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2004.03.06

カネボウ・その後

ワールドビジネスサテライト(WBS)土曜版カネボウその後

だいたいは報道された範囲であったし、化粧品事業については消費者アンケートでも、問題になるようで傾向は無かった。
が、解説で出てきた話に驚いた。
カネボウの経営陣が産業再生機構に支援要請を決定した時に、記者が「産業再生機構は花王を上回る金額の支援があるのでしょうか?」とインタビューしたところ「産業再生機構は国の金でやっているのだから、当然より大きい金額になる決まっています」と回答したと言うのだ。
これが経営者では潰れて当たり前だろう。

3月 6, 2004 at 11:48 午後 経済・経営 | | コメント (0) | トラックバック (0)

鳥インフルエンザ・廃棄処理が大変

日経新聞より「(3/6)鳥インフルエンザ処分対象の汚染物は4700トン

浅田農産船井農場と高田養鶏場の鶏と大量の鶏ふん、たい肥など処分対象となる汚染物が計4700トン以上にもなることが6日、京都府の試算で分かった。
浅田農産船井農場分は1羽2.5キロと換算して試算。約25万羽で約625トン。鶏ふん・たい肥は約3000トン、飼料は約640トン、卵など約260トンと推定した。

高田養鶏場は約1万5千羽で約38トン、鶏ふん・たい肥が約180トンと算出。両養鶏場分を合わせると約4740トンにも。


4700トンの有機物を廃棄するというのはただごとではないし、そもそも4700トンを動かすだけで大騒動です。
この地域では、畜産公害が問題になっていたそうで、その顛末を書いたサイトや、写真などもあります。
そのあげくがこれで、家畜伝染病予防法では半額を公費でまかなうことになっていますし、自衛隊を含む公務員の経費は事業者の費用とは計算されないかもしれません。大変なことになったものです。

3月 6, 2004 at 10:30 午後 経済・経営 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.03.05

カネボウ本体も再生?

朝日新聞より「カネボウ、「本体」でも再生機構に支援要請へ

カネボウと三井住友銀行は4日、繊維や食品部門などが残るカネボウ「本体」についても、産業再生機構の支援を仰ぐ方針を固めた。
カネボウは2月16日、機構を活用した再建案を発表。機構に対し、化粧品新会社への50%超の出資と新会社に移す負債(金融機関の債権)の額面での買い取りを要請した。カネボウは国内2位で黒字の化粧品事業の価値を5000億円と算定。新会社の資本金を1500億円とし、グループ全体で約5600億円(2月時点)の有利子負債のうち3500億円を新会社に移す案をまとめた。この案では、機構の投入額は総額で4250億円を超える。
ただ、カネボウ案に対し、民間の投資会社や政府内から「黒字の化粧品事業だけに機構がかかわるのは民業圧迫」などの批判が続出していた。
残る主力部門も、繊維が慢性的に赤字のほかシャンプーなどの家庭用品、食品、薬品部門がそろって昨年9月中間決算で赤字に転落。急速な業績回復は見込めないことから、本体についても機構の支援を要請せざるをえないと判断した。経営に影響力を持つ労働組合の関係者からも「本体も機構のもとで立て直すしかない」との声が強まっている。
機構は現在、化粧品事業の価格算定作業を急いでおり、近く化粧品新会社への支援を決定する見込み。関係者によるとカネボウが見込む5000億円を大幅に下回るのが確実だ。新会社に移せる負債も減るため、三井住友銀など大口債権者の本体に対する金融支援が今後浮上する可能性が高い。

これが、朝日新聞の朝刊の記事で、それを受ける形で今日の閣議後に金子再生担当大臣の談話が

日経新聞より「(3/5)金子再生相、カネボウ本体・化粧品の一体再生に前向き

金子一義産業再生担当相は5日の閣議後の記者会見で、カネボウが産業再生機構に化粧品事業だけでなく、本体の支援も要請する見通しになったことについて「(再生機構に)持ち込んでもらえれば、そういう対応になる」と、前向きに対応する考えを示した。再生機構は同日午後、産業再生委員会を開き、カネボウの化粧品事業に対する支援額を大筋で固める。さらにカネボウからの正式要請を待って、来週にも本体・化粧品事業を一体で支援する方針を決める。


カネボウの概略は、資本金313億円、工場が全国に7ヶ所、従業員数が関連会社まで含めると1万4千人という規模の会社です。
これで、連結売り上げが、5千億円ぐらい、有利子負債が売り上げと同額の5千億円ぐらいです。
中小企業であれば、ごく普通の倒産と言える程度の話しであって、質的に特別に問題というほどではありません。
しかも、化粧品部門が売り上げの44%であり黒字です。
つまり、他部門は単年度の売り上げが2800億円で累積赤字額が5千億という、仮定ができます。
これは、ちょっと例の無いくらい悪い数字で、これらの事業が再生できるとは到底思えません。

もし、カネボウを現時点で清算すると、千億程度はマイナスになるのではないか?とは思いますが、これは処理不可能の数字ではないでしょう。
とすると、一番大きいのは銀行が不良債権としてどう扱うかの問題であって、そのために現状は赤字たれ流しで、再生したら黒地に出来るのか?と言えば誰だって、無理だろうと思うよう方向に向かって良いものでしょうかね?

3月 5, 2004 at 06:55 午後 経済・経営 | | トラックバック (1)

カネボウ・迷走の理由

毎日新聞3月4日朝刊より「検証カネボウ迷走

毎日新聞(本紙版)にカネボウについての解説記事が出ました。その概略です。

交渉の初めの段階では、花王とカネボウの化粧品部門の統合つまり新ブランドあるいは共同事業といった内容だったようだが、花王がカネボウの化粧品事業を詳細に調べた結果、在庫がどれぐらいか分からない、という実態に花王が驚いたということもあった。
さらに、カネボウの帆足社長が両社で作る化粧品事業に花王が2500億を出資することを前提とした、中期構造改革を発表し「07年度に有利子負債を3000億に削減する」としたので、花王としては面白くない。(有利子負債は5000億と発表されている)
これらが原因で、花王は12月上旬に交渉打ち切りを通告した。この話しを進めてきたのは三井住友銀行で交渉の継続を花王に依頼して、12月中旬、花王がカネボウの化粧品事業買収案について、両者の部長クラスの検討会が開かれた。、この会議では買収となっていて、しかも花王はカネボウブランドを化粧品部門だけで独占的に使用する、という案を提示した。
つまり、カネボウブランドは花王に買収される化粧品部門以外では消滅することになる。
これに、労組なども反対し、カネボウは花王に化粧品部門を売却しないで済む方法を模索し、投資ファンドや産業再生機構との交渉を進めたが、この間も三井住友銀行は花王による買収の方針で進めていた。

産業再生機構は、小口の事業しか実績がなく、目玉としてカネボウの再生を狙っていた。そこで、カネボウが花王との交渉以外の道を探っていることを知って、カネボウに三井住友銀行を説得してくれれば、という条件付きで産業再生機構としては支援の準備があるという内諾を与えた形になったようだ。
この結果、1月29日のカネボウの取締役会で産業再生機構を活用し花王への事業譲渡はしない、決定した。それを知った三井住友銀行は取締役の切り崩しを行い、翌1月30日のカネボウの取締役会で花王による買収で一致し、花王とは2月9日発表で合意した。
これで呆れたのが産業再生機構であるのは言うまでもない。
1月31日に花王とカネボウは化粧品事業を花王が買収すると発表した。
カネボウ労組は猛然と反発して、ストライキを含む強硬姿勢を会社側に示して反対した。

この状態のままで2月12日の調印日を迎えたが、12日の午後にカネボウの副社長が花王本社を訪れて「労組の反対が強く、調印できない」と通告した。
当日になっての拒否であるから、花王・三井住友銀行とも花王による買収案は断念することとなった。
翌13日に、三井住友銀行は産業再生機構に支援要請の打診を行い。
16日に正式には産業再生機構の活用が決まった。
すでに、花王はもちろん三井住友銀行もカネボウを見放したというべきだろう。

まとめると、カネボウは主力行である三井住友銀行の岡田会長の案である花王との化粧品事業の売却ではない統合で、いわばブランド代を4000億円程度入るものとして、累積赤字をつくり出した繊維事業などの損失を埋めて債務超過を逃れることを考えていた。
もう一方で、投資ファンドや産業再生機構などから資金導入の道も探っていたのだが、問題は金額であって、たかだか300億円程度の利益しか生まない事業に5000億の値段が付くと考える方が非常識だとわたしは思う。
実際に産業再生機構が支援に乗り出したとしても、化粧品のブランド力低下はすごいものになるだろうと予想する。生産力は十分にあるのだから、生産設備を買い取る企業は出てくるかもしれないが、おそらくは1000億程度になるだろう。実際に産業再生機構が3000億とか出して、最終的に1000億しか回収できなければ、2000億の税金のムダになりかねない。
民間企業である花王が出来ることを産業再生機構が行うこと自体が、非常に良くないことで、フィナンシャルタイムズが批判しているほどある。

最後に、日経テレコン21から日経系列に出た記事のタイトルを日程順に列記してみます。

10月24日 カネボウ、化粧品事業を花王と統合、収益力活用、リストラ加速――債務超過解消狙う。
10月25日 花王が買った販売力、カネボウと化粧品統合――花王社長、世界でも戦いたい。
10月25日 カネボウ、子会社の流通在庫を圧縮。
11月20日 カネボウ9月中間、629億円の債務超過――化粧品分社し株売却、通期は解消。
11月20日 カネボウの化粧品分社、株売却益2500億円に――新中期計画、有利子負債4割削減。
11月21日 カネボウ、新中期計画発表、有利子負債、「3000億円以下」柱に。
11月21日 カネボウ株急反発、リストラの進ちょく焦点。
12月23日 花王・カネボウ化粧品統合、確定契約を延期、来月調印。
12月25日 カネボウ(3102)、統合調印延期で売り(銘柄ボード)
1月8日 カネボウ、毛布製造の子会社解散――522億円回収不能の恐れ。
1月27日 カネボウ・花王、化粧品統合、契約を再延期――家庭用品など扱い難航か。
1月29日 カネボウと花王、化粧品統合契約「今月中は困難」。
1月30日 カネボウ、国内の綿紡織撤退――不振、天然繊維を縮小。
1月31日 カネボウの化粧品事業、花王が完全買収、4000億円、出資から転換。
2月2日 カネボウ株大幅高、化粧品譲渡で財務改善期待。
2月2日 花王、カネボウの化粧品事業買収、今月中旬に契約。
2月2日 化粧品事業、カネボウ売却、自力返済迫られ決断――残りの事業再生、市場注目。
2月8日 ユニゾンが共同会社方式、カネボウの化粧品事業、投資ファンド買収提案。
2月9日 ユニゾン、カネボウへの買収提案認める。
2月13日 カネボウ、労組、花王による買収反対――交渉、時間との戦いに。
2月13日 カネボウ、化粧品事業の実力は…――今期は38%減益、流通在庫滞留も。
2月16日 カネボウ再生機構で再建、稼ぎ頭売却、社内に壁――債務超過解消狙う。
2月17日 カネボウ、迷走4ヵ月、再生機構に支援要請――帆足社長ら会見、債務超過回避。
2月17日 カネボウ再建へ5000億円――再生機構が投入へ、化粧品分離、新会社。
2月17日 化粧品事業の売却撤回――花王社長「誠実さに疑念」、突然の通告、不快感。
2月17日 東証、カネボウ株とサカイオーベ株を日々公表銘柄に指定。
2月17日 カネボウ、窮余の国頼み――再生機構、初の大型出資に、銀行に債権放棄求めず。
2月17日 化粧品事業の売却撤回――カネボウ社長「再生に責任」、当面の辞任を否定。
2月18日 カネボウ、株価反発、売買高1位。
2月18日 カネボウ混迷117日(上)役員会分裂、機能せず――対立、組合内・世代間でも。
2月18日 カネボウ再建、再生機構頼み、痛み先送り――改革鈍らす危険性。
2月19日 カネボウへ税投入残念(英FT社説)
2月19日 斉藤再生機構社長インタビュー、カネボウ資産、厳しく査定――再生可能性見極め課題。
2月24日 カネボウ社長辞任へ、再生機構支援、曲折も――経営責任問う声強く。
2月25日 カネボウ再建策、「納得しにくい」――全銀協会長。
2月27日 カネボウ迷走止まらず、一転、総退陣。
2月29日 カネボウ支援額圧縮へ、再生機構、3000億円台を検討。
3月2日 カネボウ、債権者会議開く――金融機関向け、債権放棄求めず。
3月2日 カネボウ再建、三井住友銀など、最大500億円追加融資。

3月 5, 2004 at 01:14 午前 経済・経営 | | コメント (0) | トラックバック (2)

2004.03.04

米大統領選挙・超火曜日

CNNより「AMERICA VOTES 2004 THE PRIMARIES

ここに、民主党の各候補の代議員獲得数がグラフになって表示されています。大統領候補指名獲得に必要数(過半数)は2162です。3月3日つまりスーパーチューズデー結果も集計すると現在の代議員獲得数は次の通りです。

ケリー   1557
エドワーズ  513
ディーン   182
クラーク    57

スーパーチューズデーでは全10州の選挙でケリー候補は事実上の完全勝利であり、2位のエドワーズ候補が選挙戦を降りたので民主党の大統領候補はケリー候補に決まりました。
この結果、共和党の現大統領ブッシュ対民主党のケリーの戦いとなりますが、エマニュエル・トッド著「帝国以後」に説明されている通り、現状のブッシュの政策はあまりに無理なので、いつまで続けることが出来るのか?と言えるでしょう。
それが、大統領選挙以前に顕在化すれば、ケリー大統領誕生という可能性はあるでしょうが、選挙資金力ということではブッシュ大統領が圧倒的なので、アメリカ国民から見てブッシュ政権でも改善されると判断されればブッシュ大統領の再選となりそうです。
原理的には、アメリカは貿易赤字と財政赤字であり、ドル安と緊縮財政・増税という選択肢しか無いはずですが、それでは世界経済も大混乱になってしまいます。どうなるのでしょうか?

3月 4, 2004 at 10:29 午後 海外の話題 | | コメント (0) | トラックバック (0)

鳥インフルエンザ・後始末が大変

京都新聞より「船井農場からの拡大濃厚、丹波 人、車にウイルス付着か

浅田農産船井農場とは別の養鶏場で、鶏からインフルエンザウイルス陽性反応が出た。
喜田宏北海道大獣医学部教授は「船井農場との関連性は否定できない。1件目の届け出が遅れたことで、ウイルスを封じ込められていない」と話し、同農場が鶏の大量死を届け出なかったことが拡大の一因と指摘。高瀬公三鹿児島大教授(家畜微生物学)は「まず考えられるのは、車や人がウイルスを付着させたまま、別の養鶏場を訪れたケース」と話す。2つの養鶏場を行き来した人や物が、ウイルスを運んだ疑いは濃厚という。


人員態勢限界、国に支援要請へ,鳥インフルエンザで府知事

京都府丹波町の「高田養鶏場」で、鳥インフルエンザの陽性反応が新たに出たことを受け、京都府は浅田農産船井農場での鶏の処理だけでも、人員面などで困難を極めているだけに、山田啓二知事は「現在の人員態勢は限界であり、人的支援が必要だ」とし、京都市や近隣府県を含め、農水省に総合的な支援を要請していく考えを表明した。


「悔しさにじむ高田養鶏場、陽性連絡に肩落としたと妻が説明」

京都府丹波町蒲生の高田養鶏場で、新たに鳥インフルエンザウイルスの陽性反応が出てから一夜明けた4日朝、高田社長の妻で自身も養鶏場の役員を務める茂乃さんが京都新聞社の取材に応じた。
茂乃さんによると、3日朝に鶏舎を巡回した長男が、普段より死んでいる鶏の数が多いことに気付き、すぐに南丹家畜保健衛生所に連絡した。
長男は獣医師の資格を持っており、事務所で死んだ鶏を解剖した。鳥インフルエンザの感染を示す症状は見られず、血便などの症状が出る病気と見ていた。同衛生所が正午ごろに到着する前に、さらに10羽が死亡した。
高田養鶏場は、大分県での鳥インフルエンザ発生を受けて、消毒用の洗浄機をいち早く購入し、敷地の入り口に立ち入りを規制するポールも立てて、出入りする車両の消毒などを徹底していた。28日ごろに立ち入り検査に訪れた同衛生所の職員からも「これ以上の対策はない。よくやっておられる」と言われた、という。
府からは3日午後10時ごろ、電話で陽性反応の連絡があり、高田社長や長男は「やっぱり」と肩を落とした、という。
茂乃さんは「感染経路についてはまったく思いつかない」と打ち明け、「ただ、山が近く、野鳥はたくさんいる。船井農場とも目と鼻の先の近さなので心配はしていた。鶏舎では2万羽ほど飼育しているが、他の鶏は今のところ元気にしているのに…」と話した。


東京新聞より「国に専門家の派遣要請

山田啓二知事は4日、遅れている大量の鶏処分を迅速に進め感染拡大を防ぐため、農水省などに獣医師など専門家を派遣するようを要請した。
新たに陽性反応が出た高田養鶏場に、府は飼育する約2万羽すべてを自主的に殺処分するよう求めた
自衛隊の防疫作業専門の部隊約120人が丹波町に順次到着した。地下鉄サリン事件で使われた携帯除染器も装備しており、鶏の処分が進む浅田農産船井農場や、高田養鶏場と周辺で作業に当たる。


読売新聞より「船井農場近くでカラス1羽死ぬ、衰弱も2羽
浅田農産船井農場の鶏ふんを保管する施設(約2000平方メートル)の近くで、カラス1羽が死んでいるのが4日までに見つかった。近くでは弱って飛べないカラス2羽も見つかっており、発見した作業員は同日、府に通報した。
作業員は今月2日、野鳥侵入防止のフェンスを設置中に見つけた。施設は屋根を柱が支えているだけの建物で壁はなく、野鳥が簡単に中に入ることができた。
鶏ふんは消毒用の石灰をかけたうえでブルーシートで覆っただけ。同農場周辺では、ふだんから鶏のえさを狙ってカラスが多く集まっているという


浅田農産船井農場では、出入り口近くのニワトリから先に死んだという情報があり、当初から野鳥などが出入りしていたのが原因の一つとして有力視されていた。
ウイルスは生きた細胞内でしか増殖しないということは、20万羽の鶏舎で感染が広かったことは、いわばウイルスの大量生産工場を作ったようなものである。
工業製品でも、大量生産品で欠陥商品の回収などをやると、事業が潰れてしまうこともある。そのような例からも、非常に問題が大きい。

3月 4, 2004 at 05:34 午後 経済・経営 | | コメント (6) | トラックバック (0)

2004.03.03

鳥インフルエンザ・問題は拡大

日経新聞より「(3/2)京都府、府警に機動隊の応援要請

京都府警は鶏の処分や袋詰めなどの防疫作業に機動隊員を充てることを決、3日から1日40人態勢で派遣する。また陸上自衛隊に対しても、鶏舎や敷地などの消毒作業を依頼する。


「(3/2)京都の養鶏場、鶏肉・卵は23府県に流通」

浅田農産船井農場から出荷された鶏肉や卵などはこれまでに全国の23府県に流通していることがわかった。


「(3/3)京都府警、浅田農産を家畜伝染病予防法違反の疑いで立件へ

京都府警は3日までに、府の告発があれば、感染が確認された養鶏場を経営する浅田農産(兵庫県姫路市)側を家畜伝染病予防法違反の疑いで立件する方針を固めた。
京都府も同日までに、鶏の大量死について行政への速やかな通報を怠ったとして同法違反の疑いで、刑事告発する検討を始めた
府は同法の届け出義務違反に該当する可能性があるとみており、既に農林水産省とも協議を開始。今後、弁護士らをメンバーに設置した専門家会議で通報が遅れた経緯などの検証を進める。
府は感染拡大防止を最優先させ、鶏の殺処分を急ぐため、多くの職員を派遣している。府幹部は「多大な支出を強いられ、通常業務にも支障がある。早期に法的責任の所在を明らかにする必要がある」としている。


「(3/3)鶏の穴埋め作業で20万羽処分へ」

京都府は3日午前浅田農産船井農場の北側山林で、処分した鶏を埋めるための穴を掘る作業を始めた。処分予定地は3500平方メートル以上になる見込みで、同農場で飼育されていた約20万羽もの大量処分となるため穴を二つ掘るという。


「獣医師の診断受けず」

浅田農産船井農場は鶏が大量死した際に獣医師の診断を受けていなかったことが3日、農水省の調べで分かった。
農場には獣医師の資格を持った人間はおらず、外部の医師に診断を頼んだ形跡もなかった。農場側も京都府の調査に対し「獣医師の関与はなかった」と答えているという。


「(3/3)鶏の死亡羽数、主要農場に罰則付き報告義務」

農林水産省は3日夕、緊急の対策として、一定規模の農場に鶏の死亡羽数を定期的に報告させる罰則付き報告徴求命令を出すよう都道府県に通知することを決めた


「(3/3京都府丹波町、別の養鶏場でも陽性反応」

京都府は3日、府丹波町の別の養鶏農家でブロイラー11羽が死に、簡易検査した死んだ5羽のうち3羽から鳥インフルエンザウイルス陽性反応が出た、と発表した。
府によると、養鶏農家は約2万羽を飼育しているという。


東京新聞より「鳥インフルエンザ防止策、罰則付きで報告義務づけ

農水省は3日夕、全国の主要養鶏業者に対して罰則付きの報告義務を命ずる方針を決めた。家畜伝染病予防法52条に基づく命令だが、同条項の発動は始めて。違反者には30万円以下の罰金が科せられる。
飼育規模が一定以上の養鶏業者に対して、一定期間(例えば1週間)ごとに死んだ鶏の数や死亡状況を報告させる。
家畜伝染病予防法52条は、罰則を伴う強力な条項で「伝家の宝刀」として実際に運用されなかったが、同省は「法改正によらなくても罰則付きで命令できる」(消費・安全局)即効性のある政策と判断、適用に踏み切る。


家畜伝染病予防法第52条
(報告)
第五十二条  農林水産大臣又は都道府県知事は、家畜の伝染性疾病を予防するため必要があるときは、農林水産省令で定める手続に従い、動物の所有者、獣医師、家畜の伝染性疾病の病原体の所有者、飼料の製造、輸入若しくは販売の事業を行う者、競馬、家畜市場、家畜共進会等家畜を集合させる催物の開催者又は化製場若しくは死亡獣畜取扱場若しくはと畜場の所有者に対し、必要な事項についての報告を求めることができる。

であるから、浅田農産船井農場が第52条に違反しているかどうかは争いの余地があると思います。
法の流れから言うと、

 1 農林水産大臣又は都道府県知事が必要と認めたら
2 報告を求める命令を関係者に通知
3 命令に反して報告しなかった者を処罰できる

ですから、浅田農産船井農場には報告の命令は出ていなかった。
従って52条違反にはならない
。という気がします。

一方、20万羽の埋設処分には3500平方メートルが必要とのことで、以前に800平方メートルは必要であろうと論じたが、その計算を大幅に上回ることになった、3500平方メートルとは1000坪である。小さな団地が出来る程の土地を必要とする。ということになる。

3月 3, 2004 at 11:44 午後 セキュリティと法学 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.03.02

司法改革案閣議決定

読売新聞より「裁判員制度創設など司法改革関連9法案を閣議決定

政府は2日、「裁判員制度」の創設を盛り込んだ裁判員法案など司法改革関連9法案を閣議決定した。
裁判員法案は施行を公布後5年以内としており、今国会で成立すれば、遅くとも2009年には裁判員制度がスタートする。
刑事訴訟法改正案は、公的弁護制度を新設し、起訴後の被告人に公費で弁護士をつける国選弁護人制度を起訴前の容疑者にも広げる。法定刑が最低でも懲役・禁固1年以上にあたる罪の事件を対象とする。
総合法律支援法案は、全国どこでも容易に法律サービスを利用できるように新たな独立行政法人「日本司法支援センター」を整備する。支援センターは法律相談のほか、民事事件での弁護士費用を立て替える民事法律扶助事業、犯罪被害者支援なども行う。


裁判員制度は、死刑あるい無期懲役が課される刑事事件の第一審(地方裁判所)裁判に適用されます。
裁判員は選挙権をもつ20歳以上の国民から無作為に選ばれ、国民の義務となります。
裁判官3人、裁判員6人を原則として多数決によって量刑も決定します。
オウム事件の裁判員などになったら、破産してしまいます。

3月 2, 2004 at 01:49 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)

鳥インフルエンザ・ますます混沌

長崎新聞より「4時間交代、感染農場の鶏処分3日目、作業は難航

浅田農産船井農場で続く鶏の殺処分は3月2日に作業開始から3日目に入った。
処分する約20万羽のうち、2日間で処分したのは9000羽足らず
当初10日間ほどで終えて埋める方針だったが、府職員が作業に不慣れなこともあり遅れている。この日の作業も、農林水産部などからの応援組を含め、府職員約200人が参加。浅田農産の社員や町職員も加わった。4班に分かれて進め、健康を考慮し各班の作業は1日4時間に制限した。


京都新聞より「鶏埋める掘削作業で自衛隊は「災害派遣に該当」と回答

京都府の山田啓二知事が1日、電話で掘削作業について自衛隊に部隊派遣を打診した。陸上自衛隊中部方面総監部(兵庫県伊丹市)は2日までに、「鶏の遺骸(いがい)を埋める溝の掘削については災害派遣に該当するので派遣可能」と回答した。
自衛隊は京都府から正式な派遣要請があれば、派遣に応じる方向というが、活動時期については「民間業者の作業が着手されるまで」としている。


毎日新聞より「浅田農産、大量死中に20万羽引き取り要請

浅田農産船井農場の鶏インフルエンザ問題で、鶏が大量死を続けていた最中の2月23日、浅田社長が兵庫県八千代町の鶏肉処理業者「アリノベ」(有延秀男社長)に対し、当初予定していた取引とは別に急きょ、同農場にいる20万羽すべての鶏を引き取るよう依頼していたことが1日、アリノベの有延秀棋専務が明らかにした。
船井農場で大量死が始まったのは2月20日。
有延専務によると、もともと2月25~27日に2万5000羽の引き取りを予定していた。ところが、23日になって浅田社長から「卵の相場が低落しており赤字になるだけなので、鶏を全部出して鶏舎を空っぽにしたい」と、合計20万羽分の追加取引の要望が来たという。
唐突な申し出は十数年来の取引でも初めてだったが、鶏卵相場は昨年12月から低落し、養鶏業者の倒産が相次いでいることから「浅田社長も大変なんだろう」と承諾したという。
数量が多いため、他の加工業者にも声をかけ、3月20日までかけて引き取る段取りをしたという。この日程についても有延専務側は「3月23日までに」と提示したのに対し、浅田社長は「(3月)20日までに」と求めたという。
その後、アリノベが2月25、26日に計約9900羽を引き取ったところで、27日に船井農場での鳥インフルエンザ陽性反応が明らかになった。


産経新聞より「全羽出荷と大量死とは無関係 養鶏場が謝罪会見

浅田農産の浅田秀明社長(41)らが2日、姫路市の同社で記者会見し「農場で飼育しているすべての鶏の出荷を計画したが、大量死とは一切関係ない」と説明した。
引き取りを持ち掛けられたアリノベ側は「大量死を知り、出荷を延長したかったのでは」(有延秀棋専務)と指摘していた。

浅田社長らによると、陽性反応が出る前日の26日には有延専務に大量死の事実を伝えたが、専務は「インフルエンザの解剖所見は一切見られないから大丈夫だろう」と話し、入荷を拒まなかったという。
さらに「26日夕、アリノベ側に出荷停止を申し入れたが、『枠を空けてあるから止められたら困る』と断られた」と述べた。
出荷は陽性反応が出た27日からストップした。


毎日新聞の記事では、アリノベは浅田農産から20万羽の引き取りを緊急に求められたと述べている。
産経新聞の記事では、これを受けて、浅田農産はアリノベが20万羽を継続して納入してくれないと困ると述べている。
ここまで、事実関係が相反するというのは珍しい。アリノベ側は、おそらくは極めて安く契約できたから「納入してくれないと困る」とは言ったであろう、しかし契約自体が「健康なニワトリ」を対象にしているのは明らかで、常識的に言えば、動物(魚も同じ)は食材や飼料の原材料であるから、使用に耐えるつまり新鮮で問題が無いのであれば、実際の動物の生き死には直接には関係しない。しかし、あくまでも商品として流通可能なものを対象にした契約であることは自明であり、家畜伝染病予防法で移動禁止になるような病気では無いことを出荷者は保証する義務を負って契約すると考えるべきだろう。
20万羽(24万羽ともいわれる)を飼育している鶏舎で1日で1万羽近くが死ぬような状況で、鳥インフルエンザを疑わないというのは合理的な判断とは思えない。

3月 2, 2004 at 01:27 午後 医療・生命・衛生 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2004.03.01

カネボウ経営陣の迷走

カネボウの再建が迷走していますが、日経新聞の記事検索で最近の動きを記事のタイトルで抽出してみると、

1月26日 カネボウ・花王の化粧品事業統合、契約を再延期
1月29日 カネボウ、国内の綿紡織撤退へ
1月31日 花王、カネボウの化粧品事業を4000億円で買収
2月8日 カネボウの化粧品事業買収、投資ファンドも名乗り
2月12日 カネボウ労組、花王の買収提案に反対表明
2月13日 カネボウと花王「化粧品事業の譲渡交渉は継続」
2月16日 カネボウ、再生機構への支援要請を正式発表
2月16日 カネボウ、花王への化粧品事業売却を白紙に
2月17日 カネボウ再建、再生機構が5000億円投入へ
2月23日 カネボウ・帆足社長辞任へ
2月24日 カネボウ再建策「納得しにくい」全銀協会長
2月26日 カネボウ、社長含む全取締役が辞任へ
2月26日 カネボウ、社長含む全取締役が3月末に辞任と発表
2月27日 再生機構、カネボウ再建計画見直し
2月29日 再生機構、カネボウ支援額圧縮へ


何があったのかを整理すると以下のようになります。

第1段階 花王に化粧品部門の売却でいったん合意
第2段階 カネボウ労組が売却に反対、白紙撤回
第3段階 再生機構に支援要請(売却)を決定
第4段階 周辺から、経営陣の責任追及が始まる
第5段階 全取締役が辞任を決定(放り出す)
第6段階 再生機構が支援額の圧縮を表明

現在伝わっている再生機構による、支援金額(買収額)は花王が買収する条件とほぼ同等です。つまり花王と再生機構が入れ替わっただけですが、再生機構は税金の投入ですから、そもそも民間企業である花王の出来ることを再生機構が行う理由があるのか?という根本的な疑問が出てきてしまいます。
花王への売却に対して、労組が反対した理由の一つには経営陣が全く責任を取る姿勢を見せなかったことと、黒字の化粧品部門を売却しても累積赤字を生みだした他部門をどうするのか全く対策を出さなかった。単なる大規模先送りであった、ということが理由でしょう。
それそのまま再生機構に持ち込んだものだから、世論のチェックが入って経営陣がいきなり放り出してしまった。
中小企業の信用情報であれば「代表取締役に連絡が取れず、営業停止状態」と書かれるレベルの話しです。

毎日新聞・3月1日社説より「カネボウ迷走 本当に再生機構の仕事か

優良事業のカネボウ化粧品事業を別会社化して、株式の過半を再生機構が出資する。
カネボウ化粧品事業の有利子負債だけを、額面で再生機構が買い取る。
カネボウ本体は、化粧品部門の有利子負債売却で超過債務から抜け出し、化粧品新会社の配当を債務の返済に回す。
銀行に債権の放棄は求めない。現経営陣は居座る。

このシナリオでは、カネボウ本体の再生の道筋がまったく見えない。
債務超過企業を再生する再生機構が、再生の必要がない化粧品新会社に出資し、債権を買い取るのも不思議だ。
化粧品事業の債権を買い取るだけでカネボウ本体が債務超過から抜け出せるのかもわからない。
また、化粧品事業の債権とその他の事業の債権を峻別(しゅんべつ)できるのか。
峻別できずに化粧品事業以外の債権も再生機構が額面で買い取るのであれば、公費による無原則な企業救済になる。許されることではない。

さらに、民間の花王と調印寸前だったカネボウ再建の相手が、なぜ官の再生機構に急変したのか。
カネボウ経営陣はなぜ、査定が厳し過ぎると銀行に敬遠されている再生機構が、カネボウの債権だけは高値で買うと信じたのか。
わからないことだらけだった。

3月 1, 2004 at 02:45 午後 経済・経営 | | コメント (2) | トラックバック (1)

2004.02.29

鳥インフルエンザ・後始末は大変

浅田農産船井農場の高病原性鳥インフルエンザ伝染は結局、京都府の命令で約20万羽のニワトリの殺処分および敷地内への埋設が決定しましたが、山口県阿東町での約4万羽の処分でも数日かかっており、作業期間として前後10日から2週間程度かかる可能性があるでしょう。
仮に1羽が4リッター(オイルの缶)の空間が必要だとすると、20万羽では800立方メートルが必要ということになり、厚さ1メートル程度で埋めると800平方メートル=20メートル×40メートルというプール並みの敷地が必要になります。

家畜伝染病予防法は費用の負担として、
第五十九条  国は、第二十一条第一項又は第二十三条第一項の規定により焼却し、又は埋却した家畜の死体又は物品の所有者に対し、焼却又は埋却に要した費用の二分の一を交付する。
第六十条  国は、都道府県知事又は家畜防疫員がこの法律を執行するために必要な費用のうち次に掲げるものを負担する。
一  家畜防疫員の旅費の全額(家畜伝染病(第六十二条第一項の規定により指定された疾病を含む。)以外の寄生虫病の発生を予防するために要するものについては、二分の一)
二  第五十八条第四項の評価人の手当及び旅費の全額
三  雇い入れた獣医師に対する手当の二分の一
四  牛疫予防液の購入費又は製造費の全額
五  牛疫予防液以外の動物用生物学的製剤の購入費又は製造費の二分の一
六  農林水産大臣の指定する薬品の購入費の全額(家畜伝染病(第六十二条第一項の規定により指定された疾病を含む。)以外の寄生虫病の発生を予防するために要するものについては、二分の一)

それなりの税金の投入になります。さらに拡大した範囲での消毒作業や検査作業などにも費用は掛かっているので、これは大変な事件と言えます。

2月 29, 2004 at 05:52 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (0) | トラックバック (0)