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2004.10.15

人口問題

週刊!木村剛さんの記事「日本は高齢者天国なのか?:48%対3%」
日本の少子化による人口の推移について次のよう意見募集しています。

現在1億2000万人いる日本国は、あと20~25年くらいで1億人にまで縮むという計算になり、相当小さな政府にしないと持たないという結論になります。
そういう経済環境下において、日本経済はどう対処しえるのか、という厳しい認識を示されていました。
暗くなってしまうような話ですが、未来予測に興味のある方は、是非、明るくなるための政策私案をお寄せください。

と呼びかけているので、ほとんど私信ですが(^_^;)
人口問題・未来予測には極めて強く興味を持っています。

未来予測が占いの域を越えて注目されたのはダイヤモンド社刊「成長の限界」で、シミュレーションソフトによって「人類は21世紀を迎えることが出来ない」と「科学的に証明した」と言われた時です。

この時に使われたソフトウェアは DYMAMO で、その後パソコン用の STELA が登場して、現在もアップデートされています。

「成長の限界」では全世界をモデルにしたシミュレーションを行った結果、資源の枯渇と環境の汚染(破壊)が同時に進行して、収束しない情況になるために人類は21世紀が迎えられないという結論だったのですが、その後に批判的な立場からの研究が発表されました。

一つは、資源の枯渇=採掘可能量はコストの問題であるから、現時点での採掘可能量は価格の上昇によって増えることになる、という点。
もう一つは、食料は食事という文化的な側面が大きいから重量などで現すのはムリだという事でした。
イスラム教徒にブタを供給しヒンズー教徒にウシを供給しても食料問題の解決には明らかにならない、と書かれていました。

これら、批判的な研究や実際に21世紀に無事にたどり着いたことを含めて考えると、シミュレーションではデータを入力する人の考え方がどうしても反映するので、客観的な未来予測が基本的に難しいこと。
シミュレーションの結果は政策や経済に反映するので、改善したのかしないのかも含めて結果との照合が出来ないこと、といった根本的な問題は解決が困難です。


さて、日本の人口問題が少子化であり、人口減であることは疑いの余地が無いですが、それの何が問題なのか?という気持ちが非常に強いです。
わたしは団塊の世代なので、小学校・中学校では二部授業を経験しています。二部授業は現在のゆとり教育といった考え方で言えば論外でありましょう。しかしその「今から見ると論外のことを過去には当然のこととして実施した」という事実があります。

これを未来に向けてみると「今の判断では論外のことも、未来においてはやむ得ないこと」と是認されるでしょう。そうなると「今心配していることが問題」なのか「実際に未来において問題になるのか」という区別が出てきます。

人口減を嘆く論者は「人口プラミッドが崩れるのが問題」と言いますが、人口がピラミッド構造になっていることは、個人に還元すると天寿を全う出来ない人が大勢居ることに他なりません。これは架空の話しではあっても「全員が天寿を全うできる社会」よりも幸せなのでしょうか?

その意味では、人口ピラミッド構造から人口ビルディング構造に移行した結果として人口減になるのは当然で、ピラミッド構造になるつまり夭折する人達を補うために人口を過剰にしていた、とも言えるわけです。その調整期が今だとするなら、短期的には高齢化になり、その後に一気に人口減になることは理解できます。

結局はより良い社会とは何か?を論ずることなく、人口が減ると経済も縮小するから、人口減は良くない、と言っているとしか思えません。
唯一変わらないと言って良いのは国土の面積であって、果たして1億2千万人は日本の国土に相応しいのか、といったグランドデザイン抜きで、人口減を問題にしても、これは年金問題と同じで、幻想と現実の追いかけっこ、といったことになると思います。

10月 15, 2004 at 01:11 午後 人口問題 |

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コメント

日本の人口が1億を突破した頃からこんなに増えてだいじょうぶ?という危機感はあったと思います。そういう空気をすっかり忘れて人口減を騒ぎ出すのは… 増えても減っても問題になるのだからいつだって問題は無くならないですね。

投稿: hasenka | 2004/10/15 23:37:11

コメントありがどうございます。

>増えても減っても問題になるのだからいつだって問題は無くならないですね。

イメージとしては、スタティック(静的)に考えるが間違えではないか?
と思っています。もっともダイナミックに考えろと言われても、ムリなんですけど(^_^;)

合計特殊出生率がさっぱり理解できないのも、このダイナミックな視点を人が持てないということの現れで、発表する側の工夫が欲しいところです。
一番の問題は社会の動きの一部を切り出して議論しても、それは一部に過ぎないということを人口問題だとついつい忘れてしまうことではないか?と思っています。

投稿: 酔うぞ | 2004/10/16 1:00:40

江戸時代まで日本の人口は3千万人ぐらいでずっと安定していたわけで、それが明治以降に、富国強兵だ、欧米列強に追いつけ追い越せ、産めよ増やせよで1億人を突破するまでふくれ上がったわけですよね。そこには「人口増=生産増」という方程式があったわけです。昔の日本は製造業中心だったから……。(徴兵制の国では、成人男子が減るとそのまま兵力減になるという問題もありますしね。)

でも今はこんな方程式そのものが崩壊しているわけで、人口が増えれば生産が上がるとも思えないし、人口が減ったからすなわち生産性が極端に下がるとも思えないんですけどね。要するに「人口が減るから大変だ」と言っている人たちは、自分たちの年金財源の心配をしているだけのようにも思えます。

僕は「人口が減って大変だ」と言う前に、日本の人口が、例えば8千万人になった時の国家運営はどうあるべきなのか、人々の暮らしはどうなっていくのかという見通しが必要だと思いますよ。それがどうにも我慢ができない、やはり人口は1億人なり1億1千万人はどうしても必要なのだということになるなら、その時はじめて「じゃあ人口を減らさないためにどうしよう」ということになるような気がしますけどね。

投稿: 服部弘一郎 | 2004/10/16 10:03:42

はじめまして。

週刊!木村剛のトラックバックをざっと読む限り、年金制度と国の経済力に絡めて危機感を抱いている方が多いですね。

しかし、お三方と同じく私も、一定の国土に対して適正人口ってもんがあるんじゃないの、と考えます。そして、運命論的な言い回しになってしまいますが、この事態は適正値への「収れん」でしょ、と。

この「収れん」は、少なくとも私の専門である住まいに関して、基本的に良い方向へパラダイムシフトを促します。幾つかの懸念事項が過渡期に持ち上がるものの、最終的に多くの事物に好ましい効果が期待できます。一例を挙げれば、需給の釣合をはじめ様々な理由から家計に占める住コストが大幅に低減します。そこに生まれたお金と時間と心の余裕は、出生率の回復に大きく寄与するはずです。

なお、明らかに破綻している現行の年金制度については、他のトラックバックでどなたかが言及されている通り、数年のうちに根本的な改革が行われるでしょう(というより、行わせましょう)。国家レベルでの経済については、総量ではなく、内容の競争力向上に努めるべきです。

投稿: 名梨 | 2004/10/17 2:36:38

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