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2006.08.08

プール吸い込み事故の暗黒面その8

いろいろな記事が出てきました。

文科省の調査指示で、どうも1600箇所のプールが不適格であるらしいこと。
ふじみ野市は市は安全点検を全くしていなかったらしいことなどです。


東京新聞 「1596プールが金具なし 文科省が使用中止要請
サンケイ新聞 「防止金具不備1596カ所 プール事故受け文科省緊急調査

昨日のテレビで1600個所と聞いてさすがに驚きました。
内容的にはまだ整理されていないようです。
文部科学省が実施した緊急調査で、全国の学校や公営プールで吸い込み防止金具が設置されていない所が37都道府県で1596カ所に上っていることが7日、分かった。
吸水口のふたが固定されていない所は38都道府県の305カ所見つかった。

公営プール約5000施設で調査が済んだ2886施設のうち、吸水口が固定されていないのは4.1%にあたる120施設。
北海道が15施設と最多で山口県(13施設)が続いた。
吸い込み金具を設置していないのは12.4%にあたる358施設。
東京都(39施設)、山口県(37施設)、神奈川県(27施設)が多かった。

全国3万136校にプールが設置されている公立校では、吸水口のふたの固定に不備があるのが185校。
福岡県で36校見つかったほか、愛知県でも27校あった。
防止金具に不備があるのは、1238校。
千葉県(183校)が最多で、東京都(138校)、山口県(115校)が続いた。

通知は都道府県の教委と知事、国立大学と国立高等専門学校あてに出した。
水泳プールの安全確保のため、必要な構造として、ふたの固定と吸い込み防止金具という二重の防護策ができていない施設に対しては、必要な対策が講じられるまで使用を中止するよう求めた。
朝日新聞 「プール使用中止相次ぐ 文科省、立ち入り検査へ
文部科学省の緊急調査によって40都道府県の約1600カ所で見つかった問題で、各地の教育委員会や教育現場などが、8日から改修や点検など改善に向けての取り組みを本格化させている。

すでに処置を終えて営業再開したプールがある一方、改善策が講じられるまでプールの使用禁止を求める通知を文科省が7日夜に出したのを受けて、8日、新たに中止に踏み切ったところも出ている。
文科省は、安全対策に不備がある場合、必要に応じて施設に対して立ち入り調査を行う方針を明らかにした。

8日から新たに使用中止を決めたプールがあるのは栃木、千葉、東京、神奈川、愛知、富山、大阪、広島、山口、香川、愛媛、高知、福岡、長崎などの各都府県。
こんな事ですから、かなり混乱しているようです。

読売新聞 「プール事故:営業中止の判断分かれ、混乱も 文科省調査
東京都三鷹市第2体育館室内プールでは、プール底の中央付近に2カ所ある吸排水口には吸い込み防止の金具が設置されていなかった。
その上のふたも固定しておらず、水圧で押さえる仕組み。
当初、安全上問題はないとして、8日午前通常通り営業を始めたが、急きょ午後から休止。
吸い込み口に網を張り、ふた4カ所をビスで固定する工事を行うことを決めた。

同市によると、排水口の口径は15~20センチで、ふたの大きさは40センチ四方。
口径が小さく、ふたもポンプで水を吸い込むので浮き上がる心配はないとして当初営業を続ける方針だった。
73年のオープン時からこの状態だったという。

吸排水口のふたが固定されていなかった福岡県の田川市民プールでは、営業するかどうかで判断が揺れ、訪れた約100人が約1時間にわたって入場を待った。

その後、「ふたはボルトで固定されていないが、125キロの重さがあり、構造上安全と判断した」として、通常より1時間遅れの午前10時半、営業を始めた。入場口前に子供らが列を作り、「今日は開くの?」と尋ねる人もいた。
前に指摘していますが、格子(ふた)が重いから開かないだろう、と思われたのを子どもが持ち上げて事故になったというのが文科省が「ボルトやネジで固定する」と指示を出した理由ですから「重いから安全と判断した」はかなりいい加減な解釈というべきしょう。この段階でも文科省のし時の意味が浸透しないのはある意味ですごいと思いますが、小坂憲次文科相がこんな事を言ってます。
8日の閣議後会見で「まだ集計中だが、予想を上回る不備が報告されてきたことは誠に衝撃であり、プールという人命にかかわる施設の管理について危険の認識に緩みがあるという印象を持った」と不快感を示した。
だから、こうなります。 東京新聞 「立ち入り調査も検討 プール安全不備で文科相
もともと今回の事件で「どこが何を管理しているだ?」となって、何をどう解釈したのか理解出来ませんが、ふじみ野市の教育委員会は管理下にある小中学校のプールと市営プールを分けて考えてしまった。
さらにはこんな状態ですから、確かに統一することは必要だし、安全設計基準、運用基準も明確に決めるべきです。

サンケイ新聞 「国交相「プールの統一安全基準策定を」
国土交通省の北側一雄国交相は8日の閣議後会見で、埼玉県ふじみ野市の市営流水プール事故を受けて、都市公園内や学校、民間などすべてのプールに対する横断的な安全基準を策定する考えを示した。
国交省や文部科学省、厚生労働省、経済産業省など関係省庁と連係して検討を進める方針。

プールの安全管理態勢については、国交省が都市公園内、文科省は学校施設のプールをそれぞれ所管しているが、民間のプールについては所管省庁が明確でないため、水質基準を監督する厚労省や経済産業省も含め、「安全管理についての統一基準の策定について議論を行う必要がある」と述べた。
それにしても、ふじみ野市の対応は「知らない」の連続といった印象で、逆に「何が分かっているのだ?」と思うところですが、なんでこんな事が「分からない」なのだろう?

読売新聞 「職員のプール巡回、料金回収が主目的…安全点検せず
合併前の旧大井町職員が行っていたプールへの巡回は、売上金の回収が主な目的で、設備の安全点検はほとんど行っていなかったことが8日、元職員の証言で明らかになった。

巡回の際に点検すべき設備などを定めたマニュアルもなかったといい、安全点検を管理業者任せにした行政側の安全意識の欠如が改めて浮き彫りになった。

99年から当時の大井町教委に勤務した元幹部によると、「部下から巡回、点検の報告を受けたことはない」という。

ふじみ野市教委の吉野英明教育長は「旧大井町の職員の業務は料金回収だけでなく毎日、点検も実施していたと報告を受けている。
料金回収だけが仕事だったとの認識はない」と話している。
こんな「知らない」「認識がない」で済むような話だったのか?というと、ポンプの容量が毎分10トンという事ですから、早い話が断面積が1メートル角で長さが10メートルの水の固まりを一分間で移動するというほどの仕事です。
とても人力で出来る仕事ではない。

毎日新聞 「プール事故:吸水管内の吸引力は、最大280キロ
ポンプに水を引き込む吸水管内で生じる吸引力は、最大約280キロに達することが専門家の計算で分かった。
吸水管がふさがれた場合、このような力が発生するという。
県警は、ふじみ野市や管理業者が吸水口の防護措置を取らなかった場合の危険性を十分認識すべき立場にあったとみており、関係者から事情聴取を進める。

新潟県横越町(現新潟市)の町民プールで04年7月、小学6年生の男児がプール底の排水管(直径約17センチ)に両足を吸い込まれて死亡した事故でも、強い吸引力があったため男児をプールサイドに引き上げるのに大人6人を要した。
この事故で町職員が業務上過失致死罪に問われた公判では、新潟地検は冒頭陳述で発生した吸引力を「推定300~500キロ」と指摘している。
どうして、これだけ事故があったのに、プールの改修が出来ていなかったのだろうか?さらには、プールとはどこに問題があるのかを教育委員会など運営側が理解していないのではないか?本質的なところで大問題だと思う。

8月 8, 2006 at 05:02 午後 事件と裁判, 事故と社会 |

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 おはようございます。逆転サヨナラ勝ちや、延長戦・・・「甲子園」が沸いています。 ? 八重山商工が何度もリードを許しながら、驚異の粘りで追い付き、千葉経大付に逆転勝ちした。6-6で迎えた延長10回、八重山商工は1死二塁から嘉数の適時二塁打で勝ち越すと、さらに... 続きを読む

受信: 2006/08/09 8:40:16

コメント

 全国で1600個所ものプールがボルト留めしてない等の不具合で使用中止になってるんですって? ボルト固定はそんな難しい作業じゃないので、考え込んでないで直ぐに水抜いて早く処置しなさいよ。夏休み、プールを楽しみにしてる子供達に大人は迷惑掛けないこと!

投稿: テスラ | 2006/08/09 11:36:36

使用中止は一時的なものが大半のようで、大半はすぐに再開出来たようですが、判断レベルでバラバラというか迷っているところが多いようです。

私は「問題の意味が分かっていない管理者がやっている」事の潜在的危険の方が大問題だと思うのですがねぇ。

日本では、施設や装置といったものの危険性などを評価するという考え方そのものが無いのですよ。

代表が航空機事故調査委員会です。

事故原因を解明して次の事故を防止するためにどうするか?と考えると、事故の原因の解明に役立つのなら、加害者を処罰しないという考え方は合理的だと思いますが、日本では「まず処罰ありき」です。

これについて法学者の説明は、「処罰を見た人が注意するから事故は減る」という考え方だというので、それは分かりますがこれだけ複雑なった時代にたまたま加害者だけに責任があると事故原因を解明する前に分かるものなのか?
という根本的なところに突き当たります。

何年前だったか忘れましたが、毎日のように東名の裾野あたりの上り線で死亡事故が起きていて、一部から道路の問題だと強く指摘されていました。

そして、何年か前に大幅な改修したらガックリと事故が減った。
この結果はどう考えても、道路という施設にこそ事故の原因があったのに、ここの事故についてはドライバーにだけ責任があるとされているのです。

責任は追及しても、事故原因は解明しない。

それが日本の現状ですよ。

投稿: 酔うぞ | 2006/08/09 11:58:38

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