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2004.08.21

石油価格上昇の解釈

石油価格が急上昇して50ドル間近になり「60ドル、70ドルになるのでは」といった声もある。確かにこれを見ればそんな気分になる。
さすがに今日になると新聞記事がいろいろ出てきた。
日本経済に大きな影響は無い(読売)、世界のエネルギー構造は変化する(産経)、省エネを考えるべき(東京)、アメリカは石油備蓄を取り崩さない(日経)などである。どれもがそれなりに正しいと思うが、当然のことながら「絶対にこれ」というのは無い。マクロな視点だと日本が石油依存度を大幅に下げ、現在も省エネルギー・省資源の方向に産業構造を大幅に変えつつあることが世界にどう影響するか?であると思う。
ちょっと考えれば当たり前のことであるが、石油の価格が上昇して困る経済(国)と好ましい経済(国)がある。さらに、短期的な利益追求と長期的な経済成長を狙うのかなどによって、それぞれの利害は衝突する。
日本は資源輸入国であり輸出によって経済が成り立っているのだから、原材料は安く輸出先の国々が経済成長していることが一番である。ところが輸出先の代表であるアメリカは省資源とはとうてい言えないエネルギー多消費国であり、石油価格の上昇はアメリカ経済を直撃する。一方中国はいまやアメリカ・日本などにとっては大変なお得意様であるが、急速な経済成長に伴って輸入急増であるから、これも石油価格の上昇は経済を直撃する。それにしても、日本というモデルがあるのだから石油価格の上昇は省エネ経済への転換を世界中に促すとも考えられる。つまり石油価格の上昇→不景気、というほど単純な話にはならない、と考えます。
 
  「日本経済の抵抗力は増している」
原油高の影響は、日本でも表れつつある。ガソリン価格の上昇は急ピッチだ。電気料金も標準世帯で、十月から月42―161円値上がりする。 ただ、原油高に対する日本経済の抵抗力は大幅に向上している。 第二次石油危機に襲われた一九七九年度、原油の平均輸入価格は一リットル=33・5円だったが、今年六月は25.9円にとどまる。総輸入額に占める原油の比率もかつての39%から15%に下がっている。
 原油高騰 需給の構造変化に備えよ」
わが国は二度にわたる石油危機を経て、かつては八割近くもあったエネルギーの石油依存率を、今では五割程度にまで減らし、企業の省エネルギーも進めた結果、原油高の影響はかつてほど大きくはなくなった。しかし、このまま原油価格の高騰が続けば、回復基調をたどる日本経済にも影響が出てくる。原油価格が四十五ドルで推移すれば、二〇〇五年度の実質成長率は0・3ポイント下がる-という電力中央研究所の試算もある。世界の石油需給の大きな構造変化を直視して、エネルギー、原材料の不足や高騰に備えるとともに、原子力を含めた総合エネルギー政策を常に見直していく必要がある。
「原油高騰 再び『省エネ』努力を」
 とくに、経済発展が進む中国やインドの増加が目立つ。中国の石油消費量はすでに日本を上回り、石油輸入国になった。自動車社会への転換や重化学工業化が進むことを考えれば、今後も需要が増えることはあっても減ることはないはずだ。  企業や家計は省エネルギーの重要さをいま一度、思い起こす必要がある。過度の冷房や電気製品のつけ放しなど、いつの間にか石油危機当時の真剣さが失われていたのではないか。サラリーマンも、たまにはネクタイを外してみてはどうか。
米政府、石油備蓄の取り崩しを否定」
 マクレラン報道官は「大統領もエネルギー価格の動向を注視している」としながらも、SPRの積み増しを継続する方針に変わりはないと述べた。SPRを取り崩すのは「石油供給の途絶など不測の事態が起きた時に限る」という従来の主張を繰り返した。

8月 21, 2004 at 11:58 午前 国際経済など |

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