないでも財を増やす方向に誘導する責任がある。

投稿: 酔うぞ | 2006/08/16 13:24:00

酔うぞ氏の意見に全く同感です。

キャノンにしろ松下にしろ、「誰かが訓練してくれた連中を、安く、必要なときだけ都合よく使いたいな~デヘヘ」と言ってるのと同じだと思います。

「必要なときだけ使う」という部分は、人材の流動化、ひいては産業構造の流動化を促進するという点で一定の意味はあると思います。

しかし、自分で訓練はしたくない、すでに訓練された人間を安く使いたいというのは、どう考えてもおかしい。人が築いた資産をただ乗りして使わせてもらってるのと同じです。

経団連会長の発言として恥ずかしい。
御手洗は売国奴。

投稿: 英 | 2006/08/22 6:32:50

キャノンとか松下の下請けの割合は知りませんが、僕が昔いた建設会社は現場は全部下請けでしたね。
そういう会社やそれを目指している会社も多いんじゃないでしょうか。社員は頭だけ。胴体手足は全部下請け。

僕のいたのは型枠コンクリートの建設業で、橋げたとかビルの壁であるとか柱、電車の枕木とか高速道路や電車の防音壁なんていうのもあったかな。工場で部品として作っていって、現場でつないで完成させる。
工場自体や設備は元受の何とか建設株式会社のものなんだけど、関係協力会社というのが5~6社あって実際に製造するのはその関係協力会社。元受社員は職員と呼ばれ図面を引くまでの仕事。せいぜい手を出すのは、発注元が検査に来たときのコンクリートの強度検査程度。
元受にしてみれば、給料(特に固定費)の高い社員は最低限でいい。下請けは歩合で、仕事がないときは金を払わないで良い。それどころか儲けの出ないときは下請けに払う歩合のパーセンテージを下げる。
多国籍軍の労働者たちは日給月給で、仕事がなくなってくると、今日は休みだと言い渡される。それならまだいいが、働きが悪いとされたものは、失業手当をもらってくれ、という成り行きになる。仕事が出たらまた頼むかもしれない。

下請けは複数合って競争させられるわけで技術は社長(おやじ)以下中心メンバーで維持されているのだが、元受コケレバ、下請けコケル、風向きが悪くなれば労働者をどんどん切っていくわけで、ナンバー3、4あたりの中核だってある日突然居なくなる。「良い時だけ」なわけ、元受がその発想なんだから。
技術レベルもその時々その下請けの状態でまちまち。同じ何とか建設の、同じ工場で同じ製品を作っているんだけど、あっちの下請けとこっちの下請けでビミョーにつくりが違ったりする。
元受が技術者を訓練しないどころか下請けなしでは製造不可能という建設業は多いのでは?

投稿: つばさ | 2006/08/23 0:02:51

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