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2005.02.16

個人情報保護法・現実化の問題

昨日、個人情報保護法についての小さな勉強会がありました。
講師は本を出されているニフティ社の鈴木正朝さんです。

わたしはけっこう積極的に勉強しているつもりですが、どうも「一歩前進三歩後退」のような印象ですね。

昨日話題になって興味深かったのは、元になる個人情報データベースがどこかで流出したとされた場合に、管理監督するべき個人情報取扱事業者はどの段階まで責任があるのか?です。

これ、法律上も規定は無いですし、下請け・代理店・業務委託といった契約上の実務や業者間の力関係を無視して管理監督をすることなっていますが、例えばNTTを例にとれば量販店などでフレッツを売っているわけです。

どちらがどちらでも良いのですが、お互いに「我が社の管理手法はこれだから、やってくれ」というのでは、NTTだって量販店だって手間になるだけです。
現実にNTTは力がありますが、量販店にとっては「NTT以外にもソフトバンクもあるしアッカもKDDIもあるよ、全部別々にするわけにいかない」となるでしょう。

こうなると、管理も監督も鑑査も出来ないわけで、責任の取りようがないという現実が見えてきます。
個人情報データベースを持っているところは、その情報がどの段階で出ても責任を追求されるという考え方で来たわけですが「それじゃやってられん」という話しが公然と出てきました。

個人情報データベースを持っている個人情報取扱事業者から情報は少しずつ使われるはずで、元の個人情報取扱事業者を親とする子ども・孫と続いていく構造です。
そして、何代目かの孫で流出した。
そこから、親までさかのぼってきて「親が監督していないからだ」というのは法律の構造ですが、そんな何代も下まで管理出来るワケがない。というのが見えてきました。

当面の間「あれもダメこれもダメ」とビジネス的に萎縮するでしょうが「そんなのやってられるか」というところで、もうちょっと現実的なところ着地することになるでしょう。

2月 16, 2005 at 11:02 午前 セキュリティと法学 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.02.14

個人情報保護法・読売新聞社説

読売新聞社説より「[個人情報保護]「流出防止へ法の抜け穴をふさげ」

問題は、情報流出があった場合の処罰に関する法体系に不備があることだ。従業員が自分のCDに情報をコピーして持ち出し、対価を得たり、業務を妨害したりすれば、何らかの処罰ができるよう、法整備を急ぎたい。

この意見はわからないではないが、これも一局面であるし、そんな明快なものばかりではないのは、今対応のための作業をしている企業から見れば「もっとずっとやっかいだ」という声が上がるだろう。

報道は個人情報保護法の適用除外だから、こんな突っ込みの甘い社説が書けるのではないか?と疑ってしまう。

2月 14, 2005 at 11:19 午前 セキュリティと法学 | | コメント (1) | トラックバック (0)

あなたは人を裁けますか・第2夜

NHKスペシャル「あなたは人を裁けますが・第2夜」を見ました。
ちょっと見るのが遅れたので、頭の部分は見ていません。

イタリアの制度は日本とよく似ていますが、3ヶ月間ということで日本よりも明確かな?という印象でした。

ドラマ編を見た感想としてわたしは「数日間で判決まで至るのか?」という疑問が湧きました。
この背景には、第2夜で指摘がありましたが、裁判の期間の平均が8ヶ月ということで、それを数日に縮めることが出来るのか?だったのです。

一つは、裁判の初期の段階で検察・弁護・裁判所が話し合って争点を明確にして、その段階から裁判員が加わる公判になる、とのことでした。
また、イタリアの例で紹介された事件では、裁判そのものは数日でしたが期間は何週間かでした、つまり休みというか次の公判まで間があるということです。

どうも、第1夜に紹介されたように、一気に数日でまとめるのは無理なんじゃないか?と思います。

一方、一つ気になったのは「裁判員制度になじむ裁判だけを扱う」ということで、例えばオウム事件などは裁判員が関わらない裁判になるようです。
しかし、もともとは市民的な常識で裁判を見てみようということですから、裁判としてもめて、長期間かかるような案件こそが市民的な常識を持ちこむべきところではないかと思うのです。
それが裁判員を長期間拘束するのが困難だから、裁判員制度を使わないというのは、やむえない選択かもしれませんが、良いことなのか?という印象ですし、第一事前に「これは裁判員制度になじまない」と決定できるものなのでしょうかね?

もう一つ、弁護側・検察側・裁判所が話し合って争点を詰めるということだと、結果として裁判員制度によって短期間で結審・判決となりますから、種々の理由で「短期間で終わらせたくない」という背景で、争点を詰めることに協力せず、結果として裁判員が関わらない裁判、という図式もあり得るかな?と思います。

なかなか難しいですが、2009年には始まるし、統計的には意外と裁判員として呼び出される確率は高いんですよね。

2月 14, 2005 at 10:03 午前 事件と裁判 | | コメント (2)