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2006.04.17

個人情報保護法・過剰適用実例

琉球新報より「名簿作り断念の団体も 個人情報保護法施行1年
同窓会は保護法施行前年の2004年、創立100周年に向けた名簿作成の中止を決めた。
事務局長は15年前の名簿を使い、新聞広告や同期生を通して連絡をしている」と困惑気味に語る。

自治会長の連絡名簿に、自宅電話の記載を望まない人が増えた。
同市自治会長連合会会長は「自治会事務所に常駐していない会長がほとんどで、連絡が取りにくい」と話す。

社会福祉協議会の事務局関係者は「母子家庭を訪ねる前に、母子台帳の情報が必要だが、保護条例で閲覧を審議会に諮る決まりになった」と説明。
「民生委員は地域を歩き足で情報を稼ぐのが基本だが、情報収集の手続きが複雑で時間がかかる」と話す。

琉球銀行は法施行後、営業先に預金額などを記載した顧客情報を持ち歩かないよう全行員への指示を徹底。
同行事業統括部は「情報データを持ち歩かず、すべて記憶頼みで営業をかけている。持ち歩くのは住宅地図だけ」と話す。

病院では「初診時にフルネームで呼んでいいかどうか、入院の場合は病室前に名前を表記していいかを確認している」
「事故で運ばれた患者が学校の生徒で、学校から電話で問い合わせがあっても、直接、来てもらわないと本当に学校関係者かどうかを確認できず、安易に情報提供できない」と語る。
この記事は「社会部・高江洲洋子」と署名記事であって、幅広く混乱ぶりを伝えたという意味でなかなか丁寧な記事だとは思いますが、せっかくの署名記事でありながら問題の報告だけで、どのようにする方向が良いのかを書かなかったのはもったいないと思います。

個人情報保護法が保護するものの実際の形がどうなるのかを考えないで、法律を動かしているという側面が大きいですね。
もう一つは行政法であるという面が問題になって来たのかな?とも考えています。

行政法は、違反について行政が命令を出すことが基本で、違反の事実そのものを裁判で争う刑法などとは扱いが違います。
つまりAとBの二件の個人情報流出事件がを比較して「このA事件は個人情報保護法違反で、B事件は個人情報保護法違反ではない」という判定を争うことがAとBの個人情報取扱事業者が裁判で争うということがありません。行政が決めるだけです。
このため、何が個人情報保護法違反なのか?という「相場」が形成されません。

この事を、新潟大学 法学部/大学院教授の鈴木正朝氏は「行政法ではどうしても厳しくなる」という表現をされていました。
こんな背景を考えると「自治会の連絡名簿に電話番号を載せない」などという名簿を作る意義や自治会連合会の存在意義そのものを個人情報保護法は否定しているようなトンチンカンな話も出てくるのでしょう。
自治会長の連絡網が機能しないというのは明らかに過剰適用と言えるでしょう。

こんな解釈・適用が出てくる法律はなんらかの改正が必要と言わざるを得ません。

4月 17, 2006 at 08:19 午前 個人情報保護法 |

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