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2004.10.09

ロースクール問題

「法と常識の狭間で考えよう」さんの「ロースクールは生き残れるか?」を代表にしますが★J憲法&少年A★さん弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 「日々是好日」さんらが一斉に取り上げたのが朝日新聞の「法科大学院生にも狭き門 新司法試験、一発合格は34%」という記事です。

この情報がなんでこんな大げさな記事になったのかを法曹関係者の皆さんは取り上げているわけで、基本は「法と常識の狭間で考えよう」さんの記事

元々、ロースクールは、現行の司法試験の合格率が低く、予備校に行くなどしないと合格しないことから、大学の法学部とは別に、2年制(法学既習者向け)と3年生制(法学未習者向け)で、実務も射程に入れた余裕のあるカリキュラムを実施して、「その卒業生の7、8割は合格できる」という制度として設計されていた。
しかしながら、J憲法さんが指摘するように、昨年秋の時点で、約70校以上ものロースクールを認可した時点で、その定員数から、既に、その卒業生の7、8割は合格できることはありえないということは明らかなことであり、どうして、今頃になって、このようなことが1面のトップ記事になるのか、理解に苦しむところではある。

に集約されているでしょう。

法曹界の実務に携わっている現役の方々からはロースクールについて、BENLIさんは以前からかなり強烈に批判していましたが、その通りになりつつあるとも言えるでしょう。
確かに「7~8割に法曹資格を与える(弁護士になれる)」というふれこみで出発したロースクールですが、元々の定員が少ないのですから学校を増やしたら弁護士になれない学生が大勢出るのは当たり前です。この事について上記の実務家の皆さんは当然のこととして「だから出発点から間違っているのだ」とおっしゃっています。
代表的な意見は★J憲法&少年A★さん

仕事を辞めてロースクールに未修者として入学した人が一番大変だ。幸いにしてまだ辞めていない人は、勤めを続けながら05年ないし06年の現行試験を目指し、それでダメなら諦めるのが現実的だろう。

がふさわしいと思いますが、わたしはちょっと違う印象を受けます。
ロースクールに入学し法曹人を目指す学生は大変な情況は分かっていて当然だと思う。
「聞いてない、教えられてない」と言える立場の学生では無いはずだ。
教えられないと情況が理解できないような法曹人は、はっきり言うがいらない
単純に言えば非常識な人物という範疇に入る。

もちろん、BENLIさん(小倉弁護士)が以前から指摘しているように「法曹人になるのは金持ちだけになる」という危険はあるが、お金の問題は解決可能であろうと思う。
それよりも、判断力が弱い人間がお金を掛けて法曹人になる方が恐ろしい。

バンバン競争して、したたかに生き残るような逞しい社会をよく知っている法曹人を求めているという事実は変わらないのだから、法曹を目指す人たちには大いに苦労して欲しい。その苦労もお金が勝負を決めるということを心配するのは当然ではあるが、お金なのだからなんとかなると言えないでも無いでしょう。

紹介した実務に携わっている方々の半数は存じ上げてるし、決して甘やかせと言っているのではないことは理解していますが、記事の読み方としては仕組みを変えて甘やかせとも読める、と感じました。

10月 9, 2004 at 04:22 午後 セキュリティと法学 |

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ロースクールを卒業しても弁護士になれる可能性が当初の予定より低いとなって、ロースクールの志願者が激減した 続きを読む

受信: 2004/10/17 22:57:07

コメント

 率直なというか、厳しいご指摘ありがとうございました。
 ただ、ロースクールに入学した人は、現行の司法試験の合格率3%よりは楽に司法試験に合格できると思って入っている訳で、その程度の「打算」ができる人たちではあります。
 だから、ロースクールの学生は、朝日新聞の記事については冷静に受け止めているかもしれません。
 ただ、仕事を辞めて新司法試験を目指そうという人たちにとっては、厳しい現実を知らせることなった訳で、「賢い」社会人は、来年以降ロースクールには行かなくなるように思いますね。

投稿: ビートニクス | 2004/10/09 23:54:15

ビートニクスさん、どもども

なんかトラックバック出来ているのかどうかはっきりしませんね。

皆さん分かっているはずなのですが、別に法曹界だけではなくて、高等教育と言いますか実務教育といいますか、教育という仕組みが実社会の要求とかけ離れてしまったことが、ロースクールなどが出来る背景だと思っています。

具体的には、小学校(幼稚園からという説もある)大学・大学院まで路線を引いて、さらにその先に職業選択がある、途中から乗り替えられないし、職場自体も基本的に終身雇用というか生涯を通じて同一の仕事。
というのが日本の教育から仕事への流れでした。

簡単に言えば、機会平等ですら無い社会でした。
それはまずいだろうということで、ここ20年ぐらいで、大学の二部(夜間)には社会人が優勢になる、といった変化がありもっと平たく資格を問題にするといった社会に変化しました。

ロースクールも同じ原理であるとすると、機会平等を与えたと言えます。
大学のカリキュラムは、まるで方向違いの分野だと下手すると1年生からやり直しですが、そうではなくて「機会は与えましょう」ということだから、社会人などがロースクールを目指した。

これは当然のこととして、競争の激化なわけです。
今までは、高校大学と長い間かけてフルイに掛けてきたから、その競争が見えなかったということでしょう。
それを、いきなりフルイに掛けるのだから量は増えます。

かえってすっきりした激戦で良いのではないですか?
公立学校の教師になるのは大変ですよ。
事実上、中学生ぐらいで進路決定ですし、教員資格を取っても自宅から通勤出来る範囲での就職先を得るためには地方議員とのコネが必要とか、臨時教員を長くやるとか、になります。

こうなると、人生取り返しがつかないわけで、意地でも先生になるわけです。これはこれで、社会にとってはたまらない。

長期に渡る競争を強いるか、短期激戦を乗り切ってもらうか、という社会からの選択要求である。
と言えるでしょう。

法曹人への道も複数あって当然だと思います。
そして、結局はバランスがそれなり取れたところに落ち着くと思います。

投稿: 酔うぞ | 2004/10/10 11:45:24

 コメントへのレスありがとうございました。なかなか厳しいご意見で耳が痛いです。

 確かに、法曹への道は複数あって良いと思います。そういう意味では、現行の司法試験もずっと残して並行的に行うようになるのが理想的なのかもしれませんし、おそらく、そういう方向に進むのではないかと思いますね。

投稿: ビートニクス | 2004/10/12 3:13:36

ビートニクスさん

酔うぞの清濁併呑掲示板 http://bbs.nifty.com/nbbin/nb_wrent/bbs55630 にも同じようなことを書きました。

こういうちょっと複雑な問題については掲示板の方が良いですね。

投稿: 酔うぞ | 2004/10/12 12:18:57

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