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2004.10.23

日米牛肉輸入問題次官会議一応終了

日経新聞より「日米BSE協議、米産牛肉輸入早期再開で一致」

BSE(牛海綿状脳症)の発生で輸入禁止が続く米国産牛肉の問題を話し合う日米の次官級協議が23日午後、終了した。BSE検査などに関する問題がクリアされれば、早期の輸入を再開するという点で意見が一致した。ただ、対立点となっていた月齢判別の問題は今後協議を続けるとした。日本はこれまで輸入再開の条件として全頭検査を求めていたが、食品安全委員会が9月に「全頭検査を緩和しても病気に感染するリスクは増えない」とする報告書をまとめた。これを受け、日本は国内措置の見直しを決め、米国にも全頭検査を撤回して若い牛は検査なしで輸入を認めることにした。

この会議、昨日で終了の予定がまとまらないので、一日延びたのだ。もともとはアメリカが「日本の全頭検査は非科学的である。その根拠は異常プリオンの蓄積が生育期間によるのだから月齢の若い牛は検査しなくても安全である。」
と主張し日本は検査基準を月齢20ヶ月未満の牛には適用しない。と決めたのだ。
ところが実際に交渉に入ったら実はアメリカの牛は月齢管理をしていないから、月齢20ヶ月以下の牛の保証が出来ない。のだと言う。どこが「科学的」なんだ?単なる野放しではないか。まぁ「この牛肉はBSEの危険があります」とか表示して売れば科学的なのかもしれないが・・・・。

10月 23, 2004 at 03:49 午後 医療・生命・衛生 | | コメント (0) | トラックバック (0)

続・韓国盧武鉉政権はどうなる?

韓国の朝鮮日報・中央日報・東亜日報の3新聞社の記事は日本語で読むことが出来ます。
憲法裁判所は政府の決定した首都移転について違憲であると判決したが、政府与党は判決には反発している。そこで新聞3社は社説で政府批判を展開している。
朝鮮日報「憲法裁の決定不服は国憲を乱す行為だ」中央日報「憲法裁決定に即時承服するように」東亜日報「首都移転違憲決定に反発するのは正しくない」、ところが東亜日報の記事によれば「「憲法裁判官を弾劾」政府与党、違憲決定に真っ向から反発」となっている。

ウリ党の忠清北道(チュンチョンブクド)地域国会議員9人(比例代表1人を含めて)は22日、忠清北道庁で記者会見を開き、「新行政首都建設特別法に対して違憲決定を出した憲法裁判所長や裁判官に対し弾劾案を発議する計画だ」と発表した。

では政府与党は憲法裁判所を軽んじているのか?というと大統領弾劾の時には憲法裁判所の決定を尊重すると言っていたのだから、新聞も野党も反発している。
一方で、移転先であった忠清(チュンチョン)地域では経済的に深刻な問題に発展しそうである。朝鮮日報の記事「忠清圏不動産開発に資金提供した銀行に「大波」」

忠清(チュンチョン)圏一帯の不動産開発と関連、多額の資金をプロジェクト・ファイナンシング(PF)に提供した銀行が首都移転の中断で大きく揺れている。2003年以降、金融機関が新行政首都付近の不動産開発に投資した資金は5144億ウォンに上った。全国で投資された不動産開発のため資金(5兆8000億ウォン)の8.8%に相当する金額。不動産価格は暴落するほかなく、結局、銀行界の不良化は避けられない状況だ。

韓国の総人口は4700万人(2000年)で、ソウルに1000万人、首都圏では2100万人が住んでいます。首都圏に全人口の45%以上が集中しています。 これが首都移転計画が出てくる理由ですが、日本でも首都移転に反対するのは東京都であるように、ソウルは基本的に反対することになります。そしてその人口が全人口の45%というのは、大変な圧力になるわけで簡単にどうこう出来るものでは無いでしょう。どうも盧武鉉政権は強行的な政策運営が多いと感じてしまいますが、今回は政策によって土地投機をあおりそれが一気に不良債権化することになりかねないわけで、より注目する必要があるでしょう。

10月 23, 2004 at 11:15 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.10.22

韓国盧武鉉政権はどうなる?

韓国の憲法裁判所は盧武鉉政権が決定した新行政首都建設特別法を違憲とした。
この結果、新行政首都建設特別法は停止つまり首都移転計画は中断となった。
韓国・朝鮮日報によれば「忠清圏の不動産市場は「パニック」」

行政首都建設の中断で投資家が一斉に物件を手放しにかかり、売り物件が続出、価格も急落している。買い注文も入らず、取引が長期間中断される可能性が高い。 2年で不動産価格が5倍以上に=2002年末に行政首都移転作業が開始され、忠清圏の不動産市場には全国から投資家が集まったことで、不動産価格はあっという間に急騰した。
忠清南道地域の土地の値段は昨年1年で4.81%上昇し、全国平均(3.43%)より40%以上、高い上昇率を示した。今年も上半期に7.17%上昇、全国平均(2.47%)の3倍を上回った。 とりわけ、行政首都の移転先とされていた燕岐(ヨンギ)や公州(コンジュ)地域は今年それぞれ16%、6%と暴騰した。燕岐郡・南面一帯は、2年前に1坪3万~4万ウォンだった農業振興地域の農地が10万~15万ウォンに急騰した。

盧武鉉政権がかなりの強権的な政治手法を使ってきたことは、韓国・朝鮮日報の記事「与野党、「4大法案」めぐり全面対立」に象徴されている。

与党が推進中の国家保安法廃止や過去史の真相究明、私立学校法改正、マスコミ関連法など争点となっている4大法案をめぐる与野党間の理念対立が、本格化している。

国家保安法は主に朝鮮戦争の停戦(終戦ではない)後の秩序維持のための法律
でこれを廃止しようというものだが、検事総長が反対意見を出している。

過去史真相究明というのは、どうも公職にある人物などの過去を調査・公表する権限を与えるという法律らしく、結局は先代・先々代がどういう政治姿勢であったかを問題にするらしいです。先々代では主に日本領だった時にどうであったか?を問題にするでしょうが、それでどうなるの?というのが個人的な感想です。

私立学校法改正は、私立学校の運営に法的に介入の度合いを強め、経営母体の権限を縮小するという法律です。

マスコミ関連法は強烈で、新聞社のシェアを制限するというものです。韓国・朝鮮日報社説より「批判新聞への仕返しなのか」

新聞社1社の市場シェアが30%以上だったり、上位3社のシェアが60%を越えれば、公正取引法の「市場支配的事業者」とみなし、規制できるようにした条項からして、世界で類を見ない発想である。
フランスや日本、英国の3大新聞社のシェアはそれぞれ85%、81%、 74%に及ぶが、どの国でもマスコミに立法の斧を振りかざしたりはしない

この4大法案が20日に国会に提出されることになっていましたが(結果はよく分からない)21日に憲法裁判所が首都移転について違憲の判決を出しました。盧武鉉政権は、これまで政権に批判的な言動については弾劾か?といった逆の圧力をかけることで、強行的な政治手法を採用しその一つが首都移転でした。
首都移転についても「もっと議論すべき」といった意見がある中を「時間切れ」といったことで、強行したと言えますが今回それが憲法裁判所によってひっくり返されたと言えます。

もっとも野党ハンナラ党の朴槿惠代表が首都移転が中止になったことについて「前回の第16代国会で関連法の通過に協力したことを公式謝罪した」というのですから、なんとも混乱状態というべきでしょう。
今回の違憲判決は盧武鉉政権にどの程度のダメージになるのか分かりませんが、ちょっと韓国政局は目が離せないでしょう。

10月 22, 2004 at 11:25 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2004.10.20

プリペイド携帯電話の禁止法案だと

朝日新聞より「プリペイド携帯の販売禁止法案、与党が議員立法で検討」

法と常識の狭間で考えようさんの記事「プリペイド携帯電話の販売禁止は妥当か?」問題提起されていたことである。

与党は20日、プリペイド(料金先払い)式携帯電話の販売を禁じる法案と、インターネットなどでの預金口座の売買を禁じる法案を今国会にも議員立法で提出する方針を決めた。携帯電話各社は、プリペイド式携帯の販売時の本人確認を強化しているが、一部店頭では不十分だったり、転売が絶えなかったりしているという。与党は新法で、一定の告知期間を置いたうえで、プリペイド式携帯の販売を規制することを盛り込む考えだ。警察庁も携帯各社に対し、携帯の第三者への譲渡を禁止するよう求めている。

こんなことを法律にするとはバカじゃないか?としか言いようがない。

要するに匿名携帯電話が犯罪に使われ場合に追跡出来ない場合があるから、その一つの原因であるプリペイド携帯電話を禁止するという原理だろうが、どこをどう繋ぐとそういう話しを理論立てることが出来るのだ?

この手の何かを禁止するというのは「他の用途はほぼあり得ないから禁止出来る」という理屈はある。代表が拳銃などの所持規制である。だから刃物については刃の長さや用途で規制している。

そこでプリペイド携帯電話であるが、携帯電話の利用者が追跡出来ないということなら幾らでも可能性はあるだろう。会社支給の電話の横流しといったことも想定できる。

つまり先に書いた「他の用途はほぼあり得ないから規制出来る」という原理になるのか?という問題になる。
それに第一、携帯電話の料金支払いの方法を法律で規制出来るものなのか?この話は「携帯電話の使用者以外が契約してはいけない」ということになってしまうのではないか?

こんな法律が成立するようなら国会議員のバカさ加減を世間に知らせることになる。

一方、日弁連「プリペイド携帯:契約時の本人確認 日弁連が総務省に要請」を出した。毎日新聞より。

プリペイド(料金前払い)式携帯電話について、日本弁護士連合会は20日、本人確認の徹底などを求める意見書をまとめた。近く事業者を監督する総務省に郵送する。(1)新規契約時だけでなく、既存の契約についても本人確認し、確認できない場合は契約を解除する(2)犯罪に使用された場合、利用を停止する--などの行政指導を求めている。

こちらの意見の方がよほど妥当だろう。

10月 20, 2004 at 11:32 午後 セキュリティと法学 | | コメント (5) | トラックバック (1)

三菱・リコール対策の人員をやっと増強

日経新聞より「三菱ふそうのリコール対策、整備要員5000人に増強」

三菱ふそうトラック・バスは20日、遅れが指摘されている一連のリコール(無料回収・修理)案件の安全対策を促進するため、販売会社の整備要員を約5000人(通常時は約3000人)に増やすと発表した。
事故多発が明らかになったバスのリコール対策を促進するため、販社には約110人の専任チームも派遣する。
三菱ふそう本体から10月中をメドに300人を追加して派遣し、本体からの応援要員を約450人に増やす。整備工場を中心とする市中の協力工場からも700人の支援要員を受け入れる。

今頃になってどうしてこういうことになるのか想像出来ない。

抽象的な表現をすれば、市場にリコールが出来ていない車がある間は新車は売れないと思っても構わないわけで、それであれば全工場を操業停止にして作業員を一斉にリコールに投入しても良いわけだ。
これは「極端だ、現実離れだ」と反論されるだろうけど、後から2000人投入できるのであれば、同じ事だろう。
それをしなかった。これは戦力の逐次投入という戦略的には負けのパターンである。

戦力の逐次投入とは「やらないよりマシだろう」といった考え方で、本来の目的である「勝つ」「負けない」といった大きな視点ではなくて「この場面で取れる対策は何か」という自分の都合だけに注目した時の行動である。
その結果は傷口を広げる。

わたしは三菱(ふそう)の大型車の欠陥は設計にあると思っているから、正しい戦略とは「対象車両を市場から回収して廃棄する」になると判断している。さすがに三菱(ふそう)ではこれは選べないと思うが「じゃあどうする?」というレベルの問題になっている。  

そこで「やらないよりマシ」とやっているのかもしれないが、それでは自然に市場から対象車両が消えるまで問題は残ることになって、下手すると20年掛かりとかになりかねない。
もちろん「新型車投入。下取り大幅アップ」とかで積極的に市場から旧型車を回収するといった手もあるわけで、三菱(ふそう)の一番の問題が戦略的視点の欠如にあることは、今回の「対策」に現れている。

10月 20, 2004 at 10:42 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

堤会長、売却にあたって説明せず

朝日新聞より「西武鉄道株、堤氏が8月に売却打診 複数企業の幹部へ」

筆頭株主であるコクドの堤義明前会長が、事実を公表する前の8月下旬、グループ外の複数の企業首脳に対し、自ら西武鉄道株の売却を働きかけていたことが分かった。

これの何が問題か?というと日経新聞より「西武株売却で重要事実説明せず」

コクドが公表前に西武株を相対取引で大手ビール会社などに売却、その際に購入企業は上場廃止基準の抵触など重要事実の説明をコクドから受けていなかったことが19日わかった。内部者(インサイダー)取引にあたる可能性もある。西武株は公表前より4割強下落しており、「(損害賠償などの)訴訟を検討する」(購入企業幹部)という企業も出ている。

では売却を持ちかけた企業にどういう説明をしていたのか?は朝日新聞によると

堤前会長は売却の理由を明らかにせず、「詳しいことはグループ会社の幹部に説明させる」としたという。しかし、この幹部からも詳しい説明はなく理由も抽象的だったため、首脳らは株購入を見送った。別の大手企業の首脳にも8月下旬ごろ、堤前会長から株の買い取りの依頼があったが、「理由がよく分からない」として購入を断ったという。

問題は西武鉄道株をコクドを代表とする支配的な株主の保有率が上場基準に反するほど高いために、上場廃止を防ぐために売却する必要があった、その説明をしなかったということで、いわば貧すれば鈍するを絵に描いたような話しらしい。実際に売却したのは7000万株とされるので、金額としては1000億円程度だった計算になる、これが20日前場では420億円程度とざっと600億円の損害を与えたことになります。

10月 20, 2004 at 10:59 午前 経済・経営 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2004.10.19

JASRAC CCCD 製造停止に不満を表明

INTERNET Watch の記事「JASRAC、CCCD廃止の流れに疑問を提示~船村徹会長ら新役員が会見」なるものがありました。

レコード業界では、著作権保護意識も高まり、一定の成果があったとしてコピーコントロールCD(CCCD)廃止する動きがあるが、この点について JASRACでは「(著作権保護の)認識が高まったから、あるいは当初の目的を果たしたからCCCDを止めるというのは、苦渋はわかるが、JASRACではそうは思っていない」(加藤衛常務理事)と疑問を示した。

要するに JASRAC は CCCD を継続するべきだと言いたいわけです。

これについて Modern Syntax さんは「JASRAC、CCCD廃止の流れに疑問を提示」の記事の中で

一番の問題はこうした権利関係を管理しているのが現実問題としてJASRACしかないことであり、ある種、独占的に方針が決められ、それを押し付けられるという現状を改善すべきかと。
アーチストがJASRACから離れないことには話は始まらないので。

と述べています。基本的には全くその通りなんですが、レコード会社が CCCD を止めるのは配信ビジネスが始まってしまったこと、CCCD を出してみたら原因が CCCD だけではないかも知れないが CD の売れ行きが下がってしまったこと、でありましょう。
要するにレコード会社にとっては売れないのではやってられん、という当たり前の話です。

では JASRAC の言い分を拡大してみるとどういう事になるのか?手始めに JASRAC の主張はこうです。

ファイル交換ソフトなどによる違法コピーへの対応を強化することがあらためて示されたほか、PCでの複製やiPodなどHDDプレーヤーへの転送など、現行法で想定していない利用を想定した私的録音補償金制度の見直しも要望していくとしている。

要するにレコード会社が商売になろうがどうしようが知った事じゃない、権利を守るためには何でもやるよ、ということですね。
だったら、誰も聞けないように金庫にでもしまってしまえばよい。
特許の世界では意図した場合、意図しない場合の両方がありますが、権利をはっきりさせたために、使われなくなった技術というのはあります。
権利保護と知的財産の流通というのは、それなりにバランスを取ることが不可欠で、権利保護の究極の形は流通の禁止であります。
それじゃレコード会社はついていかない、CCCD の製造停止とはそういう問題なのであります。

10月 19, 2004 at 05:33 午後 経済・経営 | | コメント (2) | トラックバック (1)

2004.10.18

原油高騰の解説

日経新聞社説より「新タイプ“石油危機”と世界経済の不安」

今回の価格急騰の背景には、世界的な石油製品需要の構造変化があることにも注目したい。ガソリン、軽油の消費量が急増する一方、重油の消費が減る現象だ。

なるほど、と感じる。
電力や船舶の燃料として重油が使われていたが、電力では天然ガスにシフトするといった重油の使用量が減っている。その一方でガソリンを使用する自動車は増えているから、ガソリンの使用量は増えていて原油の産地別の価格に差が付いたということか。
しかし、それだと経済指標としては、天然ガスなども見ないとまずいわけで、原油価格についても一方だけを見ていてはダメだということか?

自動車の燃料としてヨーロッパでは軽油をディーゼルで多用している、日本はディーゼルは規制する方向であるが、ヨーロッパは積極使用している。これもガソリンの使用比率を下げる方向になっているのだろう。

頭を使った対応が必要だが、水素の使用を積極的に進めるのが一番だろう。というのは、実は水素は現在かなり余っているというのだ。化学・鉄鋼などで中間生成物として水素が大量に発生する。それを現在は燃やしているというのだが、燃料電池用に外販すればメーカとしても収入増になることになる。
もう一つは、発電機を住宅などに付けてしまうことの推進だろう。

電力の困ったところは、貯めておくことが出来ない点であるが、ガスは貯蔵可能である。そこで住宅にガスを燃料とする発電機を付けてしまうと、電力が不要の時にはガスを使わないとなる。さらに実は長距離高圧送電のロスという問題も大きい。技術的なロスもあるが、メンテナンスが大変という問題も当然ある。無制限に電力送電のレベルを高めるのはムリであることが見えてきている。

実際には、長距離送電、ガス発電、太陽光発電の組み合わせといったことになると思うが、エネルギー需要に柔軟に対応するためにはヨーロッパで乗用車のディーゼル化を進めているように、多様化が一番であろう

10月 18, 2004 at 09:50 午前 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (1)

2004.10.17

ロースクール志願者激減?

ロースクール問題で取り上げた、法科大学院卒業者が司法試験に合格する可能性が当初の予定の7~8割から30%台に落ちるという予想が出たことで、朝日新聞に次の記事が出た「法科大学院の志願者激減 新司法試験の合格率懸念?」
ビートニクスさんがコメントした通りになったと言える。

ただ、仕事を辞めて新司法試験を目指そうという人たちにとっては、厳しい現実を知らせることなった訳で、「賢い」社会人は、来年以降ロースクールには行かなくなるように思いますね。

朝日新聞の記事でのこの現象への説明は

・「課題や合格率の厳しさが漏れ伝わり、社会人は様子見をしているのではないか」
・「当初、新司法試験には法科大学院出身者の7、8割が合格するとされたが、今では2、3割とまで言われている。仕事を犠牲にして法曹を目指すにはリスクが大き過ぎる」
・都内の女性会社員(25)は悩んだ末、法科大学院の受験をやめ、働きながら現行の司法試験を目指そうと予備校の講座を申し込んだ。「法科大学院を修了しても、必ず弁護士になれるとは限らないなら、最短距離の現行試験にかけてみようと思って」
・「法科大学院の3年は長いし、授業料も高い」などとして、現行試験を目指す人は多い
・文科省専門教育課の専門職大学院室は「初年度は、それまで待っていた人が一気に受けたと考えられる。数年すれば志願者数も落ち着いてくるのでは」

となっていて、総じて常識的な判断をしていると言えよう。このような敏感な判断をする人たちが法曹界に入ることは良いことだと思う。

一方で、司法修習生の生活費を給与から貸与にするという法案が提出されるが、期間が1年半であるから、年間300万円として450万円である。これを給与から貸与では、相対的には900万円差となってしまってあまりに格差がひどすぎるというべきだろう。
半分とか1/3を貸与にするといったところが妥当ではないかと思う。
一方で、ロースクールにお金が掛かるから・・・という論もこれまた乱暴に過ぎている。ロースクールにはお金が掛かるから国が出すべきだ、とも取れる。

国民つまり司法従事者のサービスを買う消費者にとっては、適度にバランスが取れたところで優秀な人材が法曹界に競争して入る形であることが一番望ましい。そのためには、競争意欲を失わせるような過度な競争も、誰でもなれるといった競争の事実上の撤廃もどちらもダメで、あえて言えば非常に厳しい競争になるべく多くの参加者があるような形が一番良いだろう。

次回の志望者の動向によって、ロースクールが有効なのかどうかが確認できるだろう。

10月 17, 2004 at 10:54 午後 セキュリティと法学 | | コメント (4) | トラックバック (0)

続人口問題

週刊!木村剛さんの記事「日本は高齢者天国なのか?:48%対3%」にトラックバックした「人口問題」には「辺境からの遠吠えのhasenka」さん、「新佃島・映画ジャーナルの服部弘一郎」さん、「名梨」さんからなかなか重々しいコメントをいただきました。

「名梨」さんが

お三方と同じく私も、一定の国土に対して適正人口ってもんがあるんじゃないの、と考えます。そして、運命論的な言い回しになってしまいますが、この事態は適正値への「収れん」でしょ、と。

とまとめられていて、それは異存がないところです。
わたしの考えでは、現状が変化することを「大変だ」というのは簡単で、「辺境からの遠吠えのhasenka」さんのコメントの通り

増えても減っても問題になるのだからいつだって問題は無くならないですね。

と喝破している通りです。増えても減っても問題なら減ることそのものが問題では無いのは明らかでしょう。と言いたいです。

この現状が変化することを大変だというのがいつの時代でもあって、大学入試センター試験を実施するかと議論してころには「試験制度が変わる」と大騒動でしたし、今は郵政公社の民営化で大騒動です。

人口問題が慢性頭痛のように重苦しいのは、ラジカルな変化は起こしようが無いことと、それゆえに変化までの時間が数十年単位になってしまうことにあるでしょう。

では、週刊!木村剛さんの記事「日本は高齢者天国なのか?:48%対3%」は何を問題にしているのか?というと、結局は曲がり角を問題にしているのではないだろうか?と思います。

簡単に言ってしまえば、日本は人口純増から人口純減に曲がるわけで、その曲がり角をどうするのか?ということでしょう。
これは確かに痛いことになる可能性はあります。

それと、長期的に人口減になることで人口増になる国と国の質が変わるという問題について、人口増になる国のようでないから良くない、というのは言うだけムダじゃないだろうかと思うのです。
純粋に経済成長だけを意識すると、人口増であるアメリカの方が将来の経済成長の展望は明るいでしょう。
それは間違いなくアメリカを経済上の大国の位置に維持し続けるでしょう。しかし、それがアメリカ国民一人ひとりの幸せに直結するかは、アメリカ政府の腕前によりますし、今でもアメリカ国民の一人ひとりについては不安な要素は多いと言っても間違えではないようです。

こうして見てみると、人口減少問題あるいは少子高齢化問題とは人口が減少した社会や高齢化した社会が今の社会の延長線にではなくて、隣に突如して出現したらどうなるのか?といった視点での問題化であるように感じられます。そういう未来のことがだんだんと近寄ってきたから問題にしているのであって、そうなってしまった未来の社会からの視点では無いのですね。

10月 17, 2004 at 02:10 午後 人口問題 | | コメント (0) | トラックバック (2)

BSE対策に読売新聞社説が反対しているのだが

読売新聞社説より「畜産族議員が再び押した横車」

政府がBSEの新たな対策をまとめた。現在の全頭検査を改め、生後二十か月以下の牛について、検査を免除する方針を打ち出した。
問題は、全頭検査の継続を望む地方自治体に対し、費用の全額を、政府が三年間にわたって補助することが付け加えられたことだ。

これの何が問題なのか?と直感的に感じるのだが、読売新聞社説はいろいろな事を言っていて、はっきり言って意味不明に感じる。

・大半の自治体が検査を続けたいと希望するのは確実だ。
・国産と輸入品で安全対策が違う「二重基準」を政府が作り出すことを意味する。
・検査済みの国産と、未検査の米国産が混在する事態が生じよう。
・全国の食肉売り場が混乱する恐れが出てきた。
・全額補助となれば、全頭検査の継続に、国がお墨付きを与えるようなものだ。
・国際的にも誤解を与える、こうした過剰対策は、直ちに撤回すべきである。

はぁ?である。過剰対策かどうかは市場が決めることだろう。読売新聞が決めることか?前段に挙げている問題点の指摘は「過剰対策として撤回せよ」に繋がるとは読めない。それを後半で説明している。

自民党の族議員が畜産業界の意向を受け、横車を押した。BSE発症時の行き過ぎた業界対策が、補助金不正受給という不祥事を招いたことを忘れたのか。

なんかおかしくないか?
確かに族議員がロクでもないことをやった。その結果として食肉会社が潰れたりしている。しかし、それが検査をする・しないという程の問題なのかね?
第一、牛丼の吉野家が赤字であるとか、焼肉店が2000軒も閉鎖したといった経済的な大混乱が起きているが、消費者は「米国産牛を早く輸入しろ」とは言っていない。つまり現状を是認している。
今回の対策は「これでは価格高騰であるから米国産牛の輸入を進める」ための対策を出した。という意味だろう。
一方、国産牛については産地が「全頭検査してます。安全です」と宣伝するのは当然だろう。それが「国際的に誤解」ってどこが誤解なのだ?
単に補助金が付くのがけしからんといことなら分かる。
なんで「二重規準がいけない」となるのだ?全然理解不能である。

自由経済においては、二重規準どころか多重規準であるのは当然である。
読売新聞の社説の方が「護送船団、全国一律」といった今では通用しなくなりつつある価値観の墨守が必要だと言っているように見える。

10月 17, 2004 at 12:04 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (3)