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2004.03.02

鳥インフルエンザ・ますます混沌

長崎新聞より「4時間交代、感染農場の鶏処分3日目、作業は難航

浅田農産船井農場で続く鶏の殺処分は3月2日に作業開始から3日目に入った。
処分する約20万羽のうち、2日間で処分したのは9000羽足らず
当初10日間ほどで終えて埋める方針だったが、府職員が作業に不慣れなこともあり遅れている。この日の作業も、農林水産部などからの応援組を含め、府職員約200人が参加。浅田農産の社員や町職員も加わった。4班に分かれて進め、健康を考慮し各班の作業は1日4時間に制限した。


京都新聞より「鶏埋める掘削作業で自衛隊は「災害派遣に該当」と回答

京都府の山田啓二知事が1日、電話で掘削作業について自衛隊に部隊派遣を打診した。陸上自衛隊中部方面総監部(兵庫県伊丹市)は2日までに、「鶏の遺骸(いがい)を埋める溝の掘削については災害派遣に該当するので派遣可能」と回答した。
自衛隊は京都府から正式な派遣要請があれば、派遣に応じる方向というが、活動時期については「民間業者の作業が着手されるまで」としている。


毎日新聞より「浅田農産、大量死中に20万羽引き取り要請

浅田農産船井農場の鶏インフルエンザ問題で、鶏が大量死を続けていた最中の2月23日、浅田社長が兵庫県八千代町の鶏肉処理業者「アリノベ」(有延秀男社長)に対し、当初予定していた取引とは別に急きょ、同農場にいる20万羽すべての鶏を引き取るよう依頼していたことが1日、アリノベの有延秀棋専務が明らかにした。
船井農場で大量死が始まったのは2月20日。
有延専務によると、もともと2月25~27日に2万5000羽の引き取りを予定していた。ところが、23日になって浅田社長から「卵の相場が低落しており赤字になるだけなので、鶏を全部出して鶏舎を空っぽにしたい」と、合計20万羽分の追加取引の要望が来たという。
唐突な申し出は十数年来の取引でも初めてだったが、鶏卵相場は昨年12月から低落し、養鶏業者の倒産が相次いでいることから「浅田社長も大変なんだろう」と承諾したという。
数量が多いため、他の加工業者にも声をかけ、3月20日までかけて引き取る段取りをしたという。この日程についても有延専務側は「3月23日までに」と提示したのに対し、浅田社長は「(3月)20日までに」と求めたという。
その後、アリノベが2月25、26日に計約9900羽を引き取ったところで、27日に船井農場での鳥インフルエンザ陽性反応が明らかになった。


産経新聞より「全羽出荷と大量死とは無関係 養鶏場が謝罪会見

浅田農産の浅田秀明社長(41)らが2日、姫路市の同社で記者会見し「農場で飼育しているすべての鶏の出荷を計画したが、大量死とは一切関係ない」と説明した。
引き取りを持ち掛けられたアリノベ側は「大量死を知り、出荷を延長したかったのでは」(有延秀棋専務)と指摘していた。

浅田社長らによると、陽性反応が出る前日の26日には有延専務に大量死の事実を伝えたが、専務は「インフルエンザの解剖所見は一切見られないから大丈夫だろう」と話し、入荷を拒まなかったという。
さらに「26日夕、アリノベ側に出荷停止を申し入れたが、『枠を空けてあるから止められたら困る』と断られた」と述べた。
出荷は陽性反応が出た27日からストップした。


毎日新聞の記事では、アリノベは浅田農産から20万羽の引き取りを緊急に求められたと述べている。
産経新聞の記事では、これを受けて、浅田農産はアリノベが20万羽を継続して納入してくれないと困ると述べている。
ここまで、事実関係が相反するというのは珍しい。アリノベ側は、おそらくは極めて安く契約できたから「納入してくれないと困る」とは言ったであろう、しかし契約自体が「健康なニワトリ」を対象にしているのは明らかで、常識的に言えば、動物(魚も同じ)は食材や飼料の原材料であるから、使用に耐えるつまり新鮮で問題が無いのであれば、実際の動物の生き死には直接には関係しない。しかし、あくまでも商品として流通可能なものを対象にした契約であることは自明であり、家畜伝染病予防法で移動禁止になるような病気では無いことを出荷者は保証する義務を負って契約すると考えるべきだろう。
20万羽(24万羽ともいわれる)を飼育している鶏舎で1日で1万羽近くが死ぬような状況で、鳥インフルエンザを疑わないというのは合理的な判断とは思えない。

3月 2, 2004 at 01:27 午後 医療・生命・衛生 |

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コメント

モラルハザードここまで来たか、ですよね・・・・。
安全を口にしたい、という思いは消費者側では高まっているとおもったのに、なんとも残念ですね。

新潟にはトキがいますが、飼育センターには厳戒態勢が引かれています。TVのあの飼育舎の上空をカラスらしきものが飛んでいるのをみて、ちょっと危機感を感じましたね。

投稿: yukizo | 2004/03/02 18:01:32

yukizoさん
>モラルハザードここまで来たか、ですよね・・・・。
全くです。モラルハザードという言葉を聞いたのは十数年前だと思いますが、その時にはこういうことになることだとは思ってもいませんでした。
浅田農産にしても確定的な犯意をもって行ったことでは無いのでしょう。
要するに「ちょっとした無責任」が集まるとこういうとになるのですね。
人として想像力の欠如があるんじゃないでしょうか?
悪徳商法の被害者の相談も「ちょっと想像力を鍛えろよ」と言いたくなるような、相談がおおいです。
なんでこんなことになったんでしょう?

投稿: 酔うぞ | 2004/03/03 9:39:56

変な話ですが、赤十字の「人道を妨げる4つの事」を思い出しましたよ・・・・。

「利己心」「無関心」「認識不足」「想像力の欠如」
そのままあの社長にぶつけてやりたい。
そんな気分になりました。

ところで、酔うぞさん、私が投稿すると、酔うぞさんのところにniftyまたは私からメールが送信されるのでしょうか。ちょっと不可解なことがあったので・・・。

投稿: yukizo | 2004/03/03 19:51:48

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