« 三菱自動車・元幹部7人逮捕 | トップページ | 三菱ふそうのハブの構造 »

2004.05.10

イラクでのアメリカ兵の虐待から

イラク刑務所でのアメリカ軍の虐待について世界的に報道されるようになったが、一部で解説がちょっとだけ出ているのだけど、2001年9月11日つまり2年半前の事件がきっかけになっていることについてその連続性について説明している記事がほとんど無いようです。
無謀でありますが、酔うぞ的な全体像の解説を試みます(^_^;)

2001年9月11日のアメリカ同時テロは、ブッシュ大統領をアルカイダへの制裁を強要しました。これは、ほぼ1年後(2002年)なってニューヨーク証券取引所のダウ工業株30種平均が同時テロ直後のパニックレベルの価格まで暴落しました。

これは、株式投資よりも貯金の方がなんかあった時に自分の財産を動かす(逃げる)のに都合が良いということで、株式市場から資金が逃げ出したからです。同時にニューヨークから事務所も逃げ出して、会社というかビジネスというものの信頼感が無くなってしまったのです。

アメリカ政府(ブッシュ大統領)としては、アメリカ国内が安全で株式市場に資金が戻ってくる、経済活動が円滑に動くことを緊急に全世界に知らせる必要がありました。

そこで2003年1月に国土安全保障省を作りました。国土安全保障省はアメリカ軍につぐ巨大な役所(公共事業)であって、CIA、FBI、沿岸警備隊、州軍などの機能を集中しました。日本であれば、省庁改正一括法案で何年もかかるでしょうが、大統領令で実行してしまいました。

こういう国内外へのアピールを準備をする一方、2001年9月11日の同時多発テロの実行者であるアルカイダをアフガニスタンで2001年10月から、攻撃を始めました。当初はすぐにアルカイダの指導者ビン・ラディンを捕捉するということであったが、2004年になってもまだ続いているのはご承知の通りです。

2001年中にアメリカ国内など全世界でアルカイダ・メンバーを捕らえて、2002年1月からグアンタナモ海軍基地に移送を始めました。
当初このアルカイダ・メンバーがどういう法的な根拠で拘束されているのか?という説明として「戦争捕虜」ということでした。これは、刑事事件で必要な裁判所の令状などが全く必要ないということを正当化するための説明と言うべきでしょう。

しかし、戦争について定めたジュネーブ条約によれば、国と国の戦争ではないアルカイダ・メンバーを戦争捕虜として扱うのは、無理なので戦争捕虜して拘束しているということ自体が「ジュネーブ条約違反」であるという意見は当初からありました。

2003年3月20日に連合軍はイラク攻撃を始めます。これは本来であれば戦争ですから、捕虜は戦争捕虜としてジュネーブ条約による保護を受ける権利があります。ところが、イラク兵を戦争捕虜ではないということで、刑務所での虐待という、近代史上でちょっと例の無い事件に発展しました。この事件の遠因が上記に書いた、アルカイダ・メンバーを捕まえるという(法的な)無理から来ているのであって、なんでそんな無理をするのか?と言えば、元は経済的な信用を早急に得る必要があった、というある種のドミノ倒しのようなことで、こんなことなってしまったのでしょう。

いったいアメリカ政府はこの法的なゴチャゴチャをどうするのか?が問題の中心になっていくように思います。少しの無理は通用するかもしれない、しかし無理に無理を重ねると、どうにもならなくなるという典型でしょう。つまり、事態を正常化することが段々と大変になって、最終的にはどうにもならなくなるということでしょう。EUが拡大して25各国化したのも偶然では無いでしょうし、アメリカの思惑とは逆に石油(原油)価格は40ドルになりました。これはエネルギー多消費社会であるアメリカを直撃するでしょう。

アメリカと日本を比較すると、石油の使用効率は日本の方が圧倒的に良いので原油価格の上昇は相対的に日本に有利になります。もちろん、巨大消費市場があるアメリカ経済の悪化は輸出主体である日本にとっても悪影響は大きいですが、昔ほど深刻な影響は無いはずです。それやこれやで、おそらくは一ヶ月ぐらいは国際情勢は非常に注目する必要があります。

5月 10, 2004 at 01:47 午前 海外の政治・軍事 |

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/2299/567781

この記事へのトラックバック一覧です: イラクでのアメリカ兵の虐待から:

コメント

前略
面白く読ませていただきました。
ただ、経済決定論的な部分での、ブッシュの政策や世界の動き捕らえる方法には、少し疑問をかんじておりますが。
勿論、背景として、国の経済・損得の問題があることは、当然、みとめておりますが・・・・・・
生意気な意見を書いて失礼しました。
ヒデポン

投稿: 山田秀男 | 2004/05/11 10:27:38

ヒデポン山田さまにおいでいただくとはm(_ _)m
(って、ほとんどの人は判らないよね(^_^)

面白かったのあれば、良かったです。

>ただ、経済決定論的な部分での、ブッシュの政策や世界の動き捕らえる方法には、少し疑問をかんじておりますが。

書いているうちにダラダラした形になってきたので、時系列をうまく書けなかったのですが、国土安全保障省の設置は、株式市場からの資金の逃避、ニューヨークからの事務所の逃避と共に強調されました。
その意味では、間違えなく市場へのメッセージであり、ここ数日のニューヨーク証券取引所のダウ暴落に至るまでの、好景気に転換するきっかけになったことは間違えないでしょう。

この頃には、アラブ系だというだけで職場を解雇されたとか、アメリカ国内の移動を飛行場のチェックで事実上制限されたといった、報道がありました。

9.11から1年も経って、株価の暴落というのはアナリストの予想の中にはなく、極度のヒステリー状態だったということなのかもしれません。

それがどのくらい変化したのかは、大いに検証の必要があります。
しかも、今になって問題になっていますが、拘束者を法的にどう扱うのかを決めないでやっているというのは、法治国家とは思えません。
それらのツケが今になって出てきているのではないか?と思うわけで、同時に以前を正当化するために今起きている問題への対応も出来ない、という構造ではないか?と考えるところです。

投稿: 酔うぞ | 2004/05/11 21:19:10

コメントを書く