« 新幹線新駅騒動が露わになってきた? | トップページ | 原子力発電所問題 »

2006.08.17

日本経団連会長の発言は・その2

「日本経団連会長の発言は」を書いたときには、直感的にヘンだろうとおもって書きました。 わたしはかなり直感的に話題になるニュースをピックアップしています。

基本的には、書いた内容に問題があるとは思っていませんが、直感的に問題だと思った「問題」とは何か?というのがよく分かっていなかったのです。

それでさっき思い出したのが、ヘンリーフォードの話。

ヘンリーフォードは自動車の大量生産方式を確立した人物として有名ですが、自動車は馬車の発展形で当時は基本的には手作りでした。
そういう時代に自動車を大量生産すると宣言したから、当然「どこに大量の自動車を売るのだ」と反論されたそうです。

当時の自動車が高いこととは別に、不要不急な特殊な商品だったから価格を下げても売れないだろう。という見方があったのでしょう。
ヘンリーフォードは価格そのものを予想以上に下げるとともに「会社は従業員に高給を払って自動車を買って貰う」として高賃金と8時間労働などを取り入れています。

これで容易に想像できることですが、コストの中に人件費とその他工場自体のコストがある場合に、工場のコストは基本的には技術革新で下がるはずです。
一方、人件費を下げるとこれはお金の面ではすぐに反映しますが、実は給与の中にヘンリーフォードが指摘した「自動車を買ってくれるお客を作る」といった「未来への投資」分があるわけですね。

工場設備も工場自体の新設や機械装置の更新など投資と運用費に分けることが出来ますが、投資をしないといずれは設備は廃棄となって、運用費も無くなります。
つまり事業と投資はセットになっていて、投資を無視した事業はあり得ないというか、事業ではないのでしょう。

ヘンリーフォードが高賃金を支払ったのは、まさに自動車を買ってくれる市場への投資だったことになります。
そこで、日本経団連会長の御手洗氏の発言のおかしなところがはっきりしてきます。

彼は「偽装請負は(法的に問題だから)解消するべきだ」としています。 その一方で「請負が本来の下請けのように自律できない事情がある」とも言っています。

常識的に考えて、請負が成立しないのなら社員として雇用すればよいだろう、となりますがそれでも「中小企業である請負会社を強化する方策がいる」と請負に固執しています。

これではどう考えても「低賃金労働力が欲しい」なのでしょう。
しかし、人件費には未来への投資という側面があるのだから、派遣労働者や請負労働者が「とりあえずは今は大丈夫」というレベルの給与にまで人件費を抑えるとは

「投資はしません」宣言に他ならない。

日本経団連会長が日本経団連として「投資をしません」と宣言するのも同然の事を発言した。
その異様さがわたしの直感に引っかかったわけだ。
是非とも「人件費と給与とはどういうものだと考えているのか?」と聞きたいものだ。

8月 17, 2006 at 12:39 午後 経済・経営 |

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/2299/11477778

この記事へのトラックバック一覧です: 日本経団連会長の発言は・その2:

» 外国人違法雇用 トラックバック てくてく糸巻き
外国人実習生、低賃金で酷使 雇用側の不正増加、時給300円、使い捨て 外国人実習生(どちらも朝日新聞、2006年8月17日)こういう差別的なことをするから、国内の外国人犯罪者が... 続きを読む

受信: 2006/08/17 17:37:00

» 偽装請負合法化の先にある日本的経営は誰を幸せにするのか? トラックバック アンカテ(Uncategorizable Blog)
酔うぞの遠めがね: 日本経団連会長の発言は 酔うぞの遠めがね: 日本経団連会長の発言は・その2 酔うぞさんと同じく、御手洗経団連会長の発言には非常に違和感を感じます。気にかかるので全文引用しておきます。 日本経団連の御手洗冨士夫会長(キヤノン会長)は13日、大... 続きを読む

受信: 2006/08/19 0:26:11

コメント

コメントを書く