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2006.04.20

原油最高値・問題はどこにあるか?

FujiSankei Business i より「【FOCUS原油高】市場を翻弄 投機マネー
原油価格の高騰が止まらない。価格をつり上げている“主犯”は、巨額の投機マネーだ。
大富豪や機関投資家から出資を募った「ヘッジファンド」のほか、証券会社など金融機関の自主運用資金、企業や公務員の年金資金が、その代表例。

大量の資金を原油先物市場に注ぎ込んでいるのだ。
投機マネーは激しく短期の売買を繰り返しており、WTI(West Texas Intermediate)の一日の原油取引量は、全世界の一日当たり原油消費量の三倍に相当する約二・五億バレルにも膨らんでいる。

「米国債市場から原油先物市場に資金が流れ込んでいる可能性が高い」。
WTIは取引が膨らんでいるとはいえ、一日の出来高は百五十億ドル前後。
これに対し、米国債市場の出来高は五千億ドル前後とされ、はるかに巨大だ。
市場規模が小さい原油市場が、巨額の投機マネーのターゲットにされれば、ひとたまりもない。
WTI というのは、石油の銘柄ですから先物市場で「WTI を(将来)売る/買う」と取引するのが本来の姿です。
先物市場は将来の生産や消費を予測して取引するのですから、現実の生産量や消費量よりも多くの取引が成立するのも先物市場の特徴です。一種の人気投票のようなものです。
しかし、いくら原油と言っても「一つの銘柄だ全世界の一日あたりの原油取引量の3倍相当」とはやり過ぎでしょう。バブルと言ってよさそうです。
長谷川慶太郎氏は「2006年 長谷川慶太郎の大局を読む」(2005年10月刊)で次のように書いています。
原油に無限の値上がりはあり得ない
WTI は1983年、NYMEX(ニューヨーク・マーカンタイル取引所)に上場された。
NYMEX の参加者のうち、約7割が実需を背景にした石油関係者、約3割が投機筋と言われる。 WTI の生産量は日量50万バレル、世界の原油供給量は日量8000万バレルだが、WTI における取引量が2億バーレルに達することもある。つまり、実際の需給バランスとは関係のない思惑によって・・・・
さらに、FujiSankei Business i の記事のように「債券市場に比べて WTI の規模が小さいから債券市場での運用資金で WTI 全体の価格が動く」のでより一層の債券市場からの資金が流入するということでしょう。
しかし、実需ではないし、実際の原油の取引では WTI を売り買いするわけではなく、あまりに現実的でない値付けになると指標としての意味を失ってしまうこともあります。
もちろんその一方で、生産の先行き不安や消費の拡大予想などで敏感に上下するから、上昇/下降が現実の原油の価格の傾向を示すことに間違えはありません。ただ、報道される「ニューヨークの原油先物が上昇」とか「70ドル台」といった数字が灯油やガソリンなどにそのまま反映して「15%の上昇」といったことになるものではない、という理解は必要でしょう。

むしろ FujiSankei Business i が指摘する、債券相場→金利 の関係の方が切実な影響があるかもしれません。

4月 20, 2006 at 08:10 午前 国際経済など |

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