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2005.10.16

鳥取県の人権条例・その2

10月14日書いた鳥取県の人権条例にはコメント・トラックバックをいただいたが、毎日新聞社説も非常に厳しい批判をしている。
そもそも一つの県に固有の人権侵害が存在するのかどうか。基本的人権は、全国どこでも等しく保障されるべきだ。必要なら法律で一律に保護するものではないのか。

条例では、人種差別や虐待、セクハラ、差別につながる興信所による身元調査など8項目を禁止すべき人権侵害と規定した。この中で「私生活に関する事実、肖像その他の情報を公然と摘示する行為」を禁止すべき行為に挙げた。プライバシーが保護されるのは当然だが、憲法で保障された「表現の自由」を制約しかねない条項を見過ごすわけにはいかない。

委員5人は知事が任命し、事務局員は県職員が担当する。さながら知事直轄の監視機関である。知事や県幹部の「人権擁護」はさぞかし盤石になるだろう。

その一方で行政機関の人権侵害の追及には「抜け穴」を作っている。条例には「公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがある時は、人権侵害の事実の有無を明らかにせずに協力を拒否できる」との項目を挿入した。実態として刑務所や拘置所などを調査の対象から外しているのだ。
法律や条例に違反すると裁判に掛けられて処罰される、と理解されています。
ところが個人情報保護法を勉強していて行政法ではまず行政処分があって、行政処分に反すると初めて裁判となり懲役刑もある、という構造であることを知りました。

このことをだいぶ前に「行政法を適用されると一般に厳しく処罰される傾向がある」と聞きました。

要するに三権分立の抜け道的な側面があるということですね。
さて鳥取県の人権条例はどうか?と見てみると、基本的に人権委員がまず呼び出すわけですが、場合によっては反論できる機会すらありません。つまり事実関係を争うことが出来ない。
そして処分があって、不満であれば行政処分不服審判にでもするのでしょうかね?

基本的に行政法の考え方は手続きが正しいのかを行政が監視しているというものであって、結果について評価するのはヘンじゃないかと思うのです。それは国の司法の問題です。
そういう点からもかなり憲法違反の条例である疑いが強いと思います。

10月 16, 2005 at 09:51 午前 セキュリティと法学 |

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