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2005.09.09

ハリケーン・カトリーヌその10

CNNテレビを見ているとハリケーン・カトリーヌで現地で何が起きたのかいまだに把握されていないようです。ルイジアナ州に避難命令が出るなど対策が具体化したのが8月28日ですから、まもなく2週間が過ぎようとしています。
ところが死者数の推測ですら数百人から数万人という説までばらついています。どうやら多少は改善されたようですが、ボランティアで現地に入った医療関係者が50メートル離れたところで医療活動しているチームと連絡が取れなかった、といった話がありました。
こんな調子だから「浸水の老人ホームで30人以上の遺体 水位低下で発見(CNN.CO.JPより」という話まで出てきます。「水が引いたら発見された」なんてことはあり得ないでしょう。

今CNNテレビ「とても公表できない写真を入手した」と繰り返していますが、なんと避難先のコンベンション・センター内に4名のバラバラ殺人の死体の写真だ、というのです。いったいどんな避難先の情況だったのでしょうか?

FEMA(連邦危機管理庁)が機能していないとして、ブラウン長官の更迭を求めるといった議論がありますが、FEMA は国土安全保障省の下部組織になっています。
国安全保障省は極めて大きな役所で、国防総省(アメリカ軍)の次に大きな役所です。2003年から機能していますが、傘下の組織には沿岸警備隊、国境警備隊、州軍などを含むとのことです。
ハリケーンによる災害だから FEMA が例えば沿岸警備隊や州軍に出動要請するといった図式を思い浮かべますが、いずれもが国土安全保障省の下部組織なのだから「要請」ではなくて国土安全保障省の命令によって動く、となっているような気がします。
ところがそもそも国土安全保障省は9月11日の同時多発テロへの対策のために出来た組織ですから、どちらかと言うと「テロ情報がある場合に、アメリカの全ての機能を同じ方向に向ける」といったことが主な仕事なのでしょう。

例えば警察の扱う強盗事件などには国土安全保障省が出て来ないのは明らかですが、違法入国者を取り締まるのは国境警備隊の仕事でこれは国土安全保障省の仕事だ、となりそうです。
結局、FEMA が総力を挙げて活動することが出来ない構造になっているのではないか?という気がします。つまり今回の避難で生じた人災の遠い原因は国土安全保障省を作って「国体護持」のようなことを目指したワシントンの国家経営の大きな穴なのではないか?と思うのです。

9月 9, 2005 at 11:11 午前 天災 | | コメント (2) | トラックバック (2)

2005.09.07

ハリケーン・カトリーヌその9

CNN.co.jp より「数千人が救出拒否、家への愛着などで、ニューオーリンズ
ニューオーリンズ市内に取り残されている住民の本格的な救出活動を開始した市警のリリー本部長代理は5日、数千人規模が自宅への愛着やペットの世話などを理由に、避難を拒否している、と述べた。
ネーギン市長は5日、地元ラジオに、退去を拒否している住民に対しては飲料水の配給を断る、との強硬路線を示している。
飲料水の供給を断るというのは「パトロールしないぞ」ということのようです。(CNNテレビりより)それでも避難しないと宣言するのだから筋金入りですね。
さきほど日本の台風14号の被災者が「浸水と戦っていたが、あまり一人で頑張って回りに迷惑を掛けてもと脱出した」と言っていたのと対照的です。
それだけ自分しか信用しないのかな?と思ったら、こんな一節が
救援隊のボートは5日、冠水した現場で、車のタイヤにしがみつき、漂流している男性を発見、乗るように求めた。しかし、「こんなひどい事になって、人々は怒鳴り合っている。唯一信頼出来るのは自分の犬だけだ。彼を置いて立ち去るわけにはいかない」と語り、拒否したという。
そこまで信用できない社会なんでしょうかね?
パニックSFのような世界ですね。

9月 7, 2005 at 08:26 午前 天災 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2005.09.06

ハリケーン・カトリーヌその8

CNN.co.jp より「被災地の地元紙、「公開書簡」で連邦政府の対応を批判
ルイジアナ州の地元紙タイムズ・ピカユーンは4日、ブッシュ米大統領への「公開書簡」と題した論説を掲載し、連邦政府の対応を厳しく批判した。
書簡は、ニューオーリンズの住民が助けを求め、食料を待ち続けている間、政府は同市への到達手段をめぐる議論に数日間を費やしたと批判。 ハリケーン上陸から3日後の9月1日には報道陣や民間のトラックが市内に入っていたのに、「国民を守り、真っ先に支援に駆け付けるべき人々の姿は見えなかった。部隊を派遣するはずの人々も、市内へ到達できないと嘆くばかりだった」と指摘した上で、「大統領閣下、われわれは怒っています」と訴えた。
アメリカでは連邦危機管理庁(FEMA)あることが総合的な危機管理が出来ているから素晴らしいという評価が以前からありましたが、どうも今回はそれが裏目に出たようです。
同紙は書簡の中で、「ブラウン長官をはじめとするFEMAの職員は、1人残らず解雇するべきだ」と主張。
CNNテレビはブラウン長官がいかにダメかというリポートを流していて、結局は名誉的な人事であり FEMA が必要とするマネージメント能力を以前の職で発揮したことがない、といった内容でした。
日本でも法律改正がまとまって来る時にワケワカの法務大臣というのがありましたが、FEMA が言い訳をするというのは行政の評価としてはどうしようもない。アメリカのメディアも「FEMA の今回の対応は落第」としたようです。
ただ、この手の問題ではなるべく早めに過剰なくらいの手当てをしないで、避難後に事態が悪化するともっと手間が掛かる事になります。逐次投入は下策とされるものの代表で、今回の FEMA の初動の遅れは被害規模が大きいこと考えると、財政的にも政治的にも非常に重大な影響を与えることになりそうです。

9月 6, 2005 at 09:49 午前 天災 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2005.09.05

ハリケーン・カトリーヌその7

Google Map でニューオーリンズを見に行ったら Katrina というボタンがあって浸水状態を示している衛星写真が出てきました。
正直な話がどういう風に浸水しているのか全然想像出来ないのでした。 というか、杉並区の浸水だった想像できないのだから分からなくても仕方ないですが、CNNテレビで「バーボンストリートから中継」とやっていたので「確か繁華街は南東だよなぁ?」と確認してみるとバーボンストリートはここでした。
そもそも浸水は北側の湖の堤防が切れたからで、南東の海側の堤防は切れていませんが、この繁華街側が中継の画面では浸水した形跡が無いことと、高速道路周辺浸水していることから「この土地は南北の中央が低いのか?」となって、地形(標高)を知ろうととりあえず Google Map を見たのです。
やはり予想通りでどうも、10号線から北側あたりが一面に浸水している様子ですから、東西に走っている高速道路のあたりが一番の低地のようです。

便利になったと言えるのかもしれませんが、これだけ情報があってなおかつ救援が遅れるとはどういうことなのでしょうか?

9月 5, 2005 at 11:15 午前 天災 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2005.09.04

ハリケーン・カトリーヌその6

CNN.co.jp より「冠水の完全除去に「80日間」と、ニューオーリンズ
ニューオーリンズ市で救援作業に当たる米陸軍技術工科部隊のロバート・クレア将軍は2日、市内の水の完全な排水には、少なくとも80日間はかかる、との見通しを示した。
同市の面積のうち約8割は冠水している。
いくら「完全な排水」との前提であっても80日間も排水だけに掛かるのでは、復興が著しく困難になるだろう。全く元の通りになるとは言えないのではないか?

ニューオーリンズ市の面積は468平方キロぐらいのようで、横浜市が437平方キロですから、同じような大きさです。
人口は48万人で横浜市の355万人の2割以下ですね。

浸水面積が約8割とすると、350平方キロとなります。
横浜市の8割が水浸しというのはちょっと想像しがたいです。
実際の浸水面積の報道が無いところが、いかに大災害であるかが分かりますが、CNNテレビでも何回も警告と対策案が出ているのに、実施されなかったということでその後の避難の不手際も含めて人災でしょう。

中越地震では避難者が10万人だそうです。
中越地震の被災地域の人口は55万人ぐらいのようです。何千人あるいは万人が避難出来なかったとか、5日目になってやっと支援物資が届き始めるとかこれらを見ても、開発途上国の大災害以外でこれほど災害を制御(防災)が出来ていない例はちょっと無いように思います。

9月 4, 2005 at 02:02 午後 天災 | | コメント (1) | トラックバック (0)