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2004.02.03

パキスタンの核の父・拘束

日本ではあまり大きく報道されていませんが、BBCやCNNがトップニュースで扱っているのが、「パキスタン政府は1日、同国の「核開発の父」アブドル・カディル・カーン博士が、ウラン濃縮技術を北朝鮮やイラン、リビアなど外国に提供していたと供述したため、首相顧問(閣僚級)などの役職から解任した」というニュースです。

パキスタンはインドと並んで核実験を公表し核武装している国ですが、カーン博士は以前からいろいろな場面でニュースに登場しています。
非常に有名なものが、1976年にオランダ・アムステルダムの物理力学研究所で高速遠心分離機を研究中に、当時のブット首相の特命を受けて帰国し、パキスタン核開発研究所の所長になった、博士が重要な設計図としてオランダ裁判所は博士を有罪としました。

確か「イスラムの核」という本だったと思いますが(出てこない)このころの核開発の関係を説明した本が出ていました。一言で言えば、カーン博士が熱心なイスラム教徒であることと、1974年のインドの核実験成功に対して当時のパキスタンのズルフィカー・アリ・ブット首相が核武装を明言し、そのためにカーン博士が帰国して核開発研究所の所長に就任したという一連の流れでした。

パキスタンの核すなわちカーン博士の動向が問題になったのは、イスラム諸国と核開発について積極的に連携を図ろうとしたことにあります。核開発についてはアメリカもイギリスに対して情報を知らせませんでした。ほとんどの国は自力で核兵器の開発を行っています。
この点、パキスタンは中国、リビア、イラン、北朝鮮と核兵器開発の情報あるいは設備類を取引材料にしていたと言われています。

驚嘆するべきは、重工業の基盤が事実上無い状態で核兵器開発に乗り出したことです。逆説的には自国では調達できない機械類や資金不足を核兵器の提供という約束で得ていたという構図なのでしょう。

パキスタンは、独立後インド・パキスタン戦争などもあり、歴代政権の多くは軍事政権でした。それが、核兵器開発を推進したであろうことは、想像に難くありません。また、インドがソ連よりの政権であったために、アメリカがパキスタンには甘かったのも事実でした。
今回のカーン博士に対する告発は、アメリカの一国支配の現れということで注目するべきことです。

2月 3, 2004 at 01:06 午前 海外の政治・軍事 |

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