2009.07.08

エレベーターメンテナンスの諸問題

朝日新聞より「エレベーター主要6社、独立系管理会社に不具合伝えず

国内エレベーターで8割以上のシェアを占める主要メーカー6社が、独立系の保守管理会社に不具合や事故情報を伝えていないことが7日、国土交通省の調べでわかった。

06年6月に男子高校生が死亡した事故の背景にも、メーカーと保守管理会社の連携不足があった。
事故から3年たってもこうした問題点が一向に改善されていない実態が浮き彫りになった。

この日、国交省の昇降機等事故対策委員会で、5月にメーカーや保守管理点検会社を対象に実施した調査結果が報告された。
また、メーカー6社(三菱電機、日立製作所、東芝エレベータ、日本オーチス・エレベータ、フジテック、シンドラーエレベータ)と独立系の保守管理会社5社から聞き取りをした。

国交省が6社に、設計や製造過程に原因がある場合、保守管理会社に不具合の内容や改善方法を通知するか尋ねた結果、6社とも「していない」と回答。
各社ともビルやマンションなど建物の所有者には通知していることを理由に挙げた。

不具合情報の一般公開でも、6社はいずれも非公開とし、「当社ブランドであることだけで利用者に不安を抱かせ、混乱を招く」(三菱電機)「重大な不具合は所有者に開示している」(日立製作所)などと理由を挙げた。

所有者から保守管理会社に不具合情報が伝わり、事故防止につながれば問題ない。
しかし、所有者にはエレベーターの専門知識がなく、保守管理会社が頻繁に交代して引き継がれない、ビルなどの所有者自体がはっきりしない、といったケースも多いという。

エレベーターの保守点検をめぐっては、割高なメーカー系列の保守管理会社を敬遠して独立系に切り替える動きが自治体やマンションなどで加速。独立系は、メーカーが企業秘密を盾に情報を出し渋っていると批判する。

一方、メーカー側は安値で参入する独立系の技術力を疑問視しており、別々の業界団体が設立されるなど対立が続く。

06年の東京都港区の事故では、エレベーターはシンドラー社が設置した。保守管理は05年度と06年度は独立系の別の2社が受注。
現場の住宅では不具合が40件以上頻発し、事故機は04年に急停止するトラブルもあった。
シンドラー社は所有者の港区住宅公社に「ブレーキの不具合が原因」と報告していたが、2社には引き継がれていなかった。

港区の事故で犠牲になった市川大輔(ひろすけ)さん(当時16)の母正子さんはこの日の委員会を傍聴した。「メーカーと保守管理会社の利害対立で、利用者の安全が置き去りにされている。
息子の死から3年たつのに、なぜこんなに安全対策は進まないのか」と話した。(歌野清一郎)

この記事は国交省の意向を受けて、メーカーがメンテナンス業者に情報開示をしないのが悪いのような内容になっているが、そこだけに問題があるとは言いきれないと思う。

港区の事故では、建物の管理者が港区でメンテナンス会社を競争入札で選定した結果、短期間にすごく低価格でメンテナンスされるようになりました。

普通に考えて、あまりに安い場合は品質が劣化するのが商取引の常識です。

こんな事実を考えると「メーカがメンテナンス業者に情報公開しないのが問題」とだけは言えないと感じます。

この記事中にも

06年の東京都港区の事故では、エレベーターはシンドラー社が設置した。
保守管理は05年度と06年度は独立系の別の2社が受注。
現場の住宅では不具合が40件以上頻発し、事故機は04年に急停止するトラブルもあった。
シンドラー社は所有者の港区住宅公社に「ブレーキの不具合が原因」と報告していたが、2社には引き継がれていなかった。

とありますが、この「05年度と06年度は独立系の別の2社が受注。」が入札によって業者が変わったことを示しています。

こんなことについて「メーカーに責任がある」というのはいくら何でも無理と言うべきでしょう。

メーカー側の主張としては、メーカに責任を持たせるためには独立系のメンテナンス会社を認める無い、という方向に行くと思いますよ。
どうもこのまま行くと、もう一つ業界団体が出来て利権の巣窟になってしまうかもしれないな。

7月 8, 2009 at 09:26 午前 事故と社会 | | コメント (0) | トラックバック (0)

都築警察署前交差点の信号機

このビデオは酔うぞが2009年7月7日に撮影したオリジナルです。転載自由とします

2009年6月1日午後9時35分頃、都築区役所・警察署交差点で、乗用車2台が衝突し、はずみで1台が近くで信号待ちをしていた、近くの昭和大学横浜市北部病院の看護師3人が巻き添えで死亡した事故現場です。

事故を起こした少年は「黄色で交差点に進入したら赤になった」と供述したそうですが、赤が見えていたとするとすぐに右折青が出ます。
信号システムとしてこれで良いのか?と大いに疑問があります。

この現場は、自宅の近所でもあるのでよく知っているところですが、加害者が走ってきた方向は、左ベンドの下り坂で同じ型式の信号が連続していて信号を見ることにかなり注意をそがれます。

その上、ビデオ撮ってきたように変化するのですから、信号の作動として頭に入っていない物と言えます。

加害者も同じようことであったのなら、とりあえず速度を落とせばよいとは言えるでしょうが、その一方でここまで分かりにくい信号が許されるのか?という印象はつきまといます。

7月 8, 2009 at 12:41 午前 | | コメント (5) | トラックバック (0)

2009.07.07

新GMに向けてスタート

朝日新聞より「GMの資産売却計画を承認 NY破産裁判所

【ニューヨーク=丸石伸一】
ニューヨークの連邦破産裁判所は5日深夜、経営破綻(はたん)した米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)が新たに設立する会社(新GM)に優良資産を売却する計画を、承認した。

資産売却は、GMの再建計画の柱となる。計画に反対する債権者らが今後、上告する可能性があるが、最終的には資産売却が認められて新GMが発足し、破産法下から事実上の早期脱却を果たす公算が大きくなった。

GMは6月1日、米連邦破産法11条の適用を申請して経営破綻した。

同法下で会社を2分割し、優良資産を形式上の新会社(新GM)に売却する計画をまとめ、裁判所に承認を求めていた。

不良資産を切り離し、負債の少ない健全な会社に衣替えする計画だ。
だが、複数の債権者らは債務返済額を増やすことなどを求め、計画に反対していた。

これに対し、破産裁判所は債権者らの主張を退け、新GMへの資産売却を承認した。

資産売却について、GMが会社清算に追い込まれないようにする選択肢だとの判断を示した。

ただ、債権者らが資産売却の差し止めを求めて上告する猶予を与えるため、資産売却の実行は今後4日間控えるよう命じた。
複数の米紙によると、何人かの債権者が上告する可能性があるという。

GMより約1カ月前に破産法を申請した米同業大手クライスラー(現クライスラーグループ)も6月1日、再建計画がニューヨークの連邦破産裁判所に承認されたと発表した後、複数の債権者が上告したが、連邦最高裁判所が同月9日に計画を承認して「早期再建」が決まった。
GMも最終的には資産売却が認められる可能性が高いとみられる。

GMは6日朝に声明を出し、「資産売却を近く完了できると見込んでいる」と表明した。
GMと米政府は、米政府が手続き完了の期限と定めている今月10日までの決着を求めていた。

新GMの概要も発表された。社長兼最高経営責任者(CEO)には、旧GMでCEOを務めるフレデリック・ヘンダーソンCEOが就く見通しだとした。
当面は事実上の続投になる。新GMの本社は現在と同じミシガン州デトロイト。名称は、現在の「ゼネラル・モーターズ(GM)・コーポレーション」から「ゼネラル・モーターズ(GM)・カンパニー」とし、事実上「GM」のままにする。

新GMは、旧GMの優良資産を引き継ぎ、主要ブランドを半減して「シボレー」や「キャデラック」など四つに絞る。

借金を大幅に削減して財務状況を改善し、労務費なども大幅に削って日本メーカー並みの経費に抑える計画。
米政府は巨額の資金支援に加え、新GMの株式の60.8%を握り、事実上「国有化」する見通しだ。

クライスラーに続いてGMも1カ月余りで破産法の法的手続きを完了できれば、米大企業では極めて異例の「スピード再建」になる。

両社と同様に連邦破産法11条の適用を申請した米航空大手の多くは、法的手続きが完了するまで2~3年かかった。

GMとクライスラーは破産法の適用を申請する前に、全米自動車労組(UAW)と労務費削減で合意するなど準備が整っていたことから、法的手続きも早めることができたとみられる。

新GMの4ブランドとは、シボレー、キャデラック、ビュイック、GMCだそうで、ポンティアック、ハマー、サターンでは無くなります。

アメリカの自動車業界は、ブランドは工場から販売店まで?がっていて、日本では別メーカというほどのものでしょう。
販売店網に与える影響は大きいように思いますが、メーカー直結の個人商店のような販売店が残っている方に驚くわけで、日本では20~30年前のホンダといったところでしょうか?

それにしても、アメリカとは思えないほどの強硬な路線変換で、後々まで法律論争になるような気もします。
とは言え、一部の金融機関などが新自由主義として勝手をやったのがこの結果を生み出したと言ってもさほど間違ってはいないのですから、今後の長期的な政策誘導として安定的な投資活動になるように金融の暴走を抑える手法を確立するべきでしょう。

7月 7, 2009 at 09:08 午前 国際経済など | | コメント (0) | トラックバック (0)

クレジットカードと通販サイト・危ない

サンケイ新聞より「計算で他人の番号 「クレジットマスター」初摘発 警視庁きょう男に逮捕状

カード番号に特殊な計算を施し、ほかのカード番号を割り出す「クレジットマスター」という手口を使って、不正にインターネットで商品を購入していたとして、警視庁は6日、窃盗の疑いなどで大阪市内の無職の男(45)の逮捕状を7日に取る方針を固めた。

捜査関係者によると、クレジットマスターによるカード犯罪の摘発は全国初だという。

こうした手口はカード会社などで問題となっており、被害防止に向けて抜本的な対策を迫られそうだ。

カード会社関係者や捜査関係者によると、クレジットマスターは、実際のカード番号に複雑な計算を加え、他人のカード番号を割り出す手口。

ネットには、カード番号と有効期限を登録すれば買い物ができる通販サイトがあり、この手口で不正に入手した番号を打ち込むと、実在のカード番号に当たる可能性がある。
有効期限は元のカードの期限がそのまま該当する場合がある。

中野署の調べによると、男はクレジットマスターを使って、大手カード会社の他人のカード番号を入手。
平成20年7月20日、ネットで都内の通販会社から、テレビなど8点(20万円相当)を盗んだとされる。男は所在不明で、同署は覚せい剤取締法違反容疑でも逮捕状を取り、指名手配する方針。

捜査関係者によると、男は覚醒(かくせい)剤の売買を通じて知り合った顧客らから、これまで計10枚のクレジットカードを譲り受け、クレジットマスターで68枚分のカード番号を入手。
ネットで家電品など約300件、総額1千万円分以上を購入していたという。オークションサイトなどで転売して利益を得ていたとみられる。

男の知人(20)=大阪市=は、窃盗と電磁的記録不正作出・供用の罪で既に起訴されている。

クレジットマスター

16けたのクレジットカード番号のうち複数のけたに、決まった数字を足し引きしていくと、特定の回数で元の番号に戻る。

その過程で出てきた番号は、他人が使用しているものに該当する可能性があるという。

カード番号の並びの規則性を悪用した方法。

こうした計算を瞬時に行う自動ソフトも出回っているとされる。
カード業界の関係者などによると、10年ほど前から被害が確認されているが、具体的な防止策は見つかっていない。

サンケイ新聞より「番号流出に打つ手なし クレジットマスタ

インターネット決済とクレジットカード番号の規則性を悪用した新たなカード犯罪の一端が明らかになった。

警視庁が7日に窃盗容疑などで逮捕状を取る大阪市の男らは、カード番号と有効期限だけで簡単に決済できるネットの通販サイトに着目。

「クレジットマスター」と呼ばれる手口で、他人になりすまし購入を繰り返していた。

カード番号の仕組み自体を悪用しているため、カード会社なども番号流出の防止に打つ手がないのが実情だ。専門家は「ネット決済に暗証番号の項目を追加するなどの対策が急務」としている。

カード会社関係者によると、これまでカード犯罪では、スキマーと呼ばれる機械を使ってカードの磁気情報を盗み取る「スキミング」や、偽のウェブサイトのURLを張りつけたメールを送りつけ、カード情報を登録させる「フィッシング」と呼ばれる手口の被害が目立っていた。

特殊な機械や技術が必要なこれらの手口に比べ、クレジットマスターは元になるカードがあれば、あとは計算を繰り返すだけの比較的単純なものだ。
男らは、通販業者のサイトで次々と番号を打ち込んでいくことで、実在する他人のカード番号に行き着いていた。

NPO法人「日本情報安全管理協会」(東京都)は、「クレジットマスターによってカード番号を知られることは防ぎようがない。ネット上で不正利用するため、犯人にとってリスクの低い手口」とする。

複数のカード会社によれば、クレジットマスターの被害報告は約10年前から寄せられているという。

日本クレジット協会の調査では、今年1~3月までのスキミングやフィッシングなど不正行為による被害額は25億9000万円。クレジットマスターによる被害件数もこの中に含まれるとみられるが、カード会社が詳細を公表しないため、実際の被害は不明だ。

カード会社関係者は「サイト上でより多くのカード情報や個人情報を打ち込むシステムにするなど、業界で統一ルールを作る必要がある。
ある程度、ネット利用者に手間をかけてもらうしかない」と指摘する。

ただ、業者にとってはハードルが低い方が客を呼び込みやすいという本音もある。ある通販業者は「打ち込む情報が少ない方が買い物が便利」と、ネット決済の煩雑化には及び腰だ。

日本情報安全管理協会は「決済はカード会社の問題と考えられており、販売側にとってひとごとなのではないか」としている。

この手の記事はあまり詳細を書かないものですが、そのために実際に何が問題なのかよく分かり分かりません。

本質的には、16桁の番号と有効期限だけなら、自動生成で簡単に出来てしまうのは明らかで、リトライを許していればそりゃ破られるでしょう。

どうしたものでしょうか?

7月 7, 2009 at 08:52 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.07.06

出版不況にムチを持って対抗するらしい

サンケイ新聞より「出版8社が「責任販売制」を導入 懸案の返品率抑制に期待

出版不況の中、業界の売り上げ減や返品増の現状を打開しようと、筑摩書房や中央公論新社、河出書房新社など東京都内の中堅出版8社は6日、都内で会見し、現行の「委託販売制」に変わる新しい販売システム「35(さんご)ブックス」の導入を発表した。

出版不況のなか、書店の利益確保に貢献し、出版社の利益を圧迫してきた返品率の改善が目的という。

新制度では、店側の定価に占める取り分(マージン)を、現行の22~23%程度から35%に引き上げる代わりに、売れずに返品となった際には、書店側も一定額を負担する。

現行は、仕入れ値と同額での返品が可能で、書店側に不利益は生じなかった。

しかし、新制度では返品の際、出版社は書店から定価の35%でしか引き取らない。
書店からの注文をもとに、部数を決めるという。

参加する社はほかに、青弓社▽二玄社▽早川書房▽平凡社▽ポット出版。

当面は8社計26作品を対象に、書店からの注文を募り、11月上旬から配本する。一般に「責任販売制」と呼ばれる販売方法で、すでに小学館が昨年11月から一部の出版物で始めており、講談社も今年10月から一部で取り入れていく予定。

会見で、筑摩書房の菊池明郎社長は「書籍の返品(率)が40%を超えた状態で高止まりのまま非常に悪い状態になっている。書店さんはマージンが低くて、利益がろくに出ない。廃業する書店さんが増えている。厳しい状況に置かれている。その中で何かできないものかと考えた」と説明し、新制度への理解を求めた。

会見資料によると、「委託販売制」では、出版社は大量に多彩な出版物を発行し、書店に並べられるというメリットがあった。
しかし、近年は不況のなかで、「大量の出版物が送品されることで、書店、販売会社、出版社ともに返品率の上昇が利益を圧迫している」と指摘。この新制度が機能すれば、

  1. 出版社は返品時のコスト低減につながり、出版計画の見通しが立てやすくなる
  2. 書店はマージンが増えるほか、事前の注文が優先されて新刊部数が確保しやすい
  3. 販売会社には返品の減少による業務のスリム化ができる
  4. 読者は、書店からの注文が事前に見込めることで出版社の復刊企画につながり、入手困難な書籍の購入機会が増える-と、それぞれのメリットを強調している。

8社でスタートするが、10社程度の問い合わせがあるといい、今後は増える可能性もある。

共同で新制度を導入する利点としては「告知や販売促進、PR活動にも大きなスケールメリットが生かせる」という。

これは書店にとってはどんなメリットがあるのだろうか?

あれだけ膨大な新刊本をしっかりと目利きして仕入れをするのには、有能な仕入れ担当者が必須だろう。
その一方で、普通の商品と同じに値付けが自由に出来るのであれば、例えばセットにして売ってしまうということもできるのだろ。

どうも新制度は、単にマージンを調整しましたということのようで、確かに返品しにくくなるから、多少なりとも書店の目利き能力は要求されるのだろうが、そこに書店間の経営力の差が出てくるほどのものではあるまい。
書店にとっては、メリットはわずかで、リスクは高い、ということになるのではないのか?

それに、同じ本の原価を二種類にして、売価は同じでは顧客にとっては全くメリットが無いことは明らかで、書店が売れば客は買う、と断じないとこんな選択は出来ない。

出版社というか、出版業界は何を考えているのだ?

7月 6, 2009 at 09:16 午後 経済・経営 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2009.07.05

謎の国ミャンマー

「神奈川県警・北朝鮮・ミャンマー・中国・・・・」に潘基文(バンキムン)事務総長がミャンマーを訪問しているとの記事を紹介しましたが、結論は不毛であったようです。
朝日新聞より「ミャンマー軍政「拒否」貫く 国連総長、実りなき訪問

ミャンマー(ビルマ)の軍事政権は、民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさんとの面会など、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長からの要求をことごとくはねつけた。

ミャンマー情勢をトップ外交で動かそうとした国連側の狙いは、実を結ばなかった。
今後、国連のミャンマー外交が行き詰まるのは必至で、民主化運動の支援者らは別の道も探り始めた。

「面会は重要だ。ぜひ検討してほしい」。
4日午前、軍政トップのタン・シュエ国家平和発展評議会議長との2度目の会談で潘事務総長は、前日に了解を取り付けられなかったスー・チーさんとの面会の実現を繰り返し訴えた。

だが、国連の圧力に屈したとみられることを警戒する軍政側は、最後まで拒否の姿勢を貫いた。
前日の会談は2時間近くに及んだが、この日はわずか25分で終わった。

会談後、同行記者団が待つ首都ネピドーの空港に到着した潘氏は、「面会が実現しなかったという報告となり、申し訳ない」と悔しそうに顔をゆがめた。

国連側が今回の訪問で最もこだわったのが、刑事訴追され勾留(こうりゅう)中のスー・チーさんとの面会だった。
唯一の実現できそうな成果であり、象徴的な意味を持ちうるものだったからだ。

訪問前にいい感触があったわけではない。6月下旬にガンバリ国連事務総長特別顧問がミャンマーを訪れて事前調整をしたが、民主化に向けた協力について、軍政側から特段色よい返事はなかったという。

それでも潘氏が訪問に踏み切ったのは、昨年5月のサイクロン直後の訪問で政治課題に何ら触れず、批判されたことへの潘氏自身のこだわりがあった。また、周囲には「事務総長が動けば何か変わるのでは」との期待があった。

しかし、「リスクは承知の上」(国連幹部)で出た賭けは結局、成功しなかった。
国連側が求めた来年の総選挙までの全政治犯の釈放、公正で透明な選挙の実現に向けた環境整備についても、具体的な答えは得られなかった。

国連側は「軍政トップに直接国際社会の声を届け、これだけ詰めた議論をできるのは事務総長だけ」と主張。
潘氏も4日夜、「メッセージは伝わったと思う。(スー・チーさんに)会えなかったことを成功、失敗の基準にすべきではない」と述べたが、トップ会談でも事態が打開できなかったことで手詰まり感は強まっている。

「内政干渉」を嫌う中国などの反対で、国連安全保障理事会を通じた強い圧力が望めない中、事務総長を筆頭とする国連事務局による交渉が貴重な手段である状況に変わりはない。
だが、「成果」と呼べるものを何一つ持ち帰れなかった今回の訪問は、欧米諸国や人権団体などのさらなる非難を招きそうだ。

■「今は裁判中」繰り返し強調

軍政トップのタン・シュエ議長は4日、スー・チーさんとの面会を求める潘事務総長の要請を拒絶した際、スー・チーさんが裁判中であることを繰り返し強調した。

「ほかの時期なら喜んで許可したが、今は裁判中だ。司法に介入するわけにはいかない」

スー・チーさんの訴追で国際的な非難が高まる中、外交筋の間では、軍政は最後には面会を許すとの見方があった。議長が3日の会談で即答を避け、4日に改めて会談に応じたのも、ぎりぎりまでじらして「面会カード」の値をつり上げ、国際社会からの圧力緩和に最大限に利用する戦略との見立てだ。

だが軍政は、裁判中であることを盾に最後まで譲らなかった。

「軍政はスー・チーさんの問題を、最後まで司法の問題として押し通そうと腹を決めたようだ」。外交筋は軍政側の姿勢をこう読み解く。

軍政はこれまで、自宅軟禁やその延長を自ら決めたことで非難を浴びてきたが、「司法手続きは政府の意向とは無関係」と主張することで、批判をはねつける戦略だというのだ。

裁判所が禁固刑を言い渡した後に軍政が「恩赦」し、自宅軟禁に「減刑」すれば国際社会に対する絶好の「譲歩」のアピールにもなる。軍政のそんなシナリオすら指摘する関係者もいる。

だがいずれにせよ、国連トップの直談判でも譲歩しなかった軍政を今後、国際圧力で動かすのは難しいとの見方が強まっている。

民主化運動を支援する人権団体などからは、今回の事務総長の訪問を「タイミングを見誤った」と批判する声も出始めた。亡命先のタイで民主化運動に取り組む男性(43)は「国連は軍政のトリックにはまった。今回の訪問は完全に失敗だ」と話した。

海外を拠点に民主化を訴える亡命ビルマ人団体の多くは「国連だけの外交努力は限界を迎えた」と指摘する。その一部はすでに、軍政の国民への弾圧行為を国際戦犯法廷に刑事訴追するよう各国に働きかけるなど、国連の場だけに頼らない運動を始めた。
(ネピドー〈ミャンマー中部〉=松下佳世、バンコク=山本大輔)

潘事務総長に対しては「何もやらない」という評価が定着しつつあって、一発逆転を狙ったのかな?という印象も受けますが、その逆に絶対に事態が動きそうもないミャンマーに行って「公称したけどダメだった」という結果が出ないことをあえて実績稼ぎにしようとしたのか?とも感じます。

それにしてもミャンマーの軍事政権は手強いですね。

会談後、同行記者団が待つ首都ネピドーの空港に到着した潘氏は、「面会が実現しなかったという報告となり、申し訳ない」と悔しそうに顔をゆがめた。

会見の写真は公開されていますが、この一行から読み取れるのは記者団は空港に止められたということです。

再度、ネピドーの画像で説明します。

Up

画面の中央がピンマナ駅です、南側の赤丸で囲ったところが空港、右上の赤丸で囲った湖の周辺が先に建設された地域で、拡大してみると同じ形ですが、邸宅といった感じで巨大な建物が並んでいます。大きな建物の長さは150メートルぐらいですから本質的にはビルディングだと思いますが、なんで点在しているのか少なくともビジネスセンターとは言いがたいです。
左側に南北に連なっている建物は、後から出来ました。ピンマナ駅を通る鉄道は南北に通っていて、街道も続いています。
つまり、新たに建設された建物は旧市街地や鉄道からわざと距離を離して建てた、と見ることが出来ます。

Up1

記者団が留め置かれたと考えられる空港がこの画像です。

空港の建物としては、せいぜい50メートル×20メートル程度のものが一つ、駐機場は200メートル×150メートル程度なのですから、日本のローカル空港でもちょっと見られない規模です。しかし、滑走路の長さは3000メートル以上あるようで非常に異様であります。

7月 5, 2009 at 10:31 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.07.04

神奈川県警・北朝鮮・ミャンマー・中国・・・・

朝日新聞より「不正輸出未遂事件、北朝鮮本国が指示か神奈川県警捜査

核やミサイルなど大量破壊兵器(WMD)開発に転用可能な装置のミャンマー(ビルマ)への不正輸出未遂事件で、神奈川県警が逮捕した北朝鮮系商社社長への指示は、北朝鮮本国からだった疑いが強いことが3日、捜査関係者への取材で分かった。県警は装置を本国ではなくミャンマーに送らせようとしたとみており、北朝鮮が関係国に軍事技術を供与する一環だった可能性が出てきた。

県警外事課が外為法違反(無許可輸出未遂)の疑いで逮捕したのは北朝鮮系商社「東興貿易」(東京都新宿区)社長(41)と、同渋谷区の商社「大協産業」社長(57)、同目黒区の計測機器メーカー「理研電子」社長(75)の計3容疑者。
08年9月、東興貿易社長が発注した磁気測定装置をミャンマーに輸出しようとしたが、経済産業省への申請を求められたため断念。
09年1月にマレーシアに送ると見せかけて、再びミャンマーに送ろうと計画した疑いがある。

捜査側関係者によると、装置をミャンマーに送るよう東興貿易社長に指示していたのは、WMD開発などへの関連が疑われる企業などをまとめた経済産業省のリストに記載がある「東新国際貿易有限公司」(本社・香港)の北京事務所だったという。
同社は北朝鮮・平壌にも事務所を持ち、北朝鮮の政府機関「第2経済委員会」の管理下にあるとみられている。

同委員会は非公開組織で、中東やアフリカへミサイルなどの武器を輸出することで外貨を稼ぐなど、北朝鮮の軍需経済を管理しているとされる。

一方、東興貿易社長らが当初、ミャンマーの受け取り主として申告したのは、政府機関の「第2工業省」だった。
2月の家宅捜索で押収した資料を分析した結果、東興貿易社長はこれまでも複数回にわたり、WMD開発に利用できる日本製機器をミャンマーに不正輸出していた疑いも浮上している。

こうした状況から、県警は東興貿易社長への指示は北朝鮮本国の意向だったと分析。

北朝鮮がミャンマーにWMD開発の技術を供与する過程で、関連装置を日本からミャンマーに送ろうとしていたのではないかとみている。

商社関係者の一人は朝日新聞の取材に、「装置はミャンマーで変圧器製造に使うと聞いた」と疑いを否定している。

■武器開発で協力、ミャンマーも?

北朝鮮はこれまでも、パキスタンやシリアといった国の核やミサイル開発に関与することで、自国の技術も向上させてきた疑いがある。

08年には中東などに、約1億ドル相当のミサイル技術などの武器を輸出したと韓国紙が伝えたほか、防衛省も4月のミサイル発射について検証した報告書で、北朝鮮のミサイル開発の急速な進展について、「他国からの技術・資材の流入や、ミサイルを輸出した国での試験結果の利用が考えられる」と指摘した。

北朝鮮とミャンマーが国交を回復させたのは07年。

韓国の閣僚やミャンマー政府関係者らが北朝鮮工作員の爆弾テロで殺された83年のラングーン事件をきっかけに、北朝鮮とミャンマーの国交は断絶していた。だが、北朝鮮側が00年以降、回復を求めてミャンマーへの働きかけを強めた。
ミャンマー側は北朝鮮からの武器輸出を、北朝鮮側はミャンマーの天然資源や食料を求めての結果とみられている。

ともに米国などへの反発から国交を回復させたとも言われ、国交回復当初から北朝鮮の軍事技術流出の懸念が指摘されていた。

〈磁気測定装置〉大量破壊兵器(WMD)の開発につながる輸出を制限するキャッチオール規制の対象となっている。
内蔵するセンサーで、磁石の磁力や機械の磁気などを測定する。ウラン濃縮を行う遠心分離器の調整や、ミサイルの飛行精度向上にも使われるとされる。

ミャンマーは、アウンサンスーチー女史を軟禁していることなどで知られる、謎の軍事独裁政権国家です。

Photo

Google Earth の画像は、首都ネピドー(ピンマナ)付近を示しています。
ピンマナ駅と書かれている付近が昔からのピンマナの街で拡大すると立派な寺院や、大規模な駅などがある大きな街であることが分かります。
そして同時に密集した家屋が、いかにも普通の街であることを示していますが、軍事政権が行政機関を移転して新首都のネピドーとしたのは、どうもその周辺に新たに道路を広げて作った一連の建物のことのようです。

ピンマナ駅を取り囲むような感じで、左下から右上に延びている道沿いに果物の蔓のような感じの道と、果物のなら房にあたる道路からちょっと引っ込んで作られているのが建物です。
大きく拡大してみると、同じような建物がかなりの距離を置いて作られており、まるで陣地のような作り方です。

ミャンマーは旧首都ヤンゴンなど海岸がベンガル湾に面しているのでインド方面への軍事進出を拡大している中国が港の整備と中国からの交通網整備をしていると伝えられています。

新聞記事にあるように、ラングーン事件で北朝鮮と国交断絶が続いていたのですが、国交が回復したのはとにかくとして、中国が北朝鮮がミャンマーを舞台に軍事的な冒険を許すのか?と思います。

共同通信より「北朝鮮船、台湾海峡通過し帰還か ミャンマー要請で航路変更

【ソウル3日共同】
韓国のYTNテレビは3日、ミサイル部品や核関連物資を積載した疑いがあるとして米軍が追跡していた北朝鮮船舶「カンナム」が2日に台湾海峡を通過して北朝鮮の方向に向かっていると報じた。外交消息筋の話として伝えた。

同テレビによると、カンナムはミャンマーに向かっていたが、同国当局の要請で航路を変更。

同国当局が今回の事態に関する補償を約束したとみられる。米軍は無理に貨物検査を行わない方針だ。

カンナムは6月17日に黄海側の北朝鮮南浦港を出港した。

だそうですが、一方では。朝日新聞より「北朝鮮・ミャンマーが軍事協力合意か 米政府系放送報道

【バンコク=山本大輔】
米政府が支援する「自由アジア放送」(電子版)は3日、ミャンマー(ビルマ)軍事政権ナンバー3のトゥラ・シュエ・マン大将が昨年11月に北朝鮮を訪問し、軍事訓練や武器生産などの軍事協力に合意していたと、署名式の写真つきで報じた。

同放送が入手したという37ページに及ぶ軍政の「機密文書」によると、「ミャンマー軍の近代化と軍事能力の強化」が目的。大将は平壌で北朝鮮の金格植(キム・ギョクシク)・人民軍総参謀長(当時)と会談し、軍用機や艦艇の地下格納施設建設、武器の近代化などで協力するための覚書に署名した。

東京新聞より「ミャンマー議長 政治犯解放即答避ける 国連総長とトップ会談

【バンコク=古田秀陽】
国連の潘基文(バンキムン)事務総長は三日、ミャンマーを訪問し、首都ネピドーで軍事政権トップのタン・シュエ国家平和発展評議会議長と会談。最大都市ヤンゴン郊外で拘置中の民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさん=国家防御法違反罪で審理中=を含む政治犯の解放などを要請したが、議長は即答を避けた。

軍政側には来年実施予定の総選挙を前に、国連トップと内政問題について会談することで、国際社会に対する協調姿勢を示し、批判をかわす狙いがあるとみられるが、同日の会談では前向きな回答は示さなかった。

潘氏は回答が得られなかった政治犯解放などの要請について、同議長に再度の会談を要求。軍政側がこれを受け入れ四日午前、二度目の会談が開かれる。

潘氏は三日の会談後、総選挙前に二千人以上とされる政治犯全員の解放に加え、軍政と民主化勢力との対話再開や公正で透明な総選挙実施の環境づくりなどを要請したと、同行記者団に明らかにした。総選挙について、潘氏は「公正で透明な選挙を保証するとの確約を得た」と述べたが、軍政が今後、国連の選挙監視要員受け入れなどを拒否する可能性は残る。

また、潘氏はスー・チーさんとの面会を同議長に要求。議長は「彼女は裁判中だ」とし、面会を検討するとみられるが、四日夜の帰国までに実現するかは不透明だ。

今回の潘氏の訪問について人権団体などからは、国際社会からの批判をかわす材料として「軍政に利用される危険性が高い」との批判が出ており、潘氏自身も「非常に難しい任務」としていた。

潘氏は昨年五月のサイクロン被災後の初訪問で、タン・シュエ議長に会い、外国人支援要員の受け入れを軍政に認めさせた。
だが、今回のスー・チーさんらの解放などは内政に深く立ち入る問題で、ヤンゴンの外交筋は「軍政がそこまで譲歩するとは考えにくい」と指摘している。

このような事が同時に進行しています。
中国は、インド洋方面への進出が出来れば、ミャンマーなどの国内の状況などはどうでも良いと考えているのでしょうか、北朝鮮に利用されることを黙認するものでしょうか?
そのようなことを考えると、けっこう複雑な国際関係が今回の事件の裏側にはあるように思います。

7月 4, 2009 at 09:55 午前 海外の政治・軍事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.07.02

印鑑商法の裏側

朝日新聞より「印鑑商法事件、信者に給与名目の現金 統一教会に上納か

印鑑販売会社「新世」(東京都渋谷区)が不安をあおって印鑑を売りつけたとされる事件で、新世が、勤務の実態がないのに、少なくとも100人以上に給与名目で年間計数千万円を振り込んでいたことがわかった。捜査関係者が明らかにした。

いずれも世界基督教統一神霊協会(統一教会)の信者といい、警視庁公安部は、新世の販売収益の一部が個人献金の形で統一教会側に流れていたとみて裏付けを進めている。

東京地検は1日、法人としての新世と、社長(51)、営業部長(40)の両容疑者を特定商取引法違反(威迫・困惑)の罪で起訴した。販売員の女5人は同罪で略式起訴され、同地検によると、いずれも罰金100万円を納めたという。

捜査関係者によると、新世から振り込みがあった口座の名義人のうち約70人は、新世で働いていた実態がなかった。

1日程度働いたことが確認できた者を含めると、「給与」を受け取っていたのは百数十人にのぼるという。

また、ほとんどのケースで、振り込み直後に口座からほぼ全額が引き出されているという。

公安部は、信者が現金で、統一教会側に「上納」していたとみている。

社長が頻繁に、統一教会の南東京教区長を務めていた幹部(50)から印鑑の販売について指示を受けていたことがすでに判明している。

公安部は今後も、幹部が違法な販売活動に関与していたかどうかを調べる。

社長(51)、営業部長(40)の両容疑者を特定商取引法違反(威迫・困惑)の罪で起訴した。に出てくる特定商取引法の該当条文は以下です。

第6条(禁止行為)

販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の締結について勧誘をするに際し、又は訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、次の事項につき、不実のことを告げる行為をしてはならない。

  1. 商品の種類及びその性能若しくは品質又は権利若しくは役務の種類及びこれらの内容その他これらに類するものとして経済産業省令で定める事項
  2. 商品若しくは権利の販売価格又は役務の対価
  3. 商品若しくは権利の代金又は役務の対価の支払の時期及び方法
  4. 商品の引渡時期若しくは権利の移転時期又は役務の提供時期
  5. 当該売買契約若しくは当該役務提供契約の申込みの撤回又は当該売買契約若しくは当該役務提供契約の解除に関する事項(第九条第一項から第七項までの規定に関する事項を含む。)
  6. 顧客が当該売買契約又は当該役務提供契約の締結を必要とする事情に関する事項
  7. 前各号に掲げるもののほか、当該売買契約又は当該役務提供契約に関する事項であつて、顧客又は購入者若しくは役務の提供を受ける者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの
  1. 販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売に係る売買契約又は役務提供契約の締結について勧誘をするに際し、前項第一号から第五号までに掲げる事項につき、故意に事実を告げない行為をしてはならない。
  2. 販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約を締結させ、又は訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、人を威迫して困惑させてはならない
  3. 販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売に係る売買契約又は役務提供契約の締結について勧誘をするためのものであることを告げずに営業所等以外の場所において呼び止めて同行させることその他政令で定める方法により誘引した者に対し、公衆の出入りする場所以外の場所において、当該売買契約又は当該役務提供契約の締結について勧誘をしてはならない。

第6条の2(合理的な根拠を示す資料の提出)

主務大臣は、前条第一項第一号に掲げる事項につき不実のことを告げる行為をしたか否かを判断するため必要があると認めるときは、当該販売業者又は当該役務提供事業者に対し、期間を定めて、当該告げた事項の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。この場合において、当該販売業者又は当該役務提供事業者が当該資料を提出しないときは、次条及び第八条第一項の規定の適用については、当該販売業者又は当該役務提供事業者は、同号に掲げる事項につき不実のことを告げる行為をしたものとみなす。

第70条

次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

  1. 第六条第一項から第三項まで、第二十一条、第三十四条第一項から第三項まで、第四十四条又は第五十二条第一項若しくは第二項の規定に違反した者
  2. 第八条第一項、第十五条第一項、第二十三条第一項、第三十九条第一項から第三項まで、第四十七条第一項又は第五十七条第一項の規定による命令に違反した者

第71条

次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

  1. 第六条第四項、第三十四条第四項又は第五十二条第三項の規定に違反した者
  2. 第三十七条又は第五十五条の規定に違反して、書面を交付せず、又はこれらの規定に規定する事項が記載されていない書面若しくは虚偽の記載のある書面を交付した者

社長と部長の逮捕容疑は、二年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科に該当ということですね。

で、公安部は、信者が現金で、統一教会側に「上納」していたとみている この部分は、統一教会本体への捜索のとっかかりということでしょう。
今後どういう展開になるのか、非常に注目するべきだと思います。

7月 2, 2009 at 08:59 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.06.30

国際自動車のタクシーが・・・・・

読売新聞より「国際自動車、事業許可取り消しへ…大手タクシーで初

大手タクシー会社「国際自動車」(東京都港区)が、国土交通省関東運輸局の監査で運転手の違法な超過勤務を指摘され、来月16日に聴聞を受けることがわかった。

聴聞の結果、違反事実が確定した場合、一般乗用旅客自動車運送事業者としての許可が取り消される見通し。大手タクシー会社の事業許可が取り消されれば初めてとなる。

国交省などによると、今年2月に同社赤羽営業所に監査を行い、タクシー運転手の勤務実態を調べたところ、違法な超過勤務が見つかったという。

道路運送法に基づく処分基準では、3年間で一定の累積違反に達すると事業許可の取り消し処分を受けるが、監査の結果、同社の違反点数が規定の水準に達したため、国交省は聴聞を行ったうえで処分する方針を固めた。

同省によると、同社は現在、タクシー321台、ハイヤー589台を所有しており、事業許可が取り消されると、営業が出来なくなる。

国際自動車役員室は「聴聞への対応や、事業停止処分を受けた場合の対応については、現在社内で検討中」としている。

この記事だと、事業許可取消確定のよう感じですが、日経新聞の記事はちょっと違う感じになっています。「タクシー大手、国際自動車の免許取り消し検討 関東運輸局

国土交通省関東運輸局が、タクシー大手の国際自動車(東京・港)の事業者免許取り消しを検討していることが30日、同局への取材で分かった。

過去3年間の監査で、運転手の拘束時間や、乗務距離などの累積違反点数が道路運送法が定める取り消し基準の80点に達したためという。

来月16日に同社の言い分を聞く「聴聞」を実施した上で、8月中にも処分を決定。

一度免許取り消しになれば、2年間再申請できないが、聴聞の結果によって「事業停止」など処分が軽くなる可能性もあるという。 (16:00)

タクシー321台、ハイヤー589台を所有ということは、もし所有台数の倍のドライバーが居るのなら、1820人の職が無くなるとも言えるわけで、少なめに見積もっても1000人以上ですよね。

会社の失態による行政処分でいきなり仕事が無くなるというのは、大問題ですね。

6月 30, 2009 at 10:45 午後 国内の政治・行政・司法 | | コメント (4) | トラックバック (0)

GMトヨタも大変だ

Bloomberg.co.jp より「米GM:トヨタとの米加州合弁から撤退-将来の製品計画で合意できず

6月29日(ブルームバーグ):

経営再建中の米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は29日、カリフォルニア州フレモントにあるトヨタ自動車との合弁工場で今後生産する製品についてトヨタと合意できなかったとし、合弁事業から撤退すると発表した。

「ポンティアック」ブランドの小型車「バイブ」やトヨタのハッチバック「マトリックス」を生産する合弁工場ニュー・ユナイテッド・モーター・マニュファクチャリング(NUMMI)は8月にGM車の生産を打ち切る。

GMはトヨタの生産について学ぶ方法として、1984 年にNUMMIを立ち上げた。
一方、トヨタは米国で自社の生産方式を試した。

GMの北米部門責任者、トロイ・クラーク氏は発表文で
「広範な分析の結果、GMとトヨタはあらゆる当事者にとって意味のある将来の製品計画について合意できなかった」と説明した。

今回の提携終了は、GMが1日に破産法適用による会社更生手続きを申請した後、経費節減を推進していることに伴うものだ。GMは赤字に陥っているドイツ部門オペルの大半を売却するほか、1300余りのディーラー削減、15工場の閉鎖または休止、数千人規模の人員削減を計画している。

CSMワールドワイドの産業アナリスト、マイケル・ロビネット氏は「1984年の時点では、NUMMIには明確な使命があり、トヨタとGMの双方にとって有用だった」とし、「その段階は過ぎた可能性が高い。トヨタは今やNUMMIの事業の存続性を見直さざるを得ない」と指摘した。

トヨタは29日、GMがNUMMI合弁事業からの撤退を選択し、 25年にわたる長期間に成功を収めてきた提携を終わらせることを残念に思うとし、トヨタは折半出資の合弁事業の存続を望んでいたとの声明を発表した。

IBTimes より「米GM、トヨタとの合弁会社から撤退

米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)とトヨタ自動車は29日、両社の合弁会社ニュー・ユナイテッド・モーター・マニュファクチュアリング(NUMMI、米カリフォルニア州)から撤退すると発表した。注目を集めた25年に渡る合弁事業が終了する。

GMの広報担当エレイン・レッド(Elaine Redd)氏は「(同合弁事業は)新しいGMの一部にはならない」と述べた。

GMは米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の手続き完了後、優良資産で構成される「新GM」と清算会社の「旧GM」に事業を分けて運営していく方針で、NUMMIの経営方針についてもトヨタと協議を進めていた。
しかし「将来の生産計画について合意に至ることができなかった」ため、NUMMIは「旧GM」の保有株に移されることになったという。

NUMMIでは8月末までステーションワゴン「ポンティアック・バイブ」の生産が予定されていた。
しかしポンティアックブランドは廃止が予定されており、両社の間では次に生産する車種選定のための協議が難航していた。

同工場では約4,600人の従業員が働いており、トヨタの小型乗用車「カローラ」とピックアップトラック「タコマ」も生産されている。

トヨタの広報担当ゾー・ジーグラー(Zoe Zeigler)氏は、同社がGM撤退の埋め合わせのため、NUMMIでの生産車種を増やすか、もしくは現行生産ラインの質を高めるについてはまだ決定していないと語った。

GMとトヨタは1984年、折半出資し同合弁事業を立ち上げた。GMにとってはトヨタの生産ノウハウを学ぶ機会となり、トヨタにとっては米国への進出を達成する機会となった。

Bloomberg.co.jp より「トヨタ、GMにプリウスをベースとする車種供給を提案も

6月29日(ブルームバーグ):

トヨタ自動車は再建中の米自動車メーカー、ゼネラル・モーターズ(GM)に対し、ハイブリッド車「プリウス」をベースとする1車種の供給を提案する公算がある。事情に詳しい関係者2人が明らかにした。

計画が非公開であることを理由に関係者らが匿名を条件に明らかにしたところでは、8月に予定されるトヨタの豊田章男社長とGMのフリッツ・ヘンダーソン最高経営責任者(CEO)との会談で提案が行われる可能性がある。

両社の合弁工場ニュー・ユナイテッド・モーター・マニュファクチャリング(NUMMI、カリフォルニア州)で製造するGMの小型車「ポンティアック・バイブ」は生産の打ち切りが決まっているが、関係者らによれば、これに代わる新製品として、プリウスをベースとするGMブランドの乗用車など複数の選択肢が検討されている。

世界で最も売れているハイブリッド車、プリウスをベースとする車種をGMが製造することになれば、輸入車の購入に抵抗がある消費者の獲得に役立つほか、GMが合弁工場の操業を継続する可能性が出てくる。

一方、関係者2人が今月ブルームバーグ・ニュースに語ったところでは、トヨタはミシシッピ州工場でのプリウス生産計画を棚上げにした後、NUMMIをプリウスの生産拠点とすることを検討しているという。

GMが新旧に分かれることは決定事項なので、NUMMIが旧GMになった場合は、オペル同様に売却といったことになりますから、結果として合弁解消になります。
もちろん、合弁事業の継続が出来ないから旧GMに移行するということもあるわけで、ニワトリと卵の関係です。

そこにNUMMIでプリウス生産では、当事者(4000人)にとっては疑心暗鬼になってしまいそうですね。厳しいものですね。

6月 30, 2009 at 12:14 午後 もの作り | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.06.29

松本引越センター元会長・またも偽造小切手事件に関与?

産経関西より「松本引越センター元会長、偽造小切手の購入打診 200億円を10億円

ゾウのマークで知られた「松本引越センター」(大阪府四條畷市、破産手続き中)の元会長(74)らが、額面200億円の偽造小切手のコピーを兵庫県伊丹市の運送会社に示し「10億円で購入する人がいないか」と持ちかけていたことが28日、分かった。

元会長は産経新聞の取材に「本物と思って話しただけ。偽造とは知らなかった」と釈明しているが、持ちかけられた運送会社の関係者は、一連の経緯を大阪府警に情報提供しているという。

運送会社の男性社長によると、元会長は6月初め、旧第一勧業銀行(現みずほ銀行)で平成8年1月に振り出されたとする額面200億円の偽造小切手のコピーを見せ、「これは本物だ。購入する人がいないか」と打診。
男性社長は数日後、「まずコピーがほしい」と要求すると、「30億~40億円の話だが10億円でいい」と答えたという。

元会長はその後、男性社長にコピーを渡したうえ、同月15日に「実物を見せたい」と話したという。
翌16日に元会長の代理を名乗る男ら2人が、小切手について「韓国の政界に流れていたものが日本に持ち込まれた。極秘の裏金なので、銀行は簡単に換金に応じない」と男性社長に説明した。

産経新聞が小切手のコピーを入手、みずほ銀行に照会したところ、同行経営企画部は「記載の振出日に200億円の小切手が振り出された事実はなく、印影も異なるなど明らかに偽造」としている。

元会長は取材に対し、「(ある人から)コピーをもらったから、持っているという話を(男性社長に)しただけ。向こうが売ってくれと言うから10億円で、ということになった」と話した。

松本引越センターをめぐっては19年9月、元会長の長男の元社長=当時(43)=が自殺したのに続き、元会長が総額6億円の個人名義の手形を振り出し、無断でグループ会社2社に裏書保証させていた問題が表面化。
同社は昨年9月、民事再生法の適用を大阪地裁に申請したが再建を断念した。

2008年4月6日の記事、「手形偽造事件拡大」と同じような事をまたやった、という印象が強いですね。

どうも上場企業の手形(小切手)偽造グループに元会長がガッチリと絡んでいるのでは無いでしょうか?
しかも、単なる個人レベルの仕掛けではなくて、本当に大企業の役員レベルが関係しているようなので、どうもM資金事件と同様な本格的(?)な偽装事件の一角なのではないのか?と感じます。

6月 29, 2009 at 09:37 午前 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.06.27

痴漢事件・落とし所が難しい

サンケイ新聞より「痴漢認めた同大生を即釈放 1カ月後に現行犯逮捕 京都・伏見署

京都市内の地下鉄駅構内で今月5日、女子高校生の体を触ったとして京都府迷惑防止条例違反容疑で現行犯逮捕された同志社大学2年の男(20)=同条例違反罪で起訴=が、この約1カ月前にも電車内で女性の体を触ったとして取り押さえられながら、伏見署が任意捜査にとどめてその日のうちに帰宅させ、起訴の1日前になって書類送検していたことが27日、捜査関係者への取材で分かった。

男は昨年10月にも電車内で痴漢行為をしたとして大阪府警に逮捕されていたが、伏見署は「逃亡などの意志はなく、捜査に問題はなかった」としている。

男は5日朝、同市上京区の市営地下鉄今出川駅で、改札口を出た高校1年の女子生徒(15)の胸をすれ違いざまに触ったとして、駆けつけた上京署員に現行犯逮捕された。

上京署によると、男は「以前からずっとやっていた。おとなしそうな女性を狙った」として約20件の痴漢行為を自供。さらに「電車内では逃げ場がなくて捕まった。今回は逃げられるように初めて車外でやった」と供述したという。

一方、男は5月8日朝、京阪電車の出町柳発中之島行き快速急行の車内で、隣に座っていた大阪府枚方市の女性会社員(33)の胸を触ったとして乗客に取り押さえられ、丹波橋駅(同市伏見区)で駅員を通じ伏見署員に引き渡された。

伏見署によると、このとき男は「間違いなくやりました」と痴漢行為を認め、男が述べた住所に間違いがないことも確認。男は昨年10月にも、枚方市内を走行中の京阪電車内で同様の痴漢行為をしたとして大阪府警に逮捕され、その後罰金30万円の略式命令を受けていたが、同署は逮捕要件に該当する逃亡や証拠隠滅の恐れはないと判断し、逮捕せず帰宅させたという。

男は今出川駅の事件をめぐり今月23日に起訴されたが、伏見署は前日の22日になって5月の事件を書類送検。今出川駅の事件と併せて起訴された。

一連の経緯について、伏見署の小林晃副署長は「(5月の事件は)逮捕の要件に当たらず、任意捜査で十分と判断した。当時の捜査に問題はなく、その後も捜査を続けていた」としている。

また、男が通う同志社大は、5月以前の事件について「把握できていなかった」とする一方、「あくまで個人の起こした事件だが、本人と面会して事実確認ができ次第、教授会で処分を検討したい」としている。

サンケイ新聞の記事のトーン「常習犯なのだから即釈放は問題だ」といったところなのでしょうが、今回「約20件の痴漢行為を自供」というのは厳しく取り調べられたからなのでしょう。

時系列を整理すると

  • 昨年10月 京阪電車内 罰金30万円
  • 5月8日 京阪電車内
  • 6月5日 地下鉄駅構内
  • 6月22日 5月の事件を書類送検
  • 6月23日 5月の事件で起訴。6月5日の事件でも起訴

まあ忙しいヤツです。

こんなのはちょっとでも長く留置場に入れておけ、という意見もあるとは思いますが、手続的には釈放で妥当でしょう。
確かに結果を見ると、何とかしろよ、という感じはありますが、それは結果論ですからね。

しかし本当にしょうもないヤツだな。

6月 27, 2009 at 05:26 午後 事件と裁判 | | コメント (0) | トラックバック (0)

日経新聞社説を元に論じる

日経新聞社説より「派遣労働者のためにならぬ民主改正案(6/27)

民主党は派遣労働者の身になって制度改革をしようとしているのか。そうした疑念を抱かざるを得ない法改正案が国会に提出された。

民主、社民、国民新の野党3党が26日、衆院に提出した労働者派遣法の改正案がそれだ。製造業への派遣や、仕事があるときに労働契約を結ぶ登録型派遣を事実上、禁止する内容である。

これは民主党が当初に示した改正案と異なる。昨秋の時点では、雇用契約の期間が2カ月以下の派遣は禁ずるが、製造業への派遣は認める内容にしていた。
民主党はこの法案を単独で国会に出す方針だった。

規制を大きく強める内容に変えたのは社民、国民新党との連携を重視したためだ。

この両党はもともと大幅な規制強化を唱えていた。今月に入り、3党幹部が共同提案することに合意し、民主党は

  1. 専門的な仕事を除いて製造業への派遣を禁ずる
  2. 26の専門的な仕事以外は常用雇用とする

の2点をつけ加えた。

規制強化が実現すれば、たとえば「働きたいときに働く」という選択肢を希望する人は困ることになる。

もちろん、自らの意に反して登録型派遣に甘んじている人を救う手立ては必要だ。

しかし、この働き方そのものを否定するのは労働形態の多様化という時代の流れに反する。

派遣労働者などでつくる労働組合のひとつ、人材サービスゼネラルユニオンは、登録型派遣を残すべきだと主張してきた。こうした声に耳を傾けるのが労組も支持母体とする民主党の役目ではなかったのか。

3党の改正案が今国会で成立するかどうかは微妙だ。だが成立しなくとも共同提出した事実は重い。
政権の座をねらう民主党の方針を今後も縛ることになるからだ。

労働者派遣の問題にかぎらない。
26日成立した日本政策投資銀行法の改正をめぐり民主党は、政投銀の完全民営化の撤回を主張した。
その後の与野党による法案修正で3分の1を上回る政投銀の株式を政府が持ち続ける選択肢が盛り込まれた。

政府系金融機関には日本政策金融公庫もある。政投銀の民営化路線の後退は、経営が悪化した大企業への公的支援を歯止めなく繰り返す危険にもつながる。
官僚の天下りの受け皿にならぬ保証もない。

郵政民営化でも同党は「ゆうちょ銀行」などの株式売却の凍結を打ち出すという。
ここでも反民営化を旗印に掲げる国民新党との選挙協力を優先した。
選挙をにらんだ民主党の社民、国民新両党への妥協路線には、危うさがつきまとっている。

日経新聞が産業界・財界よりだから社民、国民新党の天然とも言うべき資本・労働観に反発するのは当然としても、労働形態の多様化という時代の流れに反する。というのは正しいのか?

労働形態の多様化を促進すると日本の将来に希望が持てるのだろうか?

派遣労働が労働の質の著しい低下を招いているのが現実と言うべきだろう。
高度経済成長時代・終身雇用制度のもとで労働の質的向上が恒常的に続いてきたことが、主に製造業において世界をリードする品質を生みだしたといって間違えあるまい。

さらには、個別の業種の消長が次の業種を生み出すときにも、個人の優秀さが次世代産業への人材供給源にもなった。

世代を受け継ぐ貧困などというのは、19世紀のころの話であって社会全体としてどうやって質を高めるのか?と継続して努力する(強制すると言って良い)社会にするのか?が政治の最大の課題だろう。

それは、労働形態の多様化を前提にしてなり立つことなのか?

確かに、終身雇用制で自分に合わない仕事を障害続けるといったことは個人にとって地獄であるだろうが、そこを全くの自由にして、就職も退職も自由とした場合、平均すれば労働の質が向上する(労働者の個人スキルが向上する)ことは無いだろう。

労働の質を高めるために、各企業での教育訓練は欠かすことが出来ないし、それは派遣労働が持っている「一時的な労働提供」では成立しない。

逆に言えば、派遣労働に要求する労働の質(労働者の能力)は極めて高く、企業内訓練ではカバーできないような分野に限定してしまうことが、教育訓練を企業に強いる事になるだろう。
そうすれば、社会全体として質の高い労働力を維持できる。

つまり、「労働形態の多様化という時代の流れに反する。」といった論調では思考停止に陥っているというべきだ。

派遣労働者の最低賃金を時給1万円以上、とかにしたらどうだろう。

6月 27, 2009 at 11:47 午前 経済・経営 | | コメント (11) | トラックバック (0)

2009.06.26

787・6月の初飛行は実現せず

FujiSankei Business iより「787初飛行、5回目のお預け 納入時期未定、ボーイング株急落

米ボーイングは23日、今月30日を目標としていた次世代中型旅客機787(ドリームライナー)の初飛行を延期し、航空会社への納入時期も向こう数週間未定だと発表した。

これを受け、23日の米株式市場で同社の株価は昨年11月以来最大の下げとなった。

同社民間航空機部門のカーソンCEO(最高経営責任者)はこの日の電話会議で、主翼よりも上の胴体部分に想定を上回る負荷がかかっている状況が判明したため、初飛行延期を決めたと述べた。

今回で初飛行の延期は5回目。

初延期となった2007年10月以降、ボーイングの株式時価総額は半分余り減少している。

カーソンCEOは今月16日、同日にも787が「飛行できる」との認識を示し、月末までに飛行実施する計画を強調していた。
同CEOはこの日、16日時点でボーイングは問題を把握していたが、19日まで飛行延期を決定しなかったと説明した。

787は来年1~3月期の納入が計画されている。

DAデービッドソンのアナリスト、J・B・グロー氏はインタビューで「初飛行延期で少なくとも納入開始が数カ月遅れる」と指摘し、「最良のシナリオでも開始は2010年半ばだろう」と語った。

787型機の複合材主翼のメーカーは三菱重工業で、同主翼と結合する胴体部品を製造するのは富士重工業。
問題となっている部分には両社とボーイング製品が使われており、これら3社が解決に向けて取り組んでいると、同機を担当するボーイングのゼネラルマネジャー、スコット・ファンチャー氏は説明した。
同氏によれば、初飛行の新たな時期は「向こう数週間以内に」明らかにする。

787は、材質を工夫することで同社の従来機に比べて20%燃費効率を高めた点が特徴。
今回、問題となっている部分について、同社は比較的修正は簡単で、飛行機全体の重量を増やすことにはならないとしている。

ノースウエスト航空と合併し世界最大の航空会社となったデルタ航空の広報担当者は、今回の初飛行延期を受け、「787の発注については何の変更もない」と説明した。
同社は787を18機発注しており、2013年に初めての納入される予定。
同氏は納入スケジュールについて、「ボーイングと緊密に連絡をとっている」とした。(Drew Benson)

Bloomberg

technobahnjapan より「B787構造欠陥問題、問題箇所は三菱重工の製造部品

009/6/26 00:25

ボーイングが開発中の次世代旅客機、B787で新たに見つかった構造上の欠陥(強度不足)は日本の三菱重工 (7011) が生産を請け負った主翼を機体本体とを接続する構造部分であることが24日までに明らかとなった。

英航空専門誌「フライトグローバル」によると、構造上の欠陥が見つかったのは具体的には、三菱重工が生産した「Section 12」と呼ばれている主翼構造部品。

「Section 12」には主翼構造を支えるストリンジャー(stringer)と呼ばれる梁が主翼の先端から付け根まで通っており、ストリンジャーキャップを通じて機体本体と接合が行われている。
しかし、規定値の120~130%の負荷をかけたストレステストの結果、「Section 12」の上部ストリンジャーキャップの一部に損傷が生じ、ストレス要件を満たすことができないことが判った模様だ。

ボーイングでは当初、主翼のストレステストの結果、ストリンジャーキャップに生じた損傷は軽微なもので深刻な問題ではないと判断をしていたが、その後、実施された詳細検査の結果、ストリンジャーキャップの強化が必要であるという判断に至ったとしている。

「Section 12」の上部ストリンジャーキャップの強化を行う場合、既に完成した飛行テスト用の2機(ZA001/ZA002)に関しては再び製造工程に戻して主翼部分の接合をし直す必要が生じる。また、「Section 12」の上部ストリンジャーキャップの強化は単に強化を施せば良いという性格のものではなく、強化を実施した場合には再び、主翼のストレステストまで戻って品質検査をやり直す必要性が生じることとなり、B787の製造開発は大幅な後退を余儀なくされることとなる。

今のところ、新たに見つかった機体の構造問題に関連してボーイングからは納期再延長の正式発表は行われていないが、状況的に顧客納期が数ヶ月から半年程度の遅延が生じるのは必至な状況だ。

製造・製法のミスであれば作り直せば良いわけですが、荷重を掛けたら破損したというのでは、設計の失敗なのでありましょうか?

日本でも、自衛隊の新型輸送機C-Xが似たような強度不足で2007年7月にロールアウトしましたが、現在に至るまで飛行せずに改修中です。

あまりにギリギリなところを狙って、設計上の見逃しや検討不足が現物を作ってから明らかになる、といったところがあるのでしょうか?

787は軽量化による大幅な燃費向上がウリなので、あまりに極端な重量増加は787の商品価値そのものを下げることにもなり、ポーイングとしては厳しい局面に至ったというべきでしょう。

6月 26, 2009 at 08:48 午前 もの作り | | コメント (3) | トラックバック (0)