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2006.04.16

中西裁判・中西応援団サイトの意義

「環境ホルモン濫訴事件:中西応援団」は中西準子先生(独立行政法人 産業技術研究所 化学物質リスク管理研究センター センター長)がインターネット上の日記で国際シンポジウムで行われた発表内容について批判をしたら、発表者(松井三郎氏、京都大学教授)から名誉毀損で訴えられてしまった、という裁判に対して中西先生を応援しようというサイトです。

インターネットのサイトが情報発信者からは見えない読者に情報を発信する媒体であることを考えると「裁判の応援」と言っても色々な立場から応援される方がいるでしょうし、さらには応援はしないけど興味がある方も居るでしょう。
「環境ホルモン濫訴事件:中西応援団」の運営側の表の顔は、apj さんとわたしとなっていますが、この二人の間でも特に「こういう方向で応援団を作ろう」と打ち合わせなどはしていません。

apj さんは学者で、同時に怪しげな水関連の業者から大学に直接クレームが来ているといった法的なリスクを抱えている方ですから、それなりに裁判実務に関わることのメリットがあるでしょう。
わたしはネットワーカの野次馬でありますが、より良いネットワーク社会は基本的にオープンであるべきだと考える者ですから、学会での発表についてのインターネット上の発言を取り上げて民事訴訟を起こすというのは、好ましいことではないと考えています。正にインターネット上の表現の自由の問題だと考えています。

aojさん記事「裁判サイトを作る」
今回、傍聴が終わった後、サイトそのものについて少し話をした。
被告代理人の弁護士からは、「公開されるとなると緊張感がある」という感想をもらった。
酔うぞさんの意見は、「ネット上に傍聴席を作った」というものだった。
さらに、裁判の証拠書類を全公開してバーチャル傍聴席にしてしまうようなサイトはこれまでに無かったということである。
それなら、応援団サイトの活動は、裁判サイトをどう作るかということに対する一つの回答という意味も出てくるのかもしれない。
と書かれていますが、この点を説明します。

わたしは元々ネットワーク上の法律問題には興味があったので、インターネット上での裁判の報告などについてそこそこ見ていたつもりです。
当然のこととは言え、裁判についてのサイトを作るのは当事者ばかりでその結果は自分の視点からの主張ばかりが並んでいて読んでいても「相手の主張はどうなんだ?」と思うことばかりでした。
そのために単なる野次馬では「応援したくなるほどではない」のが実感でした。当時、すでにホームオブハート裁判の傍聴をしていたこともあって「傍聴すると応援する気持ちにもなる」ということが分かっていたので「傍聴するのと同じような公開をネット上でやってみよう」という気持ちが強くなっていました。

これには「ウェディング問題」でネット上で「考える会に参加して欲しい」とやったら100人もの方々が集まったことが良い経験になっています。
そこで「環境ホルモン濫訴事件:中西応援団」でも掲示板を作り、積極的に傍聴に来ていただくようにアナウンスしたので、地味な裁判なのに20人を越える傍聴人で毎回ぎっちりということなりました。
また、色々な方がご自身のブログなどで傍聴記をそれぞれに書かれるようになりました。色々な記事や意見が出てくると人それぞれで色々な見方があることも分かってきて、今までに無かったことになってきました。
わたしの知る範囲では傍聴記を報道的な視点で続けているサイトは幾つかありますが、「環境ホルモン濫訴事件:中西応援団」の基本的な構成は
サイト開設管理は裁判の当事者ではない。
裁判の当事者と直接の利害関係者でもない。
実際の裁判の傍聴の延長上のサイトとして機能している。
裁判が公開であることに倣って、書証を有利不利を抜きに公開してしまった。
これは結果的に、インターネット版の傍聴席であるし、バーチャル裁判所とでも言うべきものかもしれません。
裁判所内のお約束には相当ヘンなものがあって、最近(1989年らしい)までメモを取ること原則禁止でありました。今でも撮影は裁判所内どこでも禁止です。
そこで「平和神軍裁判・裁判長の大問題発言」のように裁判長が「ブログで証言を書かれるのがイヤだから証言拒否ももっともだ」と受け取られ兼ねない発言してしまう、なんてことも起きるのでしょう。
何かで読みましたがおそらくは速記の出来る方が傍聴していてそれを何かの記事にしていたところ「録音しているのではないか?」裁判所に追求されたとかいう記事が出ていました。写真撮影の禁止や開廷についてインターネットに公表するといったことをしない裁判所は全体として情報発信を制御したいと考えているのでしょうが、正にITの進歩は裁判所の考えを出し抜くといった側面があるわけで、今回のサイトを作ったことは何年か後に裁判上の大問題になる可能性もあると思っています。
おそらくは、庶民の知恵のレベルで妥当なところに落ち着くだろとは思いますが、裁判もどんどん変わらざるを得ない時代でもあるのです。

4月 16, 2006 at 11:10 午後 裁判傍聴 |

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