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2004.01.10

LGカード、危機を切り抜ける

韓国の大手クレジットカード会社LGカードの危機が救われたようです。
韓国・中央日報「LGカードが劇的回生…10日からキャッシングサービス再開」との記事を9日付で掲載した。ところが、前日8日には「LGカード、キャッシングサービスをまた中断」とのという記事が出ていたくらいの、ピンチでした。。
ここ一週間ぐらい世界的なニュースのレベルになっていてBBCがビジネスニュースで詳しく現地取材をしたほどでした。
韓国は1997年のアジア通貨危機でいわゆるIMFショックを経験しています。
これは、完全に貿易決済資金が不足してしまって、企業で言えば倒産状態つまりディフォルト(支払不能)宣言を出すかどうか?という状況まで追い込まれました。
BBCによれば、この時の経験で韓国内での消費セクターの成長の必要性を感じた政府が、政策として個人にクレジットカードの所有を勧めたのだそうです。

その結果、個人のクレジット破産や踏み倒しなども多く、大手クレジットカード会社のLGカードが多額で、かつ回収の見込の無い不良債権を抱え込んでしまった。
ということだそうです。LGと言えば有力財閥で日本でも有名な会社ですが、LGグループがサジを投げたので、銀行団などが救済に入るということになったようです。

BBCでは若い女性が「すべての銀行のクレジットカードを持っていた」とか、料理屋さんのご主人がクレジットカードで1000万円(?)の負債がある、といった過剰借り入れを反省しているというトーンの放送でした。
これが事実だとすると、韓国の消費者はクレジットカードの利用を初めとして、消費抑制に向かうのでは無いでしょうか?

1月 10, 2004 at 02:22 午後 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.01.09

東京ゼネラル事件と商品先物取引

紀藤正樹弁護士のココログ「先物取引業界の現実と情報労連の加害者性」として東京ゼネラルの破綻について詳しい記事が載っています。
東京ゼネラルという社名を聞いて分かる人は通です(^_^;)
商品先物取引の会社で東京ゼネラルといいながら、本社は福岡で商品取引会社としては大手と言われてきました。

先物取引とは、文字通り将来の売り買いを予約するものです。
予約とは言ってもキャンセルは出来ませんから、売り買いが成立した時点で将来売るのなら売るべき品物を渡す、買うのなら金額が幾らでも引き取るという取引です。
将来の価格ですから、取引としては時価ですらありません。もちろん市場価値などでもない、取引の対象には金など金属、石油類、トウモロコシや小豆など穀物、外貨や債券など、株式の信用取引も先物取引です。

単純化するために、小豆など農産物を例にします。農産物は年中出来るわけではありません。収穫期というものがありますし、収穫してみないと生産高そのものが分かりません。
しかし、需要家たとえばアンコを作るために小豆が必要というお菓子屋さんにとっては、小豆が時価ではアンコを使うおまんじゅうの価格を時価にしないとやっていけません。しかし、これではお客が納得しない。
仕方ないから、小豆が収穫する以前に「この量の小豆を引き取る。値段は関係ない」という買いの注文を出します。もちろん、実際に小豆を使うお菓子屋さんにとっては、小豆に使える予算は決まっているでしょうから、収穫が少なくて高くなると予想すれば、買う量を減らすか、製品であるおまんじゅうの値段を上げることになります。一方、もし小豆が取れすぎで価格が暴落したとすると、お菓子屋さんは小豆を安く仕入れることが出来て、原価が下がります。
では、売る方はどうか?売る方だって収穫していないのですから、「これだけの量を売る」という約束をしても、それは保証できない。しかし、よそから高く買ってくれば、量を揃えることはできる。もちろん大損ですが・・・。
こうして、小豆の価格が決まるという、価格形成能力が先物取引にはありますし、必要なことです。

しかし、この「売る」「買う」を約束するだけで、現物を引き取らない取引もあります。そして商品先物取引で儲けるとはこの、紙だけの取引のことを言います。要するに将来の約束ですからバクチに他ならないわけです。
この点、株式とか債券であれば現物をもっていることが可能ですから、先物取引でもかなり安全に取引することは可能です。

先物取引(株式の信用売買も含む)の危険性は、証拠金という制度にすべてがあります。
なにしろ、決済は先なので、取引の時点では基本的に頭金しか払わないで取引に参加できるのです。取引契約の金額は払い込んだ証拠金の何倍にもなりますからほんの少しの、買った商品や株式の上昇でも払い込んだ証拠金を原価とすると、大変な高利益になります。問題は損する時も同じだということです。払い込んだ証拠金の何倍・何十倍という損をすることがあります。

株式が比較的安全というのは、自分の手元に株式を保有しておくことが可能なので(小豆とか石油じゃ無理ですが)株券を渡せば、資産の損にはなりますが持っている資産の範囲で収まることです。商品取引ではそうはいきません。試しに1月8日の原油取引の参考現物価格は1キロリットルで2万円弱です。水なら1キロリットルは1トン、ドラム缶で5本です。それが2万円弱。現物を100万円買ったら、ドラム缶で50本。とてもじゃないけど現物は扱えません。

東京ゼネラルについてのいろいろは紀藤さんのココログを読んでいただくとして、商品取引は素人が手を出す世界じゃありません。実務家が価格形成のために「この品物は価値は?」と市場に聞くのは正しいことで必要ですが、最終的には市場全体としては損得が0になります。損した人と得した人が同時に居て、全体としては損得が0になるから、市場が形成されたと言えるのです。従って、商品取引は非常に特殊な例を除けば、最終的には儲からないのが当たり前とも言えます。逆に原料を仕入れる業者にとって、仕入れた原料では損も得もしなかった、安定した価格で仕入れていたという証拠は、その長期間の仕入れにおいて損をしたり儲けたりして、結果的に損も得も無いから公正な価格で仕入れていた証拠になるといった性格のものなのです。

1月 9, 2004 at 11:57 午後 経済・経営 | | コメント (4) | トラックバック (2)

ミッドウェイ臨時寄港その後

ボーイング777ミッドウェイ島(!)臨時寄港の顛末は、ほぼ24時間を費やして修理を行い、目的地のヒューストンに到着した。
乗客の健康などに関わる問題は発生しなかったとは言うが、最近でアメリカ大陸でも1泊とか0泊といった極端に時間に追われているビジネスマンが居ることも事実で、果たして24時間の修理時間を取ることが、顧客サービスとして許される範囲なのか?疑問を感じる。
言うまでもなく、通常の定期便の使う空港出あれば、他社便に乗り替えるなどで24時間も足止めされるということは、そうそうは無い。やはり、大洋間を飛行する民間機に双発エンジンというのは技術的にOKであっても、社会的には問題なのでは?という思いが強くする。こんなことを続けていると「もっと高くても定時運行を保証しろ」というユーザーが出てくるだろう。

1月 9, 2004 at 11:41 午前 海外の話題 | | コメント (1) | トラックバック (0)

続・SARS混とん

広東省で大陸で二人目のSRAS感染者が確認された。患者は、野生動物を提供するレストランの女性従業員とされるが、一時否定の報道もあった。WHOも現地調査に入った。
一人目の感染者とされる、フリーのテレビプロデューサーは回復して退院したとのこと。

一方、香港で広州を取材したテレビクール3人がSARS感染との報道があったが、一部報道では内2名についてはSARSでは無いと確認されたとも言う。
SRAS(新型肺炎)の病原体であるコロナウイルスの宿主としてハクビシンが危ないということで、広州ではハクビシンの大量の処分が行われたが、これについて国際社会の多くから批判が出ている。

総合的にみて、ちょっと過敏反応では無いか?という印象が強いが、前回の流行と同じ地域での流行という点には、注意する必要があるだろう。
香港と広東省では相対的に大規模な流行になったが、上海では感染者が出ていない。疫学調査の必要があるのではないか?環境問題、食生活習慣の問題などがありそうに思う。

産経新聞より
読売新聞より

1月 9, 2004 at 11:26 午前 医療・生命・衛生 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2004.01.08

珍しい飛行機のトラブル

紅海でチャーター機の墜落事故がありましたが、産経新聞で珍しい飛行機のトラブルのニュースがありました。
米旅客機、ミッドウェーに緊急着陸

ミッドウェイは太平洋戦争で有名ですが、実際の地図を見た方は少ないのではないでしょうか?こんなところです

つまり飛行場というか滑走路だけがやっとある島で、日本では式根島ぐらいの大きさで、平らなところが違います。

なんで、こんなことろに最新の大型機である777が降りたのか?
というとこれは双発なので、エンジンの一基が不調になると推力が半分になってしまう、のが問題ということですね。
安全上の問題としては軽微と思いますし、修理すればなんとでもなるとは理解出来ますが、どっかに「やっぱりなぁ~」という思いはありますね。

1月 8, 2004 at 09:44 午前 もの作り | | コメント (2) | トラックバック (1)

2004.01.05

SARS騒動混とん

台湾で研究者がSARSに接触感染して以来、二人目の患者として広州市で隔離されていた、フリーのテレビプロデューサーの感染が香港での検査の結果確認された。
その一方、フィリピンのマニラでは香港で家政婦として働いていて12月20日に帰国した女性が、SARS感染の疑いで隔離された。

さらに、一部報道では広州市で野生動物を扱うレストランの従業員の女性がSARS感染との報道があったが、広東省の衛生当局は記者会見を開いて感染に否定的な見解を示した。

予想以上に感染者が出ていると思うし、油断はできないと思う。

日経新聞
中国衛生省、広州市男性のSARS感染を確認
比保健省、新型肺炎感染の疑いで女性を隔離

CNN
広州SARS患者を確認、 フィリピンでも隔離

読売新聞
広州の女性、新型肺炎か…香港紙報道も当局否定的

1月 5, 2004 at 09:53 午後 医療・生命・衛生 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2004.01.04

デフレ・インフレ

今の日本は「デフレである」と言われ「デフレによる不況を脱却するためにインフレターゲットを設定する」などという議論があります。

基本的には、インフレとは物不足でお金を出してもモノが買えない、つまり貨幣価値が低下する、あるいは物価などが上昇する世界で、モノが足りない世界とも言えます。
デフレはその逆で、モノが余ってしまって、どんどん物価などが下がる世界と言えます。

経済学は現象を観察して理論を作る学問と言われ、過去の分析はできても将来の予測は当たらない、などとも言われます。

デフレは不況であるから、インフレにするべきだ、どうやってやるのか?という議論があるわけですが、そもそもインフレとかデフレとかを人工的に作るなどということが可能なのでしょうか?

一部では、可能あるいはデフレを終息させインフレにできる、という議論があります。

日経新聞より

自民党の中川氏、6月にデフレ終息宣言も

この中で中川秀直国対委員長は「6月ごろにデフレ終息宣言が出せ、株価も今年半ばまでに1万4000円台になるかもしれない」と述べています。
株価が1万4千円台になることが、デフレの終息と言えるのでしょうか?
確かに、株価あるいは株式市場は景気の先行指標の代表であり、企業の業績が向上すれば株価は上昇しますから、景気の好転とは言えるでしょう。
問題は、デフレ下では株価は上昇しないのか?であります。

先の説明の通り、インフレ世界は物不足ですから、モノを作る仕事が儲かります。
当然、モノを作る会社の株価は上昇します。
太平洋戦争の終戦(8月15日)の直前の一週間ぐらい前から、セメント工場の株など平和産業と言われる企業の株価がまだ戦争中にもかかわらず上がったということです。戦争が終われば復興のためにセメントが必要になるから、セメント会社は儲かる、と考えるのは当然のことでしょう。

では、デフレの世界で儲かる企業とは何か?なにしろモノが余っているから売れないのです。そのような時にも売れる商品やサービス、つまりは物珍しいモノを作ったりサービスしたりする企業は、他社に比べて売り上げは上昇するでしょう。こうして株価も上昇する可能性があります。
つまり、株価の上昇がデフレの終息では無い。
起業がデフレ世界に合わせて変革した結果という可能性の方が大きいでしょう。

その意味では、この中川氏の発言は誤解の元なのじゃないか?という気が強くします。

歴史的には、19世紀の最後にデフレの時代があり、いろいろな発明や開発が行われました。もちろん、大儲けした人たちも大勢居たと思いますが、逆に昔ながらの生産者である農民の暮らしはどんどんと困難になっていったのでしょう。そして、第一次大戦、ロシア革命と続きます。
今のデフレでもうける国として、日本はアメリカと並んで最も可能性のある国です。アメリカは巨大な消費能力もありますが、赤字の状態が続くので、日本の方が効率よく稼ぐ国と言えるでしょう。これは、特にアメリカを中心として日本にもっと高コストの国になるように、具体的には軍事費の増大を要求してくるでしょう。さて、実際にはどういう展開になるでしょうか?

1月 4, 2004 at 10:22 午後 経済・経営 | | コメント (2) | トラックバック (0)