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2005.04.01

個人情報保護法完全施行日です

個人情報保護法完全施行日に合わせて日経新聞と産経新聞が社説を出した。
日経新聞の社説は「個人情報保護対策へ内部管理の徹底を」と題し、産経新聞の社説は「個人情報保護法 適切なルールとマナーを」となっている。
3月31日付けで朝日新聞の社説は「私の情報 大切に扱われたい」となっている。法律的な事実関係の解説は変わりようがないのだから、いわば社説のトーンの問題になるのだか、そういう細かいところを比べてみると。

日経新聞

今後は民事上の賠償責任だけでなく、刑事責任も問われるようになる。欧州などに比べ、日本は個人情報保護に関する法制化が遅れてきただけに、法律の順守を国を挙げて徹底する必要がある。外部からの不正アクセスもあるが、個人情報保護対策でまず重要なことは従業員の人事・労務管理にあるといえる。問題を起こした企業の多くは必要以上に従業員にアクセス権を与えていた。

産経新聞

パソコンやインターネットの普及で大量の情報を瞬時にやりとりできるようになったことから、個人の氏名や住所、eメールアドレスなどの「個人情報」が悪用される被害が相次いでいる。だが、大量の個人情報が勝手に集められ、取引され、改竄(かいざん)までされる事態はこれまで想定されていなかっただけに、ルールもマナーもきちんと整備されているとはいえない。一方で、データベース化された個人情報は生活に大きな利便性をもたらすツールでもある。その便利さを放棄することも現実には不可能だ。

朝日新聞

自分のどんなデータを持っているのか、業者に情報の開示を求めることができる。本人の了解を取らずに集めたような違法な情報であれば、消させることもできる。とくに注意が必要なのは思想信条や宗教、本籍地、犯罪歴、病気など個人のプライバシーと深くかかわったり、社会的な差別につながったりするような微妙な情報の取り扱いだ。こうした情報について法律には明記されていない。自分や家族の情報が名簿のような形で売られている。知らない間にインターネットで流されている。大切な情報が不当に使われているのではないかと不安になる出来事が少なくない。

まぁ社説といえども総花的な表現になっているのは残念な印象であるが、それでもこれだけ方向の違う見解が公表されるというのは個人情報保護法に対する共通した見解が社会的にまとまっていないことの証拠であろう。
3新聞社の社説が間違っているということは無く、タイトル通りに個人情報取扱事業者として「内部管理が重要」だし、名刺一枚の紛失でも届け出るのか?に代表されるような「適切なルールが社会的に合意されていない」のも事実だ、その一方でシュレッダーがムチャクチャに売れているといったこと代表される「個人が個人情報を管理することが大事」という傾向もある。
はっきり言えば朝日新聞の社説はいささか個人情報保護法を誤解させる方向ではないか?という疑問も感じるが、世の中の一般的な理解として多数なのであろう。それくらい理解しにくい法律であるし、当初の立法予定から大幅にずれてしまったのは間違えない(当初通りの方が良いという意味では無い)。とりまとめると非常に中途半端で社会的な合意を高めることが一番重要なのだろう。「

4月 1, 2005 at 09:45 午前 セキュリティと法学 |

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コメント

酔うぞさん、ごぶさたしております。yuu2です。

 これまで悩み、思案したことが、各社のホームページで公開され、まるで試験の発表か、答案回答を見るようで、わくわくしながらWeb検索しています。
 金融業界がすすんでいますね。

投稿: yuu2 | 2005/04/03 2:28:17

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