« 違憲判決をめぐってすごいことかも | トップページ | 記憶するべき日なのかも9月1日 »

2004.09.01

インターネットで発信者の信用をどう確保するか?

週刊!木村剛にトラックバックしたら大勢がみてくれましたm(_ _)m(さすがに有名人は違うな~)

インターネットの根本問題?はちょっと前から気になっていたことを大勢の方がうまく説明してくれたということがきっかけです。
しかし気になっていることはなんなのか?と言えば「インターネットで情報発信者はどうやって信用を保証するのか?」であります。

意外とこの方面についての意見がない事が分かってきました。元をたどるとどうも住基ネット問題あたりにたどり着くようです。

基本的に情報には冗長度という概念があります。余分な情報を利用して情報そのものが信用出来るのか、をチェックする仕組みのことです。一言で言えば冗長度が高いと信頼性は高くなりますが能率は悪くなります、逆に言えば能率を上げると信頼性が落ちます。

この実例が「オレオレ詐欺」や「架空請求」であります。
では例えばわたしが「わたしの発言は、間違えなくわたしが書いている」と信用してもらうのにはどんな手段があるのか?これが発信者の正当性の確認ですが、これをインターネットの掲示板などを例に考えると「会員制にするべし」となって全然「インター」では無くなってしまう。

住基ネットなどに代表される役所(経由)の情報発信については「役所がやっているから大丈夫です」というのが根底にあるとしか思えないし、「ICカードを発行するからコピー出来ないので大丈夫です」と言っている先から偽者がカードを取得したことが発覚してしまった。これではコピーが出来るか出来ないかという問題では無い次元での対応が不可欠だということだが、どうするんだろう?

Tigerさんのコメントの通り大手プロバイダなどは非常に多くのかつ内容が高度な個人情報を一括して保持していることになっていますが、その元となる個人の発信情報の真実性については当然誰も保証はしない・・・・・。

<紀藤正樹弁護士の最新著書「インターネット犯罪大全」には「もともとインターネットは政府の干渉を排して、無政府状態に保ちたいという意見もあった」P024とあります。

要するに情報を発信するために無名や匿名もありだという考え方で、これはこれで納得できます。
しかし、それでは情報の信用度は街のうわさ話の域を越えないわけで、ビジネス利用などトンでもない、まして電子政府なんてどうやって保証するのだ?となります。
そりゃ確かに「郵便物だってのぞき見することは出来る」のは確かですが、問題はその手間であって、最初に書いた「冗長度の問題」そのものなのでしょう。

インターネットという一つのバケツの中にあまりに違う情報の入れすぎなのではないか?と思うようになりました。わたしが今論じているのは「インターネットは信用出来るのか?」であり、その理由は「信用する必要がある情報があるから」であるのですが、逆の見方もあるようで、例えば電子政府や新聞などは「政府だから」「新聞だから」といったいわばタイトルで信用を担保しているように思えます。
これに対して、そっくりのニセサイトを作るというのは以前からあって、最近ではフィッシングと称する、ニセサイトでパスワードなどを吸い上げるという手法も出てきています。
フィッシングについてはアメリカなどで「厳罰にあたる」という議論になっていますが、キリがないのではないでしょうか?じゃあ電話なら信用出来るのか、郵便なら信用出来るのか?どうも先に書いた「○○(タイトル)だから信用しろ」という仕組みそのものが無理だと思うわけです。

フィッシングについてもニセサイトについても注意深くURLを見て正当なサイトにアクセスすれば回避出来ます。では、通常はサイトを公開していない場合はどうすれば良いのでしょうか?こうなると本物かニセモノか区別自体が出来ません。「そんなことはそうそう無いだろう」と思う方も多いと思いますが先週末にNTTから「@ビリング登録完了のお知らせ」なるハガキが届きました。これは電話料金の通知をインターネットで行うというものですが、わたしは複数の電話を契約しているので@ビリングの使い方を知りたかったのですが、これが簡単には見つからない。

http://www.ntt-east.co.jp/
http://www.ntt-east.co.jp/shop/
http://www.ntt-east.co.jp/shop/annai/atto/atto-k.html

という深いレベルにありますが、トップページにはshopのリンクはありません。これでは無いも同然で、にもかかわらず「インターネットで料金通知」というのはちょっと問題じゃないですか?身近にこういう実例があるのです。確かにNTTの対応はヘンだと思いますが、先の「もともと信用するためにどうあれば」ということから言えば、トップページから辿れれば良いだけの話しで、そうでなければ郵送すればよいわけです。今回はハガキだったから信頼性が高かったわけですが、これがメールだったらフィッシング扱いでしょう。


このように「信頼を必要とする情報」の他にも「信用する必要は無いけど面白い情報」というのもたくさんあります。代表は2ちゃんねるでしょうか?問題は2ちゃんねるでもしばしばある例ですが「信用するほどの情報じゃない」はずのものを信用してしまう例や、その逆に「信用して欲しいのに信用されない」例などです。

これは分かりやすい例としては「オオカミと少年」でしょう。日ごろウソを言っているといざという時に信用されない。インターネットが個人にとって遊びであった時代にはオオカミと少年もあまり問題にはならなかった、しかし電子政府とか電子商取引という時代になると、ウソをつくことが相応のペナルティを食らうことになります。
何も罰金とか損害賠償という直接的なことだけではなく人望であるとか面接といった場面で問題になるでしょう。

結局のところ今後のインターネット利用では少なくとも情報を発信する側としては、一般の社会生活とネット上の発言を一致させないと、どこかで不利益を被るのではないか?と考えるものです。
この点については「技術系サラリーマンの交差点」さんが「自分の発言ログを管理する目的」という考察を書いていらっしゃいます。確かに自分の発言を管理するというのは直接的な方法で分かりやすいですが、わたしは自分のネット上での発言だけを管理することで自分のネット上も含む信頼性を確保出来るとは思えません。そこまでの自信は無いというべきです。もちろんだからといって「全部を公開するべき」ということではありません、ネットと実生活を同じ次元に置くということですね。
その狙いは「酔うぞというのは、ネットでも実生活でも同じだね」ということで信頼を得ようというものです。

まるでネットの匿名性には反するのですが、これはウェディング社との交渉で分かったことで、ウェディング社の言い分の中核は「匿名の相手と匿名ではない相手と同じレベルで交渉するのは怖い」です。これは直感的に良く分かります。
ビジネスの交渉では面会し名刺交換をし会社案内(自己紹介)をして・・・・。と常識的な手順があります。これも情報の冗長度の範疇なのでしょう。ではインターネットビジネスではこの手順が全く無視されるか?そんなことはあり得ません。ビジネスを含む社会のあらゆるつき合いには信頼度が非常に重要なファクターです。そのために外出する時には身だしなみを整えるなどするのです。

結局はインターネットを実務に使うのか、遊びに徹するのか?という違いになるのでしょうか?それとも個人の信頼性を広く知らせる技術的な手段が完成するのでしょうか?いずれにしても、コストダウンが目的だったインターネット利用はここにきて実務に使う場合のコスト負担をどうするのか?という問題に直面していると考えるべきでしょう

PS 「技術系サラリーマンの交差点」さんにリンクしているのに、トラックバックしていませんでした。m(_ _)m

9月 1, 2004 at 11:42 午前 ネットワーク一般論 |

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/2299/1330771

この記事へのトラックバック一覧です: インターネットで発信者の信用をどう確保するか?:

» 雑記帳/2004-09-02/信用性のためには冗長性のある情報も必要ですね トラックバック PukiWiki/TrackBack 0.1
error: blog2で生成したページのみで有効です。 信用性のためには冗長性のある情報も必要ですね continue form: [中途半端な知... 続きを読む

受信: 2004/09/02 4:09:58

» インターネットが怖くてトラックバックが出来るか! トラックバック 週刊!木村剛
 皆さん、こんにちは。木村剛です。8月30日のゴーログ「バカはサイレンで騒ぎ、イ 続きを読む

受信: 2004/09/06 9:24:36

» インターネットは怖いか? トラックバック hima's blog
トラックバック等々で、お世話になってる木村さんのBLIGに、 2004.09.0 続きを読む

受信: 2004/09/06 16:39:14

» ネットでどこまで信用されたいか トラックバック 技術系サラリーマンの交差点
 自分がネット上で提供している知識や表現している人格をどこまで信用してもらいたいか考えてみる。そして、その程度信用してもらうためにはどんな方法を採るのがいいかも... 続きを読む

受信: 2004/09/07 6:05:03

コメント

コメントを書く