下請代金支払遅延等防止法の一部改正
アニメのフリーの演出家である、六星蒼氏のめぞん六星の書斎の部屋に、下請法の解説が出ていました。
もともと下請代金支払遅延等防止法は機械工場の下請け企業を対象にした非常に限定的な法律です。
今回の一部改正では、サービス分野を対象とし、
情報成果物(プログラム、放送番組等)の作成に係る下請取引
役務(運送、ビルメンテナンス等)の提供に係る下請取引
金型の製造に係る下請取引
が追加になります。
では、改正以前はどういう取引が対象であったかと言うと、
第二条 この法律で「製造委託」とは、事業者が業として行う販売若しくは業として請け負う製造(加工を含む。以下同じ。)の目的物たる物品若しくはその半製品、部品、附属品若しくは原材料又は業として行う物品の修理に必要な部品若しくは原材料の製造を他の事業者に委託すること及び事業者がその使用し又は消費する物品の製造を業として行う場合にその物品又はその半製品、部品、附属品若しくは原材料の製造を他の事業者に委託することをいう。
2 この法律で「修理委託」とは、事業者が業として請け負う物品の修理の行為を他の事業者に委託すること及び事業者がその使用する物品の修理を業として行う場合にその修理の行為の一部を他の事業者に委託することをいう。
大変に分かりにくいのですが、あくまでも親企業からの「委託」で業を行う下請けに限定されていました。つまり、部品を作らせて買ってくるだけでは、委託生産とは言えない場合があります。あくまでも親企業が自分のためだけに製造(修理)させる場合だけを対象にしています。
この意味するところは、加工費(工場ですから)を見積もる場合は委託ではない、という解釈です。
つまり、親企業とは同じような種類の仕事を繰り返し継続して加工する工場を対象としていたので、今回の改正で金型製造が追加されたのは、金型は原則として繰り返し生産が無く、毎回見積つまり入札制度の取引であるとされたからです。
継続的な取引の実際では「次の仕事で、カバーするから今回はこの予算で泣いて」などということになりがちだということを明確な商取引として位置づけようという考えでした。
実務的には、契約書を取り交わす必要がありますから、下請け企業の方も親会社にハンコを捺させるだけの実績や企業としての信用が必要でした。
簡単に言ってしまえば、下請けとしてもあまりに弱小であり、親企業から見て契約ができないケースでは、毎回見積を取って発注することで実務をこなせました。
さて、めぞん六星の書斎の部屋で話題になっているのは、アニメ製作の現場についてですが、やはり法律に基づく書類のやり取りとなると、これは考え方ですが包括契約書とか守秘義務契約書を別に締結する必要もある、という解釈も出てくるでしょう。こういう書類仕事が面倒だ、という場合には双方の同意で、毎回見積・発注をすれば問題ないはずです。
今回の法律改正が下請けに有利になるのかは?業界全体の取り組み姿勢の問題になるでしょう。
12月 31, 2003 at 08:09 午後 国内の政治・行政・司法 | Permalink
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