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2006.05.03

悪徳商法・愛染蔵(あぜくら)・その2

「悪徳商法・愛染蔵(あぜくら)資金の流れ」にコメントをいただきました。
元社員ですが。
この資金の殆どは、去年11月、銀行から強く要求された、担保として提供する為のもの、ということだそうです。

ですが、売り上げのダウンを見た銀行が、貸し剥がしに走った、というのが、今回の倒産劇のトリガーになっているのです。
とのことなのですが、元の記事は管財人が「愛染蔵(あぜくら)は社長親子に多額の貸付金があり、回収不可能のようで計画破産ではないか?」というものでした。
つまりコメントの内容は全く意外な情報で、そもそも愛染蔵(あぜくら)破産問題とは全体としてどうなのか?という興味が出てきました。
例によって読売新聞データベースを調べてみます。

  1. 5年11月19日 「強引勧誘で呉服販売」 大阪の女性4人、「愛染蔵」などを賠償提訴
  2. 06年2月22日 高額呉服販売賠償訴訟 「愛染蔵」と原告側、解約で和解/大阪地裁
  3. 06年3月17日 「愛染蔵」破産手続き 呉服販売展示会で強引勧誘 負債148億円/大阪地裁
  4. 06年3月17日 呉服「展示会商法」問題化 「愛染蔵」、破産手続きの開始を申し立て/大阪
  5. 06年3月19日 呉服「愛染蔵」などの刑事告訴検討 弁護士ら、大阪で対策会議 
  6. 06年3月20日 「愛染蔵」社長が自殺 呉服販売、破産手続き申し立て中/京都・舞鶴
  7. 06年3月20日 愛染蔵社長自殺 謝罪、賠償まだなのに 強引勧誘被害者「真相究明どうなる」 
  8. 06年3月20日 破産手続きの愛染蔵社長が自殺
  9. 06年3月22日 「愛染蔵」の破産手続き開始決定 債権者説明会に1100人/大阪地裁
  10. 06年3月30日 きもの不当販売110番 大阪の弁護士らが無料相談 愛染蔵問題受け
  11. 06年4月08日 「愛染蔵」被害者説明会、各地で中継へ
  12. 06年4月13日 「愛染蔵」被害、近畿で初の説明会 奈良で開催=奈良
  13. 06年4月14日 「愛染蔵」不当販売 被害者説明会に350人/大阪
これが読売新聞データベースで「愛染蔵」をキーワードにして記事検索した結果です。
この中で「06年3月17日 呉服「展示会商法」問題化 「愛染蔵」、破産手続きの開始を申し立て/大阪」の詳細を見てみます。
  • テレビCMなどで知られる呉服販売「愛染蔵(あぜくら)」(大阪市)は16日、破産手続きの開始を大阪地裁に申し立てた。
  • 同社によると、グループ会社7社を含めた負債総額は約148億円にのぼる。
  • 同社を巡っては、展示会の来場者を商品購入まで帰さない「展示会商法」が問題化。
  • 購入者が損害賠償請求訴訟を起こしたり、消費者センターに相談が相次いだりし、取引先の信用が低下していたという。
  • 東京商工リサーチによると、愛染蔵は1973年の設立で、資本金9000万円。
  • 積極的なテレビCMなどを展開し、知名度を上げた。
  • 顧客を展示会に招いて呉服類や貴金属などをローン契約で販売する商法で、02年5月期には約200億円を売り上げたが、
  • 呉服離れや競争激化から、05年5月期の売り上げは約170億円に減少した。
さらに「06年3月22日 「愛染蔵」の破産手続き開始決定 債権者説明会に1100人/大阪地裁」の詳細を見てみると
  • 債権者説明会は22日、大阪市中央区内で開かれ、破産手続きに至った経緯や同社の資産状況などが報告された。
  • 説明会には債権者ら約1100人が参加。
  • 「消費者から訴訟が起こされるなどして業績が悪化し、今月末の取引先への支払いなどが困難になった」
  • 単体の負債総額は約111億円で債権者が約1万6570人に上る
  • 現在判明した資産は、在庫商品など約3億2500万円にとどまる
これはちょっと想像外というべきで、ポイントとしては
  • 現在判明した資産は、在庫商品など約3億2500万円にとどまる
  • 05年5月期の売り上げは約170億円
  • 説明会には債権者ら約1100人が参加。
  • 「消費者から訴訟が起こされるなどして業績が悪化し、今月末の取引先への支払いなどが困難になった」
でしょう。会計の専門家の意見を伺いたいところですが、売上が150億円以上ある企業の資産が3億2500万円というのが考えられない数字で、資産が売上の2%しかありません。
ダイエーについて見ると、売上と総資産の比率は56%です。
売り上げを総資本で割った率を「総資本回転率」とし資本を効率的に利用している指標となります。
「財務分析のポイント」に解説が出ています。
総資本回転率が大きければ大きいほど効率のよい会社で、少ない元手で多くの売上を上げている会社であるといえます。
大企業が0.5回転以下、小売業やベンチャーが2回転以下になると経営が危険であるという目安になります。


業界別総資本回転率平均
過去3年度分(中小企業庁2001年度調査)
建設業: 2.8回
製造業: 2.0回
卸売業: 5.4回
小売業: 5.8回
愛染蔵の総資本回転率は46となってしまって、常識の10倍となります。
もっとも自己の資本で経営するのは古いという考え方もあって、リースを活用すると自己の資本が少なくても大きな事業が出来ます。事実、愛染蔵はリースを活用していたのだろうと想像させる事件を起こしています。2001年に社用車の保管場所を届け出しなかったとして車庫法違反で捜索されました。
調べでは、愛染蔵は営業用車の車庫が足りず、担当部長らがリース販売会社の担当者と共謀。
昨年十月から今年二月までの間、リースで保有する三百九十七台のうち、軽乗用車五十二台の保管場所を管轄の警察署長に届けずに使用した。
社用車397台をリースしていたというのがすごいですね。
150億円の売り上げに400台の自動車を使っていたとすると、1台あたり3700万円の売り上げとなります。帝国データバンクの情報では従業員数が550人ですから、営業のかなりの部分で自動車を使っていたことになります。
これだけでちょっと経営が成立しないような印象がありますね。リース主体で失敗した例としては吉野家の1980年会社更生法申請があります。吉野家が再生できたのは飲食業の高利益体質があるとされていますが、物販ではモノを作る業界に比べて利幅が薄いのが普通です。
従業員550人というのは、一人あたりの売り上げが3000万円以下ですからこれは厳しい。調べるほどワケが分からなくなる感じですが、なんかヘンな経営をしていたこと確かなようですね。

5月 3, 2006 at 10:41 午前 事件と裁判 |

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受信: 2006/05/14 14:04:58

コメント

母親が愛染蔵のローン商法でクレジットカード会社の多重債務者になっている事実を今日聞かされました。
助け出したいのですが、一番の解決策をご教示ください。お願い致します。

投稿: 母を助けてください。 | 2006/05/22 0:41:10

>愛染蔵のローン商法でクレジットカード会社の多重債務者になっている

正確な法的な関係は詳細が分からないとなんとも言えませんが、基本的には二つの別々の問題になると思います。

  1 愛染蔵との取引が未納品であるか?
    実態は詐欺と言って良いかと思います。
    しかし、具体的に「いつ注文して、どういう経過で今どうなっているか」
    によって「単なる納品遅れ」から「詐欺」まで分かれるのではないかと思います。

   2 多重債務になっている
     多重債務というのは普通は「借金返済のために別の借金をすること」
     ですから、愛染蔵→多重債務というのは説明がないと誰にも分かりません。
     どういういきさつで多重債務になってしまったのかは、丁寧に説明しないと分からないでしょう。
     問題を明らかにするためにも、弁護士に至急相談することをお勧めします。

わたしの判断では「一発で解決」にはならないでしょう。
かなり面倒であろうと思います。

酔うぞ拝

投稿: 酔うぞ | 2006/05/22 7:56:13

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