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2005.08.10

衆議院解散・独断解説

郵政民営化の是非を理由にして衆議院が解散してしまったわけだが、あかん隊さんから質問がありました。
すみません。郵政民営化って、どうなるのが一番いいんでしょう?
わからないのです。無知蒙昧。民営化されると困る先生方が反対しているのですか?
民主党を始め、野党が反対しているということは、このままがいいってことなんですか?
わたしが解説するというのは無理で、わたしの独断となりますが、やはりこれは派閥争いという側面が大きいのだと思います。

そもそも郵政民営化について、民主党の多くは郵政民営化推進のはずなのです。もちろん民営化の方法論で賛否が分かれるということはあるでしょうが、今回の参議院の採決の趣旨が小泉政権への信任の可否であったからこそ郵政民営化そのものではないところで賛否があったということです。

そこであかん隊さんのご質問の「郵政民営化はどうあるべきか?」へのお答えですが、日本の郵政は以前は郵政省が全部握っていて国営でした。現在は公社化されましたが、実質は同じでしょう。事業として郵便事業と郵便貯金・簡易保険の金融事業があります。
そもそも郵便については万国郵便条約で国際的に決められているものです。
一方、金融事業は実は世界最大の銀行と言えます。

わたしは世界最大の銀行が国営銀行であるというのは許されないと思っています。つまり郵便貯金・簡易保険は完全民営化するべきだと考えます。
一方、郵便事業もきわどいのですが、万国郵便条約の意味するところは郵便事業は国家が責任を負うべしとなっていますから、その意味では国営であるべきだと思っています。

もっとも、宅配便をはじめとするメッセンジャーサービスが世界的に普及している現在、郵便事業が儲かるものかどうかは怪しいので、いつまでも国営事業として続けるものかどうかは考えるべき時期なのでしょう。

反小泉のリーダは亀井ですが、派閥の歴史はこのようなものです。
池田→前尾→大平→鈴木→宮沢→加藤派
佐藤→田中→竹下→小渕→橋本派
岸→福田→安倍→三塚→森派
三木・松村→三木→河本派
河野→中曽根→渡辺→江藤・亀井派
小泉は形式上は森派ですが、派閥活動をほとんどやらない「変わり者」として有名でした。
戦後の政治は田中角栄・福田赳夫の「角福戦争」と言われる抗争が有名で、その後に中曽根が登場します。これらが弱ったところでスポット救援のような形で三木政権ですね。
結局、旧来の派閥構造の上では田中派つまり橋本派の力が落ちて、福田・中曽根の争いと見ることが出来ます、これは群馬県のライバル関係であり同じく群馬の小渕をもり立てるなどキングメーカとして駆け引きをしている関係です。

そこに「変わり者の小泉」ですから、これは派閥の弱体化とセットで考えるべきでしょう。
類似の例としては三木政権によく似ているように思います。衆議院解散の様子も似てますね。

一晩経つと色々の意見はありますが「郵政民営化はけしからん」という意見は少数であるように感じます。つまり亀井としては「虎の尾を踏んだ」というべきなのでしょう。
さらにどういう計算をしたのか本人に聞きたいところですが、比例区で当選した議員が反対に回っています。小泉は「反対したら公認しない」と言っているのですから、比例区から再出馬出来ないという意味です。つまりこれは「小泉は解散せずに総辞職する」という情報で反対に回ったとしか考えられないのです。
現在の選挙制度は小選挙区制であり、これは二大政党による容易な政権交代を目指すとされていて、選挙実務では党公認であるかどうかによって大幅に有利不利があります。
さらに政党交付金という国の金が使えるか使えないかという問題もあって、何があっても当選できるという実力者でないと無所属で選挙に臨のはとても大変です。

こんなことを考えると今回の「衆議院解散」は亀井にはまとも計算が無かったのではないか?と強く思います。
反対派の議員で「我々が自民党だ」とかバカなことを言っている人が居ますが、あれでは支持者だって「バカじゃないか?」と思うでしょうね。
だからこそマスコミの観測は「新党を結成して戦い、選挙後に自民党に合流」というシナリオを提示したのでしょうが、それも一晩経ったら消えてしまったようです。
つまりは反対派(亀井)の動きは成算がなかったわけで、はっきり言ってムチャクチャです。

その点、民主党の岡田は「郵政民営化が問題の全てではなく、政権交代が目的だ」と郵政民営化の肯定をしていますから、こっちの方がよほどまともでしょう。
さて選挙の結果はどうなるでしょうか?

8月 10, 2005 at 12:54 午前 衆議院選挙 |

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受信: 2005/08/10 23:40:11

コメント

 金融事業に関してはおっしゃる通り。ここまで大きい金融機関を銀行法の埒外に置き続けるのは自由主義経済にとって良くないです。
 郵便事業はたしかに重要ですが、コンビニがハガキと切手を売り、店舗前にポストを置く昨今。末端郵便局を維持する必要がどこまであるのかは謎ですよね。少なくとも、本局クラスの郵便局は残すとしても、町中の特定郵便局は段階的に無くして行っても、コンビニが殆どの代わりを務められると思います。要は、ハガキ・切手の発行と、基幹の集配業務・大量に集中する本局業務のみを国に残し、残りを民間委託でコンビニに移す。これで良いと思います。
 もともと、国が全面的に面倒を見る事が難しかった郵便事業を地区地区の有力者に委託するという民間委託システムが特定郵便局制度ですから、これが、現代にマッチした新しい「特定郵便局」でしょう。
 こうした、現実的な解の出て来ない今の郵政論戦は、所詮派閥争いのための宗教問答なんだろうなと思います。

投稿: 神北恵太 | 2005/08/10 11:31:09

あれー! こっそり教えてもらおうと、こっそり質問したつもりだったのですが…。げげげ。
見解のご説明、ありがとうございます。

○金融(保険・貯金)は、銀行と同じ法律の下におくべきである
○郵便事業は、国営でもよいかもしれないが、コンビニ等民間のインフラを利用できるシステムへ移行してもよいのではないか

以上のように理解しましたが、これでいいでしょうか?

とはいえ、直前のどたばたで、民主党は「反対票」を投じているので、なんとなく「民営化に反対」なのかなー、なんて思ったり、でも、確か違ったのでは…なんて思ったり、めっちゃわかりにくいです。政権交代できるのでしょうか? なんとなく民主党のインパクトが弱い、という気がするんですが。。。岡田さんが「おぼっちゃまっぽい」からかなー。(汗)

投稿: あかん隊 | 2005/08/10 15:15:09

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