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2006.01.03

人口問題・人口構成の形から考える

日本が超高齢化社会になりつつあり、その理由が少子化問題であり、その理由が晩婚化(非婚者の増加)であるというのは分かるのだが「だから問題だ、大変だ」として「年金などの崩壊」と言われている。
もっと抽象的な国力の低下とか地方の集落の無人化が問題という意見もあるが、とりあえず年金の崩壊の方を考えてみる。

年金の問題については、現役世代が減って年金を支払う者の数が減るから問題だという。
しかし、これは明らかに相対的な問題で年金を受け取る側が支払う者よりも早く減るといったことでも回避します。
本質的な問題は年金支払い者が増えるつまり人口が増加するという前提にあるわけです。

一国の人口が増え続けるというのは無理があると思うし人口政策はそのような無謀なものではない、と思いたいところですが人口問題の本では「人口ピラミッド」という概念がさほど問題視されずに使われています。
国立人口問題研究所の少子化情報ホームページに人口ピラミッドが1930年~2050年の間でどう変化するかをアニメーションで示しています。
これを見ると釣鐘がひっくり返るように見えます。つまり1930年には子供の方が多かったのに2050年では老人の方が多いのです。

子供ばかりの世の中というのは団塊の世代には経験してきた社会そのものですが、老人ばかりの社会というのは見たことが無いですね。
過去にこどもばかりの時にうまくいった政策を老人ばかりの社会で実現しようとしても無理があるのですが、それを「子供が減るからいけない」と言っているのではないか?という政策の基本をチェックする必要があります。

現在の年金政策は若い世代がその時の老人世代の年金を負担するというものです。<だから若い世代が常に老人世代よりも多い釣鐘型の人口構成であることが必要なのです。
人口構成が釣鐘型であるためには若い世代ほど多くが死ぬことが必要でしょう。
そうでない場合は、常に子供が増え続けるしかありません。

医療技術・公衆衛生の向上は人が天寿を全うすることを目指しているはずです。つまり人口構成は限りなく生まれてから死ぬまで真っ直ぐで年代間の人口にほとんど差がないような形を目指すのでしょう。
そのような社会では、どう考えても若い世代が老人世代の年金を支払うなんてのは無理です。

2003年の0歳~5歳世代が人口の増減無しに90歳まで生きて人口構成が直線の棒状になったとすると、総人口は1億1千万人ぐらいで静止します。
20歳~65歳の労働可能な全人口は5800万人です。この5800万人が5200万人を支えることになります。つまり一人が一人の面倒をみる社会です。
もちろん現実には生まれた子供がすべて寿命を全うするという社会はあり得ないですが、労働人口数人で一人の面倒をみるといった社会は、とても成立しないことは確かです。

このように明らかに無理な人口構成の設定を放置した結果は「年金危機だ」となっていますが、もう一つ大きな現象が起きています。
生命保険会社の大儲けです。生命保険は30年・40年後の人の死の確率を予測するのがビジネスの基本であったのですが、今から35年前の契約などが人が死なないから保険金の支払いが大幅に予想外れとなってしまって大儲けの形になってしまいました。

こうして人口構成のつまりは死亡率の予測が外れたから、年金危機が顕在化したというべきですが、これは生命保険会社が保険金の支払いが予想以下で儲かってしまった時に年金体制は無理だ、と判断するべきでした。

少子化問題が年金の危機だけの問題だとするのなら「年金は仕方ない」とすれば、人口減や少子化は問題にならないのでしょうか? 何が問題なのか分からなくなってきます。

1月 3, 2006 at 11:30 午後 人口問題 |

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