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2005.06.17

個人情報保護法に刑事罰というが

読売新聞社説より「過剰規制にならぬ配慮が必要だ
民間企業の社員に個人情報流出事件に刑事罰を科す、個人情報保護法の改正案を自民党が検討していることについての社説です。

現行の個人情報保護法は、大量の個人データを扱う事業者を規制する法律で、情報を漏洩させた実行行為者を直接処罰する規定はない。
法の制定後も、社員らが大量の個人情報をコピーして持ち出す事件は後を絶たないが、警察は捜査に動けず、抑止効果も期待できないのが実情だ。
流出した情報は、振り込め詐欺や架空請求などにも悪用されている。大量流出の場合、企業が情報の被害者に配る謝罪の金券なども巨額にのぼる。
法律に「隙間(すきま)」があることは以前から指摘されていた。犯罪の“張本人”を罰する規定は、やはり必要だろう。相次ぐ事件に歯止めをかけるためにも、早めに対処すべきだ。
ただ、処罰規定を設ける際には、構成要件などに慎重な配慮がほしい。
ようするに刑事罰は必要だという社説なのだが、現時点では個人情報流出事件のかなり多くが事故です。

コンピュータ犯罪の白浜シンポジウムでの報告では3割が盗難、置き引き、車上荒らし、置き忘れなどとのことですからこれらに刑事罰を科して流出事件が減るものでしょうかね?
この数字は報道のデータによるものですから、子細に調べると犯罪的に個人情報が流出した事例はもっと減るかもしれない。

確かに法的には問題かもしれないが、その多くは個人情報保護法が個人情報に重要度などを全く評価しないから、という面も多く流出事件の報道で「クレジットカード情報は出ません」とかになっているのは、実態としては情報の重要度が問題だとしていることの反映でしょう。

個人情報保護法の「個人情報とは」が現状のままで刑事罰を科すとなると「名刺を落としたから警察に来い」ということになるわけで、これはどう考えても無理です。
つまり、個人情報保護法の「個人情報の定義」を変更しないと刑事罰を科すことは無理だろうと思うのですが、読売新聞の社説はそこまで検討している形跡を感じさせませんね。

6月 17, 2005 at 09:44 午前 セキュリティと法学 |

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