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2005.12.02

牧師の暴行で11歳の少年が告訴

サンケイ新聞より「「牧師の暴行でけが」 小5男児が聖神教会提訴
4月に閉鎖した聖神横浜教会(横浜市)の元牧師の男性(37)に殴られけがをしたなどとして、元信者の小学校5年の男児(11)が1日、元牧師と、同教会の上部組織だった聖神中央教会(京都府)に、250万円の損害賠償を求める訴訟を横浜地裁に起こした。

訴状によると、男児は当時信者だった母親(44)らと2001年から横浜市西区の聖神横浜教会に住み込んでいた。男児は04年4月、ゲーム機を持っていたことで元牧師から「ゲームは悪魔の手先がやるもの」と言われて殴られ、顔などに約3カ月のけがをした。

男児は昨年7月、教会から離れたが、精神的ショックで適応障害などと診断され通院中という。

元牧師は「暴力を振るった事実はまったくない」と話している。聖神中央教会では元主管牧師の金保(きん・たもつ)被告(62)が信者の少女を暴行したとして女性暴行罪などで起訴され、公判中。
この記事は昨日の夕方に横浜地裁で紀藤正樹弁護士らが記者会見で提訴したことを発表したものです。

聖神中央教会の牧師による少女暴行事件は2005年4月に逮捕され事件が明らかになりました。
ところが、同時期に今回の事件の舞台となった横浜の教会で放火事件があって、教会が被害者にもなっています。

年月出来事備考
1989年長男誕生
1994年秋次男=原告誕生
1994年12月聖神宝塚教会の信者になる家族で
2001年12月聖神横浜教会で寝泊まり雑魚寝状態
2004年4月原告が牧師にデッキブラシで複数回殴られる当時9歳
2004年7月一家で聖神横浜教会を離脱シェルターに逃れる
2004年末から原告は小児神経科に通院現在も通院中











原告の少年に実際に会いました(皆で会食)がごく普通の小学校5年生ですが、一家が聖神中央教会の信者になって宝塚教会に所属した時点では生まれたばかりであり、その後に聖神横浜教会に移動(引越)するのですが、これが被告牧師が宝塚から横浜に異動になったから、移ったということのようです。
なぜこのような、強制が出来るのか?というとこの種のカルト宗教で多く見られる「全財産・全生活を信仰に注ぐ」ということで、本当に無一文になってしまい宗教団体を離れること自体が出来なくなるからなのだそうです。

有名なのがヤマギシ会で全財産をヤマギシ会に提供したのは不当な契約で無効という判決が出ていますが、この問題が「脱会のしようがない」ということなのだとは、昨日説明を聞くまで気づきませんでした。

このような事情で、原告の少年は生まれてから、昨年に脱会するまで教会の社会以外はほとんど知らないで過ごしたことになります。小学校にも通わなかった時期もあるとのことでした。
雑魚寝状態の教会での生活は、宗教活動・社会奉仕(ホームレスの対応など)・布教活動などで一日中追いまくられるものだったようですが、一応自宅があって着替えや入浴などに戻っていたとのことで、普通の家庭の団欒は無かったようです。

布教活動として、駅前でのビラ配りやポスティング(一軒ずつ訪問しての布教)に原告少年が行ったこともあったとの事でした。
このような生活が、ずーと続いていたことになります。まことにひどい話だと思いますが、ヤマギシ会事件やホームオブハート事件でも根本には宗教活動が家庭の団らんや親子の情愛よりも優先するいう点は共通でどう見ても子どもたちにとっては児童虐待ですが法的な対応はまだまだだとのことでした。

12月 2, 2005 at 09:25 午前 事件と裁判 | | コメント (4) | トラックバック (1)

2005.12.01

構造計算偽装事件その5

読売新聞11月30日の記事「全銀協、偽装物件のローン利用者救済を通知
全国銀行協会は30日、全国の会員銀行に対し、問題となった分譲マンションを購入した住民の住宅ローン返済を一時繰り延べるなどの対応に努めるよう通知した。  通知では、住民が銀行に住宅ローン返済などの相談に来た場合に備え、相談窓口を明確にすることも求めている。その上で、相談者の事情を考慮し、「返済の一時繰り延べも含め、真摯(しんし)な対応に努める」とした。
過去の記事を検索していて偶然見つけました。
よくもまあここまで地味な発表にしたものだ。

内容も実態は何もないですね。門前払いしちゃダメよ、というだけです。
はっきり言うけど、銀行が審査を通したから契約したという面について、銀行に賠償責任があるとも言えるでしょう。

前にも書いたが、土地・不動産という公的なモノと住宅という償却期間は長いが償却物件である動産同様のものを私有するという境目の問題で、私有物としてだけ見れば私的契約の自由の問題であるが、公共的なものを一次的に借りるという概念であれば公的責任という問題になります。

中国の土地が国家所有で建物だけが私有であるから土地バブルにならなかったというのが分かりやすいです。
ここを端的に指摘すると紀藤正樹弁護士の blog の記事「野放図な規制緩和と民間委託がもたらす未来
民間でできることは民間に・・・という小泉首相のスローガンは、デマゴーグの一種です。間違いだと思います。
民間にできたとしても、民間に任せてはだめなことは民間に任せるべきではありません。 国は、最低限であっても、国民の生活の安全を守る最後の砦ですので、民間に任せる範囲は、おのずから決まっていると思います。

ですから、我々は、正しくは、民間に委ねるべきは民間に・・・というのが正しいスローガンであることを忘れてはなりません。
という意見も出てきます。
そもそも民間にという発想の背景には、保険に代表されるような評価があることが前提になっています。今回の強度偽装事件のように、建築会社(工事)、設計事務所、検査会社、銀行、役所、検査ソフト制作会社といった具合に多数の事業者が関わっている時にその全てについて評価出来るから民間企業の競争が働くということ前提になっています。

現状は、役所のやっていたことを民間と看板を掛け替えただけで、民間企業としての競争も評価もされていない、さらに言えば役所が「検査機関としての認定を取り消す」といっているのは、いささかアイマイでまるで民間検査機関が廃業するような表現だがこれでは役所がやってきた事業そのものだ。「全部任せて安心か、否か」です。
これだと民間の事業にする意味がないから、このやり方から変われないのであれば、正に「民間に任せてもダメなこと」そのものです。どうやって競争原理を実現するのか、それを当事者に知らしめるのか、というもっと大きな問題に直結しています。

こういう点から、金融機関の腰の引け方は論外だと思う。
金の問題なのだから銀行こそが今回の問題に関わった、検査機関も含めてチェックして評価を発表するべきなのだ。
「○○検査会社が検査した物件なので、住宅ローンの利率は高くなります」とするべきなのだ。

12月 1, 2005 at 10:12 午前 事件と裁判 | | コメント (2) | トラックバック (1)

2005.11.30

判決は短くなくてはいけない(のか?)

朝日新聞より「「判決理由が短い」と言われ、裁判官が裁判官を訴追請求
横浜地裁の井上薫判事(50)が、同地裁の浅生重機所長(63)の罷免を求め、裁判官訴追委員会に訴追請求したことがわかった。
訴追請求状によると、浅生所長は昨年から今年にかけて、「君の判決の理由欄が短いので改善するよう所長として勧告する」「勧告に従わないので人事上減点評価とし、来春の判事再任は無理だ」などと述べた、という。これについて井上判事は「裁判干渉であり、裁判官の独立を侵害した」と訴えている。
なんか頭の痛くなる話だな。

「判決で余分なことを書きすぎる」という例もあって「判決文はAだが裁判官の考えはBだ」というのものある。これはどうかと思う、聞いた方はAなのかBなのかを都合良く解釈したり、AなのかBなのか判断が出来なくなる、これでは判決にはならない。

今回の「判決文が短すぎる」というのは説明不足という意味合いだろう。
井上裁判官の言い分はは「意味不明でも良い」という意味なんでしょうかね?
少なくとも短すぎると言われないようにすることは可能だと思うのだが、そこについても妥協出来ないというのは、ちょっと困る裁判官では無いだろうか?

悠法律事務所さんも「判決理由」として記事を書かれています。
ご本人は長い短いを云々するのは裁判官の独立を侵害すると言っておられるそうだが、当事者(代理人弁護士)が読んでも他の裁判官が読んでもよくわからないような記載をもって、それを云々するのは独立の侵害だと言われてはあきれるしかない。迷惑な話である。

11月 30, 2005 at 02:12 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (6) | トラックバック (0)

2005.11.29

ホームオブハート事件

今日(11月29日)は予定通り「ホームオブハート事件」を傍聴してきました。
ホームオブハート事件とは自己啓発セミナー・ホームオブハートが児童虐待をしたとして事件化しましたが、主催者が1997年に解散したロックバンド「X JAPAN」のボーカリストTOSHIだということで2004年4月にワイドショーに連日取り上げられました。
いくつもの裁判や刑事捜査がありますが、原告の一人の山本ゆかりさんとはだいぶ以前からの知り合いで、それもあって応援の意味で継続して傍聴しています。

現在も、損害賠償裁判と名誉毀損裁判が別々に行われていますが、事件として何が起きていたのか、について証拠書類が出そろって、ほぼ今日で終結となり来年からは証人調べに入ることが確定しました。
裁判の流れとしては、一つの頂点が見えてきたといった位置に届いたということでしょう。

わたしはネット上の表現の自由などの観点から見ていますが、「ホームオブハートの被害者を支援する市民の会」が作られていて、市民の会と複数の宗教カルト被害者の会と連帯しています。
このような点から、カルト問題に事実上直結しているという点こそが注目するべき事件です。

今までは単に裁判の進行を報告を中心にしてきましたが、徐々に事件の内容について説明しようと思っています。

11月 29, 2005 at 09:24 午後 裁判傍聴 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.11.28

西村真悟逮捕か?

朝日新聞より「西村真悟議員に逮捕状、不正示談40件で名義貸し容疑
大阪地検特捜部と大阪府警は27日、弁護士法違反容疑(非弁護士との提携禁止)で西村議員の逮捕状を取った。28日に任意出頭を求め、逮捕する。
他の新聞や放送は「逮捕へ」の段階で、朝日新聞だけが妙に確定的な記事だと思うがね。

ちょっと政治的な影響があるな。

11月 28, 2005 at 08:00 午前 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

構造計算偽装事件その4

読売新聞より「強度偽装の分譲マンション、公庫融資の返済猶予認める
耐震強度偽装問題で、マンション住民の支援策を検討している国土交通省は27日、住宅金融公庫の融資を受けて住宅を購入した住民に、返済期間の延長などの措置を取る方針を決めた。
国による初の具体的な住民支援策だが、問題の分譲マンション(約230戸)居住者のうち公庫融資利用者は1割未満の14世帯で、同省は民間の住宅ローン利用者らへの支援策も検討する。
同省では「住民救済は建築主が無償で建て替えなどに応じる瑕疵(かし)担保責任を果たすことが先決」としているが、ヒューザーなど一部建築主の今後の対応や資金力は不透明だ。このままでは住民の生活再建に時間がかかり、余分な負担を強いられる恐れもあるため、援助策を検討していた。
住宅金融公庫法の規定では、公庫融資を受けた者が、災害などで返済困難になった場合、返済条件を変更できる。
ちょっと違うのではないか?

天災など誰にも責任を負わせる合理的な理由がないが、支払が困難だから救済するというのが、返済猶予だろう。
この事件は、金融機関と建築会社の間で不合理な契約をし、それを買い手に連帯して売りつけた、という意味だろう。
金融会社と建築会社は連帯して誤った物件を売ったことに対する賠償責任があると思う。

11月 28, 2005 at 07:58 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2005.11.27

構造計算偽装事件その3

日曜日だというのに4本の新聞記事を拾ってきました。
元々建築というか不動産はわざわざ「不」という字が付いているくらいで「動産」が取り替えが利く商品であるのに取り替えが利かないことが特徴です。
このために国家が管理するわけですが、中国では土地は全面的に国家所有で建物が私有になっています。このために高度経済成長でも土地バブルにはならないで来ました。ま、今まで無かった借地権バブルになりつつあると言われていますが・・・。
しかし日本では土地も商品として取引されるので問題があるとも言われています。

それにしても、不動産つまり世界的に見ても国家管理するとか、完全な私有物として滅失(燃やしてしまうとか)が出来ない財産を私有して活用するということは、公共財から私有財への流れがあるわけで、手続き的に役所から民間企業へと移っていきます。
ここに「民間検査機関」というのが出来るわけで、どこに役所と民間企業の違いを線引きするか?という問題になります。
もちろん、役所でも民間企業でもきちんと業務をすれば良いし、民間企業であっても職責を汚せば「汚職」とも言えるでしょう。今回はどうもこの「線引きのところ」をウロウロした連中が引き起こした事件のようです。

では続きは、新聞の紹介にどうぞ。

日経新聞社説より「社説1 耐震偽装を見逃した官と民の体質(11/27)
耐震強度が基準の2、3割しかない集合住宅の存在を国土交通省が発表してから、同省がその売り主や施工業者に対応策をただすまで、1週間もかかっている。正確に言えば、発表の2日前には自民党代議士に伴われた業者が同省の担当課長に公的支援を訴えているのだから、役所がこの許し難く危険きわまりない事態を知ったのはもっと前だろう。
構造強度のインチキ計算をノーチェックで見過ごしていた“民間”検査会社イーホームズの内部監査で偽装が発覚したのは10月だという。それから今まで、当事者である建築主、施工業者、設計者、そして行政は何をしてきたのか。
ことを表ざたにせずに逃げ切る策を探り、結局、万策尽きて公表した、と解釈されても仕方のない対応の遅れである。
なるほどなるほど、そういう評価になるね。
いまだになんとも言い難いうさんくささがついて回ってますね、11月中に何か出てくるのではないかと思いますね。


朝日新聞より「国交省検査は限定的 イーホームズ検査で見抜けず
イーホームズに、国土交通省がほぼ毎年、定期的に立ち入り検査をしながら、同社の審査態勢の不備を指摘してこなかったことが明らかになった。帳簿の保管状況や検査員数の点検が中心で、建築確認の審査方法の中身は詳しく調べていなかった。
やっぱりそんなことだったのだ、とは思いますがこれを「国交省がだらしない」と見るのか「イーホームズが巧みなのか」というとわたしは後者を採ります。
そもそもすべての業務は「善管義務」で行われると考えないと、自由経済なんてのは成り立たないわけで、イーホームズが「承知の上で検査を手抜きした」というのなら、その結果について全面的に責任を負っていただこう。普通はそんなことを出来ないから「可能な限り全力を尽くして業務を実行する」からこそ「善管義務」が果たされるのであって、イーホームズはそのリスクを知らないで手抜きをしたのだろうけどね。


サンケイ新聞より「「姉歯物件」広がる被害 相次ぐ休業、ホテル深刻
耐震計算書偽造問題がホテル業界に深刻な被害を与えている。強度が偽造されたホテルはもちろん、姉歯(あねは)建築設計事務所が関与したというだけで営業休止に踏み切らざるを得ないケースが五月雨式に増加、八都県で十七ホテル(うち三ホテルは建設中で、建設中止に)が営業休止となった。
客商売だけに、ホテルの業績は「信用」に左右される。実際の耐震強度とは別に、「姉歯物件」というだけで休業するホテルも出てきた。
これは民間企業としては当然の選択でしょうね。
後なってから「危険なホテルであることを隠して営業を続けた」と言われるよりも先に公開した方が被害が少なくできるだろう、という経営判断によるものですね。
結局ここに、官から民への流れが象徴されているのでしょう。イーホームズやヒューザーは自社に有利かどうかで官の立場と民の立場を使い分けていて、隙間に落ちたとでも言うのでしょうか?


毎日新聞より「耐震偽造:イーホームズが伊藤元国土長官の元秘書に献金
指定確認検査機関「イーホームズ」(東京都新宿区)の藤田東吾社長が、伊藤公介・元国土庁長官の元秘書の都議(50)に、2年間で365万円の政治献金をしていたことが分かった。伊藤元長官は、建築主の「ヒューザー」(千代田区)の小嶋進社長を、問題公表前に国土交通省幹部に引き合わせたことが分かっており、データ偽造の背景にある業者、検査機関と政治家の関係が浮かび上がった。
藤田社長は秘書を通じ「都議は青年会議所時代の友人で、個人的資金で応援した。伊藤元長官は知ってはいるが資金提供したことなどはない。
元長官の名前が(今回の問題で)登場したことに驚いている」としている。
だから~、民間の感覚ではこんなバカなこと言うと叩かれるからやらないのだ!
イーホームズが全然「民間」検査機関ではなくて、民間のふりをしてさらに天下りの受け皿であるということの証明でしょう。ひどい話だ。

11月 27, 2005 at 10:00 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)