« 人口問題・合計特殊出生率をどう計算する | トップページ | 人口問題・緩やかな人口減少を考える »

2005.12.17

人口問題・労働力比率の変化

「人口問題・合計特殊出生率をどう計算する」で Stella なるソフトウェアを持っていると書きました。

Stella は有名な「成長の限界」で使われたシステム・ダイナミックスのPC用のソフトウェアです。
システム・ダイナミックスはフィードバック・ループのある現象にはすべて適用できますが、社会システムなどに使う例が有名です。

「成長の限界」を買ったのは1973年とかだと思いますが、当時からシステム・ダイナミックスには興味があって、Stella も10年以上前から持っています。
持っているだけで、ちょっとぐらい勉強しても実際に使うまでは至らなかったのですが、ちょっと前から日本の人口動向に適用してみました。ソフトウェアの使い方を勉強しつつなので一月ぐらいやっていました。その間に少子化白書が出てしまいました。
一応、明らかな間違えはないシミュレーションモデルができました。そしてちょっと応用の利くデータが出来たようです。

人口動向は出生と死亡で決まるわけですが、そもそも出生は女性の14歳から50歳ぐらいまでの人口によって決まります。
死亡についても年齢によって死亡率が変わってきます。これらから人口動向を予測するためには女性・男性・年齢層別の人口・年齢層別の出産数・年齢層別の死亡率が必要になります。
このデータは総務省・統計研修所「日本の統計」に揃っています。0~4歳、5~9歳、10~14歳と5年ごとのデータになっています。5~9歳の人(子供)は5年後に10~14歳になるわけですが、この間に亡くなる方がいるので死亡者数を引いた数の人が次の5年の世代になる、と計算します。
このために5年ごと各年齢層の死亡率が必要になります。

一方、出生についても女性の10~14歳層から55~59歳層までに出生の報告がありますから、それぞれの層からの新生児をフィードバック・ループの先頭にくわえます。

直感的に「新生児や死亡者はデータ上どこから来て、どこに行くようにするのだ?」と感じますが Stella はいわば空中から取り出したり、空中に送り出すことが出来ます。
つまり新生児は空中から出てきて、死者は空中に戻す、といった感じで計算に新規に加えたり除いたりすることが出来ます。

こうしてシミュレーションモデルが出来ましたが、出産率がどう変化するのか、死亡率がどう変化するのかは、実際のデータを当てはめるか予測したデータを当てはめるかしか無いわけで、現在のモデルでは実際のデータを当てはめています。
そしてシミュレーション期間を約300年にして計算してみました。

将来人口そのものデータは総務省・統計研修所「日本の統計」に出ています。「2-1 人口の推移と将来人口」(エクセルのデータ)これによると2050年頃に総人口が1億人以下になるとされています。わたしが作ったモデルも同じ結果ですから、ここらへんを論じても面白くありません。

少子化問題・高齢化問題と良く言われるのが「労働人口の相対的な低下」ですが、労働できる年代(24歳~64歳)が総人口に占める割合の変化を見てみました。


労働人口比率
20030.58
20080.56
20130.53
20180.51
20230.5
20280.49
20330.48
20380.47
20430.47
20480.47

こんなことになります。確かに今後15年ぐらいは総人口に占める労働人口の割合は急速に低下しますが、30年後には一定になるようです。
通信の自由化が1985年で今から20年前のことでした。Windows 95 発売から10年です。現在でも国家財政は破綻しそうな情況なので今後30年間そのままというのは無理でしょうが、言われるほどお先真っ暗でも無いように思えます。

12月 17, 2005 at 07:21 午後 人口問題 |

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/2299/7667287

この記事へのトラックバック一覧です: 人口問題・労働力比率の変化:

コメント

Stella で人口の計算をされたとか書かれてますが、私も平成19年の5年ごとのデータを用いてStellaで計算しましたが、人口の減少速度が速すぎ、本来2100年頃には7000万人ぐらいで安定するはずが2000万人ぐらいになります。出生率、死亡率、人口も間違いなく入れているはずですが、どこかでミスをしていると思います。間違いやすいポイントを押してていただけませんか。

投稿: 人口問題に関心のある人 | 2008/08/22 14:00:49

    人口の減少速度が速すぎ、
    本来2100年頃には7000万人ぐらいで安定するはずが2000万人ぐらい
    になります。
    出生率、死亡率、人口も間違いなく入れているはずですが、
    どこかでミスをしていると思います。
    間違いやすいポイントを押してていただけませんか。

ウ~ンさすがにこれだけの情報で、どれが問題とは指摘できませんが
非常に根本的なところですが、人口が5年階級ですからステップを5年に取ることになります。
これを1年に読み間違えると、5倍の速度で変化する事になりますが、どこかで1年で進めてしまっていませんか?

ここまで急激な変化となると、怪しいのはココかな?と思いますが、間違っていたら済みません。

投稿: 酔うぞ | 2008/08/23 0:19:10

コメントを書く