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2006.03.15

情報流出・読売新聞社説がようやく・・

読売新聞社説より「[情報流出続発]「『ウィニー』だけが問題なのか」

ようやくまともな社説が出てきたという感じですが、この社説が目立つことが問題だし、社説だから一般論でとどまっていて、今後は報道機関が役所などの個々の対応についての評価を示すかが注目点でしょう。
ウィニーのせいだけにしていては問題の本質を見失う。むしろ一連の情報流出騒ぎで露呈したのは、流出が起きた組織の情報管理のお粗末さだ。

どうして私物パソコンに、重要な情報やデータが簡単にコピーされ、持ち出されてしまうのか。機密を扱う職場なら当然あるべき対策がない。

大量流出したのがパソコンのデータではなく、紙の文書と考えてみれば、事態の異常さが浮き彫りになる。

流出が起きた職場では、重要な文書を職員が勝手にコピーして外部に持ち出せるのか。自宅に持ち帰れるのか。国や自治体には、機密情報、個人情報が大量にあるが、これで管理は大丈夫か。

政府や関係機関は、情報管理体制を根底から見直さなくてはならない。
以前からなんとなくネットワークを社会が利用することが出来ないのではないか?という疑問がありました。
89年にFAフォーラムを作った時にわたしは必ずしもネットワーク万歳と積極的に工業界に売り込むということはしなかったと言えます。
個人間の情報交換にはとても便利だったから、設計事務所の業務などには大いに有効であったしなんと言っても人脈の構築が出来ました。

しかし会社や業界といった組織にネットワーク(インターネット)が影響を及ぼしたのか?というと、本質的には変わっていないでしょう。
コンピュータ犯罪に関する白浜シンポジウムの案内をアップしましたが、わたしが初めて参加した99年には大学のネットワーク管理をしている教員の方が「わたしはネットワーク管理をしているが、本業ではない。にも関わらず責任だけ持たされてはたまらない。責任が無いということにならないものか」と発言されていました。
今では、プロバイダ責任制限法は管理者には管理者としての責務がある、としています。

近代社会は軍隊式の組織が基本であって、責任者(指揮官)・中間管理者(士官・下士官)・一般社員(兵士)といったカスケード構造(枝分かれ構造)で動いています。
ネットワークはネットワーク構造の問題であってインターネットやPCの事ではない。社会に異なる構造がうまく納まるのか?という問題なのだろう。

会社でも同期会とか県人会といった会社組織にとって横串に相当する構造があることが多く、縦のカスケード構造(指揮命令系統)と人的繋がり(同期会など)といった横のカスケード構造が重なるのと、結果的にネットワークのようものが出来ていたのでしょう。
しかしこれはネットワークの形をしていてもネットワークではありません。

形のとしてのネットワークのようなものを持っていた日本の社会構造は最終的には強いカスケード構造で動く、というルールでうまくやってきました。
横からの情報に基づいて一旦情報を縦の構造に通すために「元に戻して」といった手続きが示されることがしばしばありました。

ネットワークがネットワークとして機能するのは、検索するような場合に典型的に現れます。手元に無い誰かの情報を見ることで結果OKとしているのですが、昔は本を所有する必要があったことです。
このようにノードが機能してこそのネットワークですが、カスケード構造とは相容れないのは当然で、これをどうするか?という問題がようやく顕わになってきた、ということでしょう。

3月 15, 2006 at 07:54 午前 セキュリティと法学 |

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