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2004.08.11

高裁・住友信託の請求を取消

読売新聞より「UFJ・三菱の交渉差し止め、東京高裁が取り消し決定

東京高裁は11日、東京地裁が命じた交渉差し止めの仮処分決定を、一転して取り消す決定を下した。
東京高裁は、東京地裁の判断と同様に「法的拘束力を有する」と認定した。そのうえで、現在のUFJと住友信託との関係について、「すでに信頼関係は破壊され、最終的合意の締結に向けた協議が誠実に継続することは不可能」と指摘し、独占交渉権は「効力を失った」として、地裁の仮処分決定を取り消した。

これは「無理が通れば道理が引っ込む」を法的に示したものではないかい?
まあ仮処分であるから将来に向けての解釈であって「今さら交渉も無いだろう。だから止める意味は無い。だが契約は契約だよ」ということであって、

住友信託は高裁の判断を不服として、12日にも最高裁に特別抗告と許可抗告を申し立てる方針だ。

とのことだが、そりゃそうでしょう。

 
契約の有効性についてはひっくり返る可能性はないだろうから、住友信託としては契約違反・損害賠償請求訴訟を起こすことは十分に考えられる。そうなると、UFJでは株主代表訴訟を起こされる可能性があるわけで、それはそれで問題です。

だが個人的な考えとしては、そもそもUFJが早急に三菱東京と経営統合で出資を得ないと、9月中間決算で国際取引が出来なくなるためで、とにかく契約違反をしてでも急いだ理由がここにあります。
一方、住友信託が突きつけたのは「契約は守れよ」ですから、国内というか金融当局(竹中大臣)から見れば「出資優先」でしょうが、契約の遵守=法の支配という観点からは、これではいわば「超法規的措置」になってしまいます。それに注目するのは海外でしょう。

つまり金融当局→UFJの「なんでもいいから出資だ」という国内動向と、契約の重要性→住友信託の「公明正大な経済」という海外動向の衝突と言えると思います。

短期的にはUFJの三菱東京との経営統合は正しい選択でしょう。しかし長期的には金融政策や法の支配の確実性など客観情報に疑問が付けられないためには契約の優先を強調するべきだと思います。
一言で言えばUFJが住友信託に仁義を切って「違約金は払うから」と言ってから東京三菱との交渉を公開すれば回避出来たことなので、UFJの経営者はバカであり、金融当局(竹中大臣)の言うことを聞いていれば安泰だと思っていたのであれば、それはかつての護送船団方式であるが、お金の面では全く保証が無いということに気づいていなかったのだろうか?

8月 11, 2004 at 09:57 午後 経済・経営 |

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以前の記事でお約束したこともあるので、東京高裁の逆転決定についてコメントをしたい 続きを読む

受信: 2004/08/22 22:17:58

コメント

酔うぞさん、こんにちは。

地裁も高裁も、理由の基礎になっている法的拘束力の判断は特段変わっているわけではありません。いわば、婚約は成立しているが、結婚させるのはもう無理だから、後は損害賠償で・・というのが高裁の判断という感じです。現実的と言えばそうですが。。
>UFJは違約金を払えば・・
というくだりですが、今回の主張をみる限りUFJはそれも払いたくなかった(今もない)のでしょう(^_^;)。が、高裁の決定によれば損害賠償は必至だと思いますし、本来それで決着を付けるべき問題だろうと思います。

投稿: toriatama | 2004/08/12 11:41:21

どもども

>高裁の決定によれば損害賠償は必至だと思いますし、本来それで決着を付けるべき問題だろうと思います。

これは全くその通りですが、外国からなどの評価はどうなるんでしょうかねぇ?
現実に、三井住友のキャンペーン(?)は世論に受け入れられています。
これが株主代表訴訟になるきっかけとしてちょうど良いところにあるのだろうな、と思っています。

なんか最近は道理をどうでも良い、といった判断をしているのでないか?と例が増えてきたと感じています。
道理を護るというのはとても大切なことであると思っています。

投稿: 酔うぞ | 2004/08/12 12:34:06

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