« 2005年12月4日 - 2005年12月10日 | トップページ | 2005年12月18日 - 2005年12月24日 »

2005.12.17

人口問題・労働力比率の変化

「人口問題・合計特殊出生率をどう計算する」で Stella なるソフトウェアを持っていると書きました。

Stella は有名な「成長の限界」で使われたシステム・ダイナミックスのPC用のソフトウェアです。
システム・ダイナミックスはフィードバック・ループのある現象にはすべて適用できますが、社会システムなどに使う例が有名です。

「成長の限界」を買ったのは1973年とかだと思いますが、当時からシステム・ダイナミックスには興味があって、Stella も10年以上前から持っています。
持っているだけで、ちょっとぐらい勉強しても実際に使うまでは至らなかったのですが、ちょっと前から日本の人口動向に適用してみました。ソフトウェアの使い方を勉強しつつなので一月ぐらいやっていました。その間に少子化白書が出てしまいました。
一応、明らかな間違えはないシミュレーションモデルができました。そしてちょっと応用の利くデータが出来たようです。

人口動向は出生と死亡で決まるわけですが、そもそも出生は女性の14歳から50歳ぐらいまでの人口によって決まります。
死亡についても年齢によって死亡率が変わってきます。これらから人口動向を予測するためには女性・男性・年齢層別の人口・年齢層別の出産数・年齢層別の死亡率が必要になります。
このデータは総務省・統計研修所「日本の統計」に揃っています。0~4歳、5~9歳、10~14歳と5年ごとのデータになっています。5~9歳の人(子供)は5年後に10~14歳になるわけですが、この間に亡くなる方がいるので死亡者数を引いた数の人が次の5年の世代になる、と計算します。
このために5年ごと各年齢層の死亡率が必要になります。

一方、出生についても女性の10~14歳層から55~59歳層までに出生の報告がありますから、それぞれの層からの新生児をフィードバック・ループの先頭にくわえます。

直感的に「新生児や死亡者はデータ上どこから来て、どこに行くようにするのだ?」と感じますが Stella はいわば空中から取り出したり、空中に送り出すことが出来ます。
つまり新生児は空中から出てきて、死者は空中に戻す、といった感じで計算に新規に加えたり除いたりすることが出来ます。

こうしてシミュレーションモデルが出来ましたが、出産率がどう変化するのか、死亡率がどう変化するのかは、実際のデータを当てはめるか予測したデータを当てはめるかしか無いわけで、現在のモデルでは実際のデータを当てはめています。
そしてシミュレーション期間を約300年にして計算してみました。

将来人口そのものデータは総務省・統計研修所「日本の統計」に出ています。「2-1 人口の推移と将来人口」(エクセルのデータ)これによると2050年頃に総人口が1億人以下になるとされています。わたしが作ったモデルも同じ結果ですから、ここらへんを論じても面白くありません。

少子化問題・高齢化問題と良く言われるのが「労働人口の相対的な低下」ですが、労働できる年代(24歳~64歳)が総人口に占める割合の変化を見てみました。


労働人口比率
20030.58
20080.56
20130.53
20180.51
20230.5
20280.49
20330.48
20380.47
20430.47
20480.47

こんなことになります。確かに今後15年ぐらいは総人口に占める労働人口の割合は急速に低下しますが、30年後には一定になるようです。
通信の自由化が1985年で今から20年前のことでした。Windows 95 発売から10年です。現在でも国家財政は破綻しそうな情況なので今後30年間そのままというのは無理でしょうが、言われるほどお先真っ暗でも無いように思えます。

12月 17, 2005 at 07:21 午後 人口問題 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2005.12.16

人口問題・合計特殊出生率をどう計算する

毎日新聞より「少子化白書:「日本は超少子化国」 年間育児費173万円
04年の合計特殊出生率(女性1人が一生に産む子供の数に相当)が1.288と過去最低を更新した
超少子化国は、合計特殊出生率が1.3未満の国に位置づけられる人口学上の定義。白書では、04年の出生率が03年の1.290を下回り、減少傾向に歯止めがかからないことへの警告からこの定義を初めて用いた。05年から初めて人口が自然減となる可能性があることも指摘している。
stella


割と気楽に合計特殊出生率という言葉が使われますが、どういう計算をするのか良く分かりませんでした。
報道で使われるフレーズは「女性が一生の間に生む子供の数」となっているので、直感的には「そりゃ2を越えないと人口減になるよね」といったアイマイな認識でした。

そもそも「一人の女性が生涯に生む子供の数」という言い方をすると、一人ひとりの女性の生涯を追跡しないと分からないといった感じで統計的にはどうするの?となります。
そこでちょっと調べたらこんなのがありました。
「合計特殊出生率は、どのように計算するのですか。」(埼玉県・統計情報FAQ)
合計特殊出生率は、出生率計算の際の分母の人口数を、出産可能年齢(15~49歳)の女性に限定し、各年齢ごとの出生率を足し合わせ、一人の女性が生涯、何人の子供を産むのかを推計したものです。
これなら簡単、こんなデータがあります。
総務省・統計研修所「日本の統計」の中に「第2章 人口・世帯」というがあり、「2-5 年齢5歳階級別人口」と「2-19 母の年齢階級別出生数と出生率」の二つの表を合わせると計算できます。

この統計表は「年齢階級」を5歳毎に区切るのですが、0~4歳、5~9歳という具合なので、出産可能年齢(15~49歳)では区切られておらず、また実際の母親の年齢層も(9~14歳)層から(54~59歳)層まで広がっているので、出産可能年齢(層)以外から生まれた子供が居るのでヘンなことになります。
それでもある程度は自力で合計特殊出生率を計算できることが分かったので、手持ちの平成15年のデータで計算してみました。 1.305474 と出ました。
範囲を変えても 1.30 以下にはならないですね。
合計特殊出所率の数字だけが一人歩きしている印象を受けますが、諸外国のデータを見ても、2.0を越えているのはアメリカぐらいなものでヨーロッパ諸国は程度は緩いとは言え長期的に人口減少社会になっています。
「超少子化社会」なんて言ってますが、じゃあどの程度なら良いのか?という議論をしないのではダメでしょう。

こんなソフトを持っているので、将来予測をやってみているのですが、どうも直感的におかしな結果になっているのでまだ発表できるようなものではありません。

12月 16, 2005 at 04:10 午後 人口問題 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2005.12.15

構造設計偽装の真相?

「構造設計偽装事件の不思議」を書いてから「大石英司の代替空港」を見に行ったらこんな記事があった。
2ちゃんに上記のような面白いスレが立っています。
なんと場所が2ちゃんねるのプロレス板で「  姉歯建築士はガチ」
307 :あるホテル支配人 ◆VHnb0CvNYY :2005/12/10(土) 20:18:23 ID:BNs0rdK40

私は木村建設の建てたあるホテルの支配人です。
昨日、木村建設の現場監督だった方が今回の姉歯事件についての説明に来ました。
その顛末をまとめて伝えようと思います。
ちなみにヒューザーについては何も知らないので質問はご容赦願います。
読んでみました。彼が木村建設の部長から聞いた話のアウトラインは次のような内容です。
●そもそも、建築設計には絶対的な評価が無い。
  学会の力関係などでイチャモンが付くなど良くあることだ。

●木村建設は建設速度の向上を図って、ホテル・マンションの建設に特化した。
  工期厳守、現場管理の徹底ぶりは目が覚めるような見事なもの。
  地元の下請け会社は3日も工期を遅らせてしまいました。
  その後の打ち合わせで、現場監督が下請け会社の専務を
  正論で罵倒し倒し、みっともなく食い下がろうとする
  下請け専務を、半泣きになるまで責め続けている姿を見て
  「本当にこの人たちはとてもシビアな仕事をしているのだな」
  と感心しました。

●木建設は中山構造研究所という有能な会社に設計を依頼したら鉄筋量は少なくてもキチンとした設計をしてきたので、こういう設計もあると知ったが設計料が高いので安いという理由で姉歯設計に発注するようになった。
  ところが仕事が遅いので、下請け業者として納期の短縮の迫った。
  その結果、設計偽装となった。

●木村建設の短納期は総合研究所の営業に資するところ   総合研究所はあっちこっちからマージンを取るなどで   結果的に木村建設は短納期によって増えた売上によって得た利益を   総合研究所に吸い上げられた。
2ちゃねるでも「木村建設だけの言い分では信用できない」と当然の意見が出ていますが、全体を読んでみると「この話は本物ではないか?」という印象を受けます。
逆に言いますと、こういう説明でないと「設計を偽装した理由が分からない」ということですね。
だからと言って一部で出ている「建設会社は被害者」論には「結果責任があるだろう」と言います。それにしても、どうして「チェックアンドバランス」が機能しなかったのでしょう?
チェックは検査機関に期待されていたわけで、検査機関の責任は大きいと感じています。

12月 15, 2005 at 11:26 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

構造設計偽装事件の不思議

国会で証人喚問が行われたわけだが、さっぱり分からないのは「何を目的にして構造設計を偽装したのか?」であると思います。
はっきり言ってしまえば経済的な利益を上げることが目的でしょうし、違法かどうかは別にして鉄筋の量を減らすことがコストダウンになるという認識で関わった人たちは一致していたのでしょうね。

じゃあ構造設計を偽装してコストダウンになるのか?ですが、昨日の証人尋問で1平方メートル当たりの鉄筋使用量を120キログラムから80キログラムにするかどうかという話があったとのことですが、1/3減らすというかなり大胆な話で「論外」という話と「法律的はOK」という話が混乱しているようです。

削減量が40キログラム/平方メートルで鉄筋の価格が2200円ぐらいですね。加工費コミで1平方メートル当たり5000円として一軒200平方メートルとして100万円。
これは無理矢理する程のコストダウンなのだろうか?

ホテルの案件では総合研究所が実際には営業して以後の設計・建設を仕切っているわけだが、コンサルタント料やその後の運用費用のマージンを取るなどしても建設についてコストダウンすると総合研究所にはどういう利益があったのだろうか?
マンションは売り主であるヒューザーなどは、木村建設から安く仕入れるのは重要な点であろうが、設計を偽装して一軒100万円のコストダウンをするのか、設計はそのままで100万円高く売るのとどちらが楽かという問題になりそうな気がします。

どうも設計を偽装したことが業者側の利益を増すことに直結していないような気がします。
むしろ工期の短縮などが有効でしょう。その意味で「型枠の大型化」などは有効だろうし、ホテルではほとんど同じ設計の使い回しのようなことをやっていた。
これだけなら、設計を偽装する理由にならないのですね。結局どういう理由で設計を偽装したのかは良く分からない。
もちろんコストダウンの一角に設計偽装が必要だったのだろうという想像は出来ます。しかし、設計偽装自体が何を目的にして行われたのか?全体の構想の中に設計偽装はどういう意味があったのでしょうかね?

12月 15, 2005 at 10:20 午前 事件と裁判 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2005.12.14

殺人請負探偵と京都の殺人塾講師

「殺人請負探偵の裁判」に京都の小学生女子刺殺犯の塾のアルバイト講師と探偵の類似性を書いたが、サンケイ新聞にこんな記事が出ていた「小6刺殺、萩野容疑者 過去に窃盗など数十件
逮捕された同志社大四年の元アルバイト講師、萩野裕容疑者(23)が、二年前に同大学図書館で起こした強盗致傷事件のほかにも数十件の窃盗などの犯行を自供、そのうち約十件の事件で起訴されていたことが十四日、分かった。
小学生を閉じ込めて殺したというだけで十分にビックリであるが、数十件の窃盗を自白、約十件で起訴、懲役二年六月・執行猶予三年の前科者ということです。
塾講師がこんな人物というのにまたまたビックリですが、殺人請負探偵の裁判で最初に驚いたのが検察官が読み上げた「(奥平は)前科8犯で」です。

軽犯罪法違反のようなものばかりのようですが、それでも前科8犯とは「コリないヤツだな」でしかありません。
さらに本人が法廷で述べた、不起訴になった事件も喧嘩で警察に調べられたり、2ちゃんねるのひろゆき氏宅に押しかけて不法侵入容疑で調べられたというもので、ロクなことをやってません。

そんなことをやっているうちにどう考えてもあり得ない「殺人依頼を受諾してしまう」ということをやったのであって、この「普通に考えるとワケ分からない」というところの共通性は京都の事件と同じだという印象が強まりますね。

12月 14, 2005 at 04:17 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

殺人請負探偵の裁判

月曜日(12月11日)に東京地裁八王子支部に殺人請負サイトとして有名になってしまった「駆込寺」の開設者・奥平明男の詐欺罪の第一回公判を傍聴してきました。

奥平は悪徳商法?マニアックスの Beyond 氏の自宅まで押しかけ来てインターフォンで脅迫したり、水商売ウォッチのapj さんの勤め先の大学に自宅を教えろと言ったりしています。
お二人とも良く知っている仲なので傍聴に行きました。

即日結審で明日15日に判決となりました。検察は懲役1年6月を請求しました。
検察・弁護とも反論がまるで無くだから即日結審になりましたが、そのために事件の背景とか何を考えてこんなことをやったのかさっぱり判りません。
検察・弁護・裁判所と3人が同じように「なんでこんなことやったの?」と質問したのですが、「自分がきちんとしていないからです」という回答に終始して回答になってません。

わたしは刑事犯罪になるようなことを故意に実行した場合(過失でない場合)には、犯罪者にはそれなりの決心というか覚悟のようなものがあるのではないか、と思っていましたがどうもそういうことでも無いようです。
まるで、小学生か中学生が先生に謝っているようなもので、反論とか主張というものがない。
改めて「こんなヤツも居るのだ」と思ったし、Beyond 氏の実家(家族や住所・学歴など)を公開したようで(確認されていない)大変な迷惑者ではあるのですが現実には言うだけで暴力行為などはしていないようです。
ある意味では「ビョーキか?」とも思うわけですが、ひょっとするとこういうことかもしれないという例が紹介されていました。

弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 「日々是好日」より「[刑事事件]宇治小6刺殺 容疑者供述「女児いなくならなければ生きていけない」
私も、かなりの数の犯罪者と接してきましたが、報道から感じる、この被疑者の特徴は、論理が著しく飛躍すること、飛躍の中で自らの攻撃性、暴力性を抑制できないことですね。

重大殺傷犯に、時々見られるタイプです。
「論理が著しく飛躍」そうなるとなぜ飛躍したのかを論理的に説明するのは無理でしょうね。「飛躍中には行動を抑制できない」からやっちゃった、これで「なぜやったか」の説明は出来ないですね。
どうもそのまんま奥平明男に当てはまってしまうような気がします。
京都の女子小学生刺殺事件と事件の重大性を考えると比較できるものではありませんが、犯人を捕らえてみても、供述させても「ワケ分からない」のは同じように思います。

実際に逮捕後に2ヶ月間拘置されていて、法廷にも手錠で現れたのですから、かなりの疑念を持たれていたのでしょう。
どの程度の会社か分かりませんが、探偵業はもうやりようも無いでしょう。普通はそういうリスクを考えるから抑制するわけですが、それが止まらないでやってしまうという人なのでしょう。

なんかすごいものを見たような気がします。

12月 14, 2005 at 03:54 午後 裁判傍聴 | | コメント (5) | トラックバック (1)

2005.12.12

シカゴの空港で飛行機と自動車が衝突

シカゴのミッドウェイ空港で飛行機と自動車が交差点で衝突して死者が出たという事件で、CNNなどのテレビを見たらいやに道路と滑走路の距離が無いようで「どういうところでぶつかったのだ?」不思議だったのだが、USA TODYthe intersection of W. 55th Street」と出ていたので、さっそく Google ローカルで見に行った。

CICAGO
この写真が衝突した交差点である。
これでは滑走路から飛び出したら、確実に空港外ですな。
日本でもこんなところはちょっと無いのでは無いかな?おまけに滑走路の長さが6500フィートだと言う、2000メートルしかない。これは最近の旅客機用の滑走路としては短いと言える。
富山空港や松本空港と同じ、板付(福岡)は2800メートルです。
これはいつかは起こる事故だったのでしょう。

12月 12, 2005 at 12:40 午前 海外の話題 | | コメント (0) | トラックバック (1)