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2006.02.16

個人情報・漏示罪を付け加える改正案

NIKKEI NET BIZ+PLUS より「個人情報漏えい、1年以下の懲役・自民が保護法改正案
民党の情報漏えい罪検討プロジェクトチーム(谷本龍哉座長)は15日、業務上知り得た個人情報を漏らした民間企業の従業員に、新たに1年以下の懲役または 50万円以下の罰金を科す個人情報保護法改正案の概要をまとめた。公明党と協議し、3月中に議員立法で今国会に提出、早期成立を目指す。
わたしは個人情報保護法に漏示罪を付け加えるのは無理であるから反対、という立場です。

個人情報漏示罪が個人情報そのものでなくて個人情報取扱事業者つまり5000人以上の個人データを持っているところ(一般企業の場合)だけを対象にしてどうするのか?と思うわけです。
さらに、刑事罰を科すというからには何らかの刑罰に相当する損害があったということが前提になると思いますが、個人情報漏示による損害とは一般的に理解できるものなのだろうか?
一方、個人情報には他人に漏らされることに誰でも反対するだろうものに病歴とか遺伝子情報とかがあるだろうが、氏名なんてのは他人に伝えないと意味がない。この保護するべき情報・保護する必要がない情報といった個人情報の質についての評価が全く無いのが現行の個人情報保護法の問題だとわたしは繰り返して主張しているのだが、漏示罪についてもこの個人情報の質は問われないから、量の問題か?とも思うが会社の職員名簿1万人分を漏示した場合と、医院からカルテを1人分持ち出した場合とどちらが罪になるか?と考えた場合に、社員名簿は1万人だから罪が重い、なんて判断は社会常識に反するというべきではないだろうか?
いやそもそも、1万人は罪だが10人なら罪は問わない、なんて言えるのか?

個人情報の漏示が罪になるというのは、個人情報とは何なのか?という話に戻ってしまう。
個人情報が秘密にするべき情報に限定されるとは到底言えない、氏名なんてのは他人に知られないのでは不要だ。
では個人情報は個人情報の本人の持ち物か=財物か?そんなことはあり得ない。
財物であれば、価格がついて取引できるはずだ、世界中で個人情報が公然と売り買いされているということは無いのだから財物ではない。
いったいこんな「個人情報」というものを漏示することの何が問題なのか?

管理してることに対するルール違反ということなら分からないではない、がそれは個人情報に限定することではあるまい。
企業であれば財務情報なんてのは秘密にしていて当然だから、財務情報を持ち出されて取引がご破算になって損害が発生したから賠償しろ、という論理で社会的に抑制している。
個人情報もこれと同じであろう。ずいぶんとひどい法案だと思う。

2月 16, 2006 at 08:42 午前 個人情報保護法 |

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コメント

 私もこの法案には問題があると思います。最大の疑問は、従業者だけを罰しようとしているところです。
 その結果、企業の経営者が漏洩しても罪にならないというのでは、個人情報を漏洩された被害者からしたら全く同じ結果が発生しているのに極めて不公平です。
 この法案は、企業からの陳情がきっかけとなって作られようとしているために、企業を保護し、従業者だけを罰するという方向になってしまっており、欠陥法案と言わざるを得ません。

投稿: ビートニクス | 2006/02/17 4:18:22

たしかにそうですね。
しかし、そもそも刑事罰の対象になる事件は何なのか?というがよく分からないですね。

mixi でもゴチャゴチャと議論してますが、こんなヘンな法律って他にあるのですかね?

投稿: 酔うぞ | 2006/02/17 7:59:29

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