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2006.03.21

Winny対策・問題の本質を考える

「愛媛県警事件・どれほどの情報溜めていた?」にコンメントをいただきました。
手に入る限りの情報を溜め込むというのは、適切な検索手段さえあれば非常に便利なんですよ。Google が便利だと言うのと似ているかもしれません。 ですから、この例が特殊な性癖をもつ人間の特殊事例というわけでなく、利便性を追求すれば誰でもやってしまうようなことだ思うんです。 結局、利便性とセキュリティの間でどこに線を引くかと言う、ごく一般的な問題に帰着するのではないかと... ただ、Winny が動いている PC で作業するのは、公開 Web サーバや匿名 FTP サーバ上で作業すると同じか、もっと危険なわけで、そんなところに機密情報を溜め込むのは、どんな基準でも許されないのですけどね。
意見交換に発展するほどのコメントいただけるのは大変にありがたいことです。

kei-2さんのこのご意見はそれほど突飛ではないというよりも新聞社の意見などとあまり変わりがないと感じます。新聞社の記事には出てこないわたしの意見の方が異端の色彩は強いと思います。

注目したいのは「Winny が動いている PC・・・・・・そんなところに機密情報を溜め込むのは、どんな基準でも許されない」の部分で、対策を考えると「Winny を作業用のPCに入れるな」にするのか「Winny の入っているPCで作業するな」の二つの選択肢があることになります。

この二つの選択は実際には「Winny を入れるな」という方向しか働かないと考えます。事実、首相も官房長官も「Winny を入れるな」と記者会見までして言っています。
しかし元々私物のPCがあって、それを業務に提供しているのですから、全て人が「自分から進んで勝手に業務用に私物のPCを持ち込んできた」わけではないでしょう。警察などが組織として「私物のPCを持ってこい」と命令したことはさすがに無いとは思いますが、隣の席の同僚が持ち込んできた時にいつまでも「わたしは持ち込まない」と主張するのは難しくて、「アンタは家でバリバリにPCを使っているのだから持って来いよ」といった軽い圧力も含めれば、私物のPCを持ち込む方向に圧力があったと想像がつきます。

そして私物のPCを持ってきた人の中には Winny を入れているような人物も居た。これは事実だし、さらには家族が知らない間に Winny を入れたという例もあります。
私物PCであるのですから、業務用PCではあり得ないようなことも考えられます。
Winny 以外でも、ウイルスのチェックを全くしていないとか、業務上は考えられないサイトへのアクセス、業務上はあり得ないようデータの蓄積・・・・、「業務上はあり得ない」をキーワードにして幾らでも考えられます。

これは同じPCの中も「私物」と「業務上のデータ」を混在させたら当然起きることで、別に不法でなくても「そんなことを業務用のPCでやるものか!」となるのです。。
しかも「業務用PCでそんな私的なことをするか」と「私物のPCでそんな業務をするか」の両方向があります。
Winny については「映画をタダで見るのだから、そもそも著作権法違反」という意見は大きくは正しい指摘だろうと思いますが、エロ画像のストックなんてものを業務用PCにやったら職場は「いい加減にしろ」と言うには決まっているでしょう。個人の年賀状の宛名のデータとか住宅ローンの計算、家計簿といった具合に「業務に関係ないデータ」はいくらでも思いつきます。

会社が業務に使用するために設置した「会社のPC」にこんな「個人的な情報」を書き込んだら内容に応じて、色々な注意が飛んできて当然です。
それは「会社のPC。業務用」ですから、内容も含めて会社が管理して当然だし使用する個人も業務用と私物ではやることを分けますよ。
業務用のPCで会社の仕事をすることと同様に私物のPCで個人が必要とする作業をするのは当然で、

いったい私物PCの業務利用とはどうあるべきか?

ということの答えは出せるのでしょうか?わたしはムリだと思いますよ。
実際、首相・官房長官が「Winny を入れるな」という話も「Wiiny 自体は悪くない」とか何が何だか分からない話しになってしまいました。

そこまで不明瞭なことを続けるコストは業務用のPCを揃えるよりも遙かに高くなるでしょう。つまりこの問題の根っこは
「私物PCを業務に使うと管理できない」ということになって
「管理しないからから、不法に近いことも起きる」が実態となってしまって
「トラブルになってしまった」という構造であると思うのです。
予防という観点では

「業務用PCだけで作業すれば、ほぼ完璧に防げる」

なのですから、Winny を入れるのは良くないなんてことを言うまでもないです。なんで「業務用PCにするべき」という声が少数派なのかな?

3月 21, 2006 at 10:41 午前 セキュリティと法学 |

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コメント

業務用と私用とを厳密に分けると、仕事を家に持ち帰る=残業代ゼロという形の経費削減が事実上不可能になる。業務用機材を揃えるにも新たに費用がかかり、コストアップのダブルパンチ。
道路建設に公金ジャブジャブのようなことが、winny対策を名目に行われれば、少しは流出防止になるかも。

もっとも、今回問題になっているのが偶々winnyだったというだけであって、ローカルハードディスクの中身を公開するという技術のもたらす社会的影響に目覚めたクラッカーは、新たな同機能ソフトの開発に腕を振るうだろう。

投稿: thin | 2006/03/21 23:05:40

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